2020年第1四半期の中国におけるスマートフォン販売、新型コロナウイルス流行を受け激減する見通しに

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、中華人民共和国武漢市で発生したCOVID-19(新型コロナウイルス)の流行により、2020年第1四半期の中国におけるスマートフォン販売は20%以上減少し、また、世界のスマートフォン販売は第1四半期に5%減少するだろうというアナリストによるコメントと見通しを発表致しました。
この数ヶ月で、武漢市で発生したCOVID-19(新型コロナウイルス)は中国全土へ、そして世界へ、感染が拡大しました。かつてのSARS(重症急性呼吸器症候群)に似ていますが、それより致死率は低く、一方で伝染性は高いとされるコロナウイルスの感染が広がりを抑える為、中国政府は、厳格な旅行禁止令を1月24日に発令しました。小売りも企業間取引も、活動が急減速する為、この発令が中国のマクロ経済に打撃となるだろうとカウンターポイント社は予測しています。中国の春節の休みが2月上旬まで延長後、企業の大半は2月10日から業務を再開しようとしていますが、社交面、生産活動においても、中国内の活動は限定的のままです。

新型コロナウイルスが中国スマートフォン市場に与える影響について、カウンターポイント社のアソシエイトディレクターBrady Wang氏は次の通りコメントしています。
「需要の面で市場が受けた影響は深刻だ。外出禁止が続く期間中、路面店の売上は前年比で5割以上落ち込むと推定している。そこで、我々は第1四半期売上予測を2割下方修正した。状況は悪化する可能性があり、2月の販売次第ではさらに予測を下げざるを得ないかもしれない。第1四半期の売上急落は流通在庫の急増を引き起こすので、今後第2四半期にかけて出荷や新製品投入にも影響が出るだろう。」

スマートフォンメーカー各社への影響について、カウンターポイント社のリサーチアナリストFlora Tang氏は次の通りコメントしています。
「出荷の6割以上を国内に向けているHuaweiグループへの影響は大きい。路面店依存の販売チャネルをもつOPPOとVivoへの影響も大きいだろう。一方で、ネット販売を中心とし、海外販売に重点を置くXiaomi、OnePlusやRealmeへの影響は、それよりは少ないだろう。」

また、カウンターポイント社のリサーチアナリストMengmeng Zhang氏は次の通り付け加えています。
「Appleは、路面店を2月15日まで閉店するとアナウンスした。これによる販売の損失は約100万台とみられる。Appleの新商品開発も、米国や台湾のエンジニアが中国に出張できないため、影響を受ける。iPhone SE2は3月下旬に発売予定であるが、Foxconnの鄭州市の工場で十分な労働力を確保できないことから、量産立ち上げのトラブルが予想される。」

サプライチェーンの観点における潜在的な影響について、カウンターポイント社のシニアアナリストEthan Qi氏は以下のようにコメントしています。
「今年上半期の新機種発売は、中国の工場が正常稼働しないため、その影響を受けるとみている。ほとんどの電子部品メーカーは2月10日から操業を再開しているものの、生産ペースは遅く、運営も慎重である。少なくとも2月末まではフル生産には戻らないだろう。BOEやCSOTのディスプレイや、YMTCの半導体のように、中国国内で調達する部品についても同じことが言える。一方で、最終市場の需要も急減しているので、工場の生産が落ちているからといって、部品のサプライが不足している様子はまだみられない。状況がどうなるか、今後も注視する。」

カウンターポイント社のリサーチディレクターTom Kang氏は、中国市場及びグローバル市場に関して次の通りコメントしています。
「大きくみれば3月にはウイルスの封じ込めができる可能性はあるが、中国での事業活動が正常に戻るには、さらに2か月かそれ以上かかりそうだ。中国でも世界でも、スマートフォン市場は第1・第2四半期はマイナス成長になると、我々は予測している。スマートフォンメーカーによっては武漢市や湖北省に工場を持っている。加えて、一部メーカーはすでに部品在庫不足を起こしている。こうしたことから、世界の販売は第1四半期に5~6%のマイナス成長になるだろう。需要の一部は第3四半期にずれ込むだろうが、新機種の発売も遅れていることから、新機種をあてにした需要は第3四半期の購買に繋がらないだろう。以前、世界のスマートフォン市場は2020年に前年比成長と予測したが、実際には横ばいに留まる可能性がある。」

【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/

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会社概要

URL
https://www.counterpointresearch.com/
業種
情報通信
本社所在地
20F Central Tower, 28 Queen’s Road Central, Hong Kong
電話番号
-
代表者名
Kyungsoo Kang
上場
未上場
資本金
550万円
設立
2012年05月