ORENDA WORLD、NVIDIA Omniverseで製造業の未来を創造。労働力不足と技術継承の課題を解決する、物理準拠のデジタルツインソリューションを提供開始

株式会社ORENDA WORLD

 製造業が直面する深刻な人手不足、熟練技術者の引退に伴う技能継承の危機、そして後を絶たない労働災害。

 これらの社会課題に対し、株式会社ORENDA WORLD(本社:東京都港区、代表取締役社長:澁谷陽史、以下 ORENDA WORLD)は、物理法則に準拠した高精度なデジタルツイン環境を構築するNVIDIA Omniverseソリューションの提供を開始します。本ソリューションは、現実世界と寸分違わぬ仮想空間でのシミュレーションを可能にし、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、日本のものづくりが抱える構造的な課題の解決に貢献します。

■ 背景:日本の製造業が直面する三重苦

 日本の基幹産業である製造業は今、深刻な「三重苦」に直面しています。少子高齢化の進行による労働力人口の減少は、現場の担い手不足を招き、2024年には製造業の就業者数が前年比で9万人も減少しました。実に製造業の9割が「人員不足に課題あり」と回答しており、この問題は企業の存続をも脅かす喫緊の課題です。

出典:キャディ株式会社「製造業DX実態調査」(2023年12月7日発表)より https://caddi.com/press/20231207/

 さらに、長年にわたり日本のものづくりを支えてきた団塊世代の熟練技術者が次々と引退の時期を迎え、「技能継承」が断絶の危機に瀕しています。製造業の86.5%が技術継承に問題を抱えているとの調査結果もあり 、これまで暗黙知として受け継がれてきた高度な技術やノウハウが失われつつあります。※2

 そして、最も憂慮すべきは労働災害の問題です。令和5年の製造業における死傷者数は27,194人にのぼり、3年連続で増加しています。特に「はさまれ・巻き込まれ」といった重大事故は後を絶たず、現場の安全性向上は待ったなしの状況です。※3

■ 調査サマリー

  • 深刻な人手不足:製造業の9割が人員不足を課題視。有効求人倍率は1.67倍と高止まり。

  • 技能継承の断絶:86.5%の企業が技術継承に問題を抱え、約8割が将来に不安。

  • 労働災害の高止まり:製造業の労働災害は全産業の約2割を占め、依然として高水準で推移。

■ ORENDA WORLDの考察:物理的な制約からの解放

 これらの根深い課題は、個別の事象としてではなく、物理的な制約に縛られた従来の開発・検証・訓練プロセスに起因する構造的な問題であると我々は捉えています。現実の工場や生産ライン、実機を用いたテストや訓練には、時間的、空間的、そしてコスト的な限界があります。危険な状況を意図的に再現することはできず、試作品の製作には多大な費用と時間がかかります。また、熟練者の「カン」や「コツ」といった暗黙知をデジタルデータとして形式知化し、継承することも困難でした。

 この物理的な制約から製造業を解放し、真のDXを実現する鍵こそが、物理法則に準拠した高精度なデジタルツインです。現実世界を仮想空間に忠実に再現し、そこで何度でも、どのような条件下でも、リスクなくシミュレーションを行うことができれば、開発効率の飛躍的な向上、安全性の確保、そして技能のデジタル化と伝承が可能になります。

■ 解決策のご提案:NVIDIA Omniverseソリューション

 この課題を解決するため、ORENDA WORLDは、NVIDIA Omniverseを活用したソリューションを提供します。NVIDIA Omniverseは、OpenUSD(Universal Scene Description)をベースに構築された、リアルタイム3Dグラフィックスコラボレーションのための開発プラットフォームです。物理法則に準拠したシミュレーションエンジンを搭載し、現実世界と見分けがつかないほどの忠実なデジタルツインを構築できます。

主な特長

  • 物理ベースの忠実な再現性:LiDARやカメラといった実在のセンサーモデルにも対応し、現実世界と同じ物理法則に基づいた高精度なシミュレーションを実行します。

  • Isaac Simによるロボティクス効率化:NVIDIA Isaac Sim™を活用し、ロボットの制御プログラムを高精度にシミュレーション。実機レスでの開発・検証を加速させます。

  • リアルタイム・コラボレーション:複数のユーザーが同時に同じ仮想空間にアクセスし、共同で作業を進めることが可能です。設計者、エンジニア、現場作業者が一体となって、リアルタイムに課題解決に取り組めます。

期待される効果

  • コスト削減と開発期間短縮:物理的なプロトタイプの製作回数を大幅に削減し、開発コストと期間を圧縮します。

  • 安全性向上:危険なシナリオや異常事態を仮想空間で安全に再現し、作業員の訓練やAIの学習に活用することで、労働災害のリスクを低減します。

  • 技能のデジタル化と継承:熟練技術者の動きや判断をデジタルデータとして記録・分析し、シミュレーションを通じて若手技術者へ効率的に伝承します。

  • 生産性の最大化:工場全体の生産ラインをデジタルツイン化し、ボトルネックの特定やレイアウトの最適化を事前に行うことで、設備投資の効果を最大化します。

■ ユースケース

  • 製造業:新規生産ラインの立ち上げ前に、デジタルツイン上で稼働シミュレーションを実施。ロボットの配置や動線を最適化し、生産効率を最大化します。

  • 自動車産業:自動運転AIの開発において、豪雨や夜間といった危険な走行シナリオを大量に生成し、AIの堅牢性を徹底的に検証します。

  • ロボティクス:これまで人手に頼らざるを得なかった複雑な組み立て作業を、AI搭載ロボットに代替させるための学習データを、シミュレーション環境で効率的に生成します。

 ORENDA WORLDは、ゲーム開発で培った高度な3DCG技術と、Unreal Engine 5(UE5)での豊富なシミュレーター開発実績を強みとしています。NVIDIA OmniverseとUE5、両プラットフォームへの深い知見を活かし、お客様の課題に最適なソリューションをコンサルティングから開発、運用までワンストップで提供します。

 物理シミュレーションによる「未来の工場」の実現へ。ORENDA WORLDは、NVIDIA Omniverseソリューションを通じて、日本の製造業が再び世界の頂点に立つためのDXを強力に支援してまいります。

NVIDIA Omniverseソリューションサイト: http://robotics-realsim.orenda.co.jp/

※1 出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)平均結果の要約」 

https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/youyaku.pdf

※2 出典:経済産業省「ものづくり白書」

https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2019/honbun_pdf/pdf/honbun_01_03_01.pdf

※3 出典:厚生労働省「令和5年の労働災害発生状況」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40395.html

【株式会社ORENDA WORLD】

「デザインとテクノロジーを用いて、人々に感動と心揺さぶる体験を届ける」をビジョンにかかげ、ゲーム開発における技術を活かして社会課題を解決するソリューションを提供している。

コンピューターグラフィックス・映像分野とコラボレーションさせた、デジタルヒューマン・メタバースコンテンツへの音声合成技術の活用にも積極的に取り組む。

会 社 名:株式会社ORENDA WORLD

設    立:2015年7月15日

所 在 地:東京都港区北青山一丁目3番6号 SIビル青山

U R L:https://orenda.co.jp/

代 表 者:代表取締役 澁谷陽史

事業内容:AIソリューション事業、デザイン開発事業、地方創生事業

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会社概要

株式会社ORENDA WORLD

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URL
https://orenda.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区北青山一丁目3-6 SIビル青山5階
電話番号
03-6276-3191
代表者名
澁谷 陽史
上場
未上場
資本金
-
設立
2015年07月