日本政府、パキスタンにおけるポリオ根絶事業支援のためUNICEFを通じて4億5,500万円の無償資金協力を実施
2024年12月11日 イスラマバード（パキスタン）発
2024年12月11日 イスラマバード（パキスタン）発
日本政府はパキスタンにおけるポリオ根絶に向けた取り組みへの継続的な支援の一環として、経口ポリオワクチンを調達するため、国連児童基金（UNICEF）を通じて新たに4億5,500万円の無償資金協力を行うことを発表しました。本資金協力により、パキスタン・ポリオ根絶事業は2025年のポリオ予防接種キャンペーンで使用される2,022万回分以上のワクチンを調達することができます。
パキスタンは、野生株ポリオが根絶されていない世界2カ国のうちの一つです。2024年には同国でこれまでに59件のポリオの症例が報告されています。パキスタン政府はポリオの感染急増を受け、子どもたちの命を脅かすこの疾病を根絶させるため、パートナーと協力して広範囲にわたる戦略的な行動計画を2025年に展開する予定です。全国規模で行われる予防接種活動は4,540万人以上の5歳未満児を対象としており、女性を中心とする40万人以上の最前線で活動する保健員が、ポリオの予防接種を必要とする子どもたちに支援を行う上で非常に重要な役割を果たします。
「2024年に直面した課題は、ポリオ根絶に向けた取り組みを一層加速させる必要性を改めて浮き彫りにしました。日本政府の継続的なご支援とムハンマド・シャバーズ・シャリフ首相のリーダーシップのもと、2025年半ばまでのポリオ感染ゼロを目指して取り組みを強化していきます。」と、アイーシャ・ラザー・ファルーク・ポリオ根絶首相担当官が語り、次のように続けました。
「日本政府の揺るぎないご支援は、ポリオ感染ゼロの達成に近づく上で大きな力となっています。パキスタンにおけるポリオ根絶に向けた日本政府と国民の皆様の継続的なご支援に、心から感謝いたします。」
「洪水や新型コロナウイルス感染症、テロ攻撃などの苦難にも関わらず、日本は30年近くにわたってパキスタンにおけるポリオ根絶を支援してきました。本年パキスタンに対する日本の政府開発援助（ODA）が開始されてから70周年を迎えるにあたり、同国におけるポリオワクチンをはじめとする定期予防接種の推進を続ける決意をここに新たにします。」と、高野修一 在パキスタン・イスラム共和国日本国臨時代理大使が語りました。
この度の新たな資金協力は、1996年以降続いている日本政府によるポリオ根絶事業に対する支援の一環として実施されました。日本政府はパキスタンにおけるポリオ事業に対して、これまでにUNICEFを通じて約2億4,219万4,000米ドルの支援を行っています。
「すべての子どもたちが必要不可欠なワクチンを確実に接種できるようにするための、パキスタン政府の徹底した取り組みに感謝いたします。ワクチンは子どもの免疫力を高めるための最も効果的な方法であり、保護者やコミュニティの理解と、最前線で活動する保健員の取り組みによって、効果的にワクチンを使用することができます。ポリオ感染ゼロを目指し、ポリオ予防接種キャンペーンが成功裏に実施されることを心より願っています。」と、宮田尚亮 国際協力機構（JICA）パキスタン事務所所長が語りました。
「2024年のポリオ感染者数の急増は、キャンペーンや定期予防接種を通じてすべての子どもたちをワクチンで守る必要性が急務であることを示しています。ウイルスが根絶されるまで、ポリオが存在する限り、子どもたちは感染の危険にさらされ続けるのです。日本のようなパートナーの揺るぎないご支援のもと、UNICEFはすべての子どもたちに予防接種を行い、パキスタンからポリオをなくすための取り組みに力を尽くします。」と、UNICEFパキスタン事務所代表のアブドゥラ・ファディルが述べました。
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参考情報：ポリオは非常に感染性の高いウイルス性の疾患で、主に5歳未満の子どもに影響を与えます。ウイルスが神経系を侵すことで、麻痺や死亡の原因となります。ポリオには治療法がないため、ワクチンがこの深刻な疾病から子どもたちを守る唯一の有効な手段です。5歳未満の子どもたちはポリオワクチンを繰り返し接種することでより強固に感染から守られます。このような繰り返しの予防接種が、これまでに何百万人もの子どもたちをポリオから守り、世界中の多くの国でポリオを根絶させてきました。
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■ UNICEFについて
国連児童基金（UNICEF）は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190以上の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。
※UNICEF国内委員会が活動する33の国と地域を含みます
※UNICEFの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ UNICEF東京事務所
UNICEF東京事務所は、ニューヨーク本部直轄の国連機関事務所として、日本政府からの政府開発援助（ODA）による資金協力や、国会議員、国際協力機構（JICA）、非政府組織（NGO）等との連携を促進しています。
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