<働くみんなのホンネ調査> 「ジェンダーハラスメント」について調査を実施

勤務先が男女平等だと「感じない」人が約50% 女性へのジェンダーハラスメント「見たことある」は約30%、男性へも約20%

株式会社ワークポート

総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:田村高広)は、全国の転職希望者300人を対象に、【ジェンダーハラスメント】についてアンケート調査を行いました。
■勤務先は男女平等だと感じる・感じない?結果は五十歩百歩
 毎年3月8日は国際連合によって定められた国際女性デーとして、女性の地位向上を目指した様々な働きかけが世界各地で行われています。日本は、2019年12月に世界経済フォーラムが発表した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」(世界男女格差指数)で153ヵ国中121位という結果になり、男女格差の問題が深刻であることが明らかになりました。何かと女性の生きづらさが取り沙汰されることが多いですが、一方で男性の中にもジェンダーによる差別で苦しんでいる人がいます。今回は全国の転職希望者の男女(20代~40代)を対象に、ジェンダーハラスメントについての実態調査を行いました。
 対象者に、現在の会社(直近の会社)は男女平等であると感じるか聞いたところ、「とても感じる」(14.7%)、「やや感じる」(36.7%)とする人は合わせて51.4%となり、「あまり感じない」(33.0%)、「まったく感じない」(15.7%)とする人は合わせて48.7%となりました。約50%は自身の勤務先は男女平等だと感じていますが、残りの半数は会社内で男女格差を感じていることがわかります。ジェンダーによる差別が改善されていない企業は一定数あり、男女平等な職場環境づくりへの取り組みは企業間で差があるようです。また、感じないと回答した人のうち、男性では45.3%、女性では53.8%と性別による大幅な偏りはなく、男女ともに格差を感じていることがうかがえます。


■約30%が男性・女性の“らしさ”を押し付けられた経験「あり」
 お茶出しや掃除は女性の仕事?重労働は男性の仕事?
 対象者に、現在の会社(直近の会社)で「男性だからこうするべき」、「女性だからこうするべき」といったことを言われたり強制されたりしたことがあるか聞いたところ、「よくある」(11.3%)、「たまにある」(19.0%)とする人は合わせて30.3%となり、「あまりない」(43.0%)、「まったくない」(26.7%)とする人は合わせて69.7%となりました。「ない」と回答した人が多いものの、約30%が男女の“らしさ”を押しつけられることで自身の言動を強制されたり制限されたりした経験があるということがわかりました。
 「よくある」、「たまにある」と回答した女性にどんなことを言われたり強制されたりしたか聞いたところ、「来客にお茶を出すのは管理職であっても必ず女性がすべきだと言われた」(30代・女性・営業)、「会社内の掃除は女性がやるようにと強制された」(40代・女性・営業)、「飲み会でのお酌は女性にやってほしいと頼まれた」(40代・女性・医療福祉)といった、勤務先でお茶出しや清掃などの雑務は女性の仕事だとする文化が根強く残っているという声が最も多く挙げられました。「女性は家事をしなくてはいけないから大変だね、と言われることが日常茶飯事である」(30代・女性・企画マーケティング)という意見も見られたことから、「女性=家事など雑務をする人」というような意識を持った人がまだ多くいるのかもしれません。2月13日に、埼玉県議会は女性職員が委員の県議にお茶を出す慣例を廃止すると発表しました。2007年に男女雇用機会均等法が再改正されてから10年以上が経過した現在もなお、お茶出しは女性の仕事であると考える企業も一定数あることがうかがえます。
 また、「昇給の相談時に女性はそんなにお金は必要ないだろうと言われた」(30代・女性・クリエイター)、「女性だから仕事をがんばらなくても良いと言われた」(30代・女性・営業)、「女性に昇進はないと言われた」(30代・女性・接客販売)といった、女性のキャリアアップを阻害するような発言をされたとする意見も多く見られました。さらに、「女性は補助的な業務をすべきという風潮がある」(40代・女性・事務)、「直接言われなくても女性のキャリアに対する差別を感じる」(30代・女性・建築土木)といった、言葉にされることはなくても“暗黙のルール”で女性を差別する雰囲気が感じられるとの意見も挙がりました。
 同じ質問への男性からの回答では、「男性だからと深夜の残業を強制された」(30代・男性・その他)、「男性だから外仕事がメインと言われたりきつい仕事を優先的にやらされたりした」(20代・男性・機械系エンジニア)、「重いものを持つなどの力仕事は男性の仕事だと言われた」(20代・男性・営業)といった、重労働や残業を課されたという意見が最も多く挙げられました。男性というジェンダーを理由に過重労働を強いられる人もいるようです。また、「男性だからお酒を飲めないといけないと言われた」(40代・男性・営業)といった、過度な飲酒を強要されるケースもあるようです。


■女性に対するジェンダーハラスメントの目撃者は30%以上!男性に対しても約20%が目撃したことが「ある」
 対象者に、女性がジェンダーによるハラスメントを受けているところを見たことがあるか聞いたところ、「ある」と回答した人が33.7%、「ない」と回答した人が66.3%でした。次に、男性がジェンダーによるハラスメントを受けているところを見たことがあるか聞いたところ、「ある」と回答した人が19.0%、「ない」と回答した人が81.0%でした。ジェンダーハラスメントを受けている女性を目撃した人の割合は、男性の場合より10%以上高いものの、男性に対するジェンダーハラスメントを目撃したと回答した人も約20%いることから、男女ともにジェンダーハラスメントにあっているようすがうかがえます。
 女性がジェンダーによるハラスメントを受けているところを見たことが「ある」と回答した人に、どんなジェンダーハラスメントだったか具体的に聞いたところ、「女性は正社員にはなれないと言われていた」(30代・女性・医療福祉)、「女性だから仕事ができないと言われたり、上司にしたくないと言われたりしていた」(20代・女性・クリエイター)、「女性はコピー取りや事務作業だけ行っていれば良いと言われていた」(30代・男性・システムエンジニア)といった、女性のキャリアを軽視するような発言をされていたとする声が多く挙げられ、会社の仕組み自体が女性差別を助長している可能性もみられました。また、「女性には年上であってもタメ口で話されていた」(40代・男性・その他)、「女性だからかわいらしさを出せと言われていた」(30代・男性・営業)、「男性は名前で呼ぶが、女性に対しては「女の子」と呼んでいた」(40代・女性・管理)といった、女性に対する敬意に欠けた言動がみられたとの意見も多数見られました。さらに、「女性が少ない職場なのでプロジェクトに登用されるが、畑違いの分野にも無理強いのように参加しなければならない人がいた」(40代・女性・事務)といった、女性活躍推進の取り組みによりむしろ負担を強いられるケースも見られました。適材適所に人材を配置せずとりあえず女性を管理職に登用したりプロジェクトに参加させたりするような動きは、かえって女性のキャリアアップへのモチベーションを低下させる原因になってしまうのではないでしょうか。
 次に、男性がジェンダーによるハラスメントを受けているところを見たことが「ある」と回答した人にその内容を聞くと、「肉体労働、暑い現場、夜勤は男性がやるようになっていた」(30代・女性・企画マーケティング)、「男性だからと強制的に飲み会に連れて行かれ遅くまで拘束されていた」(20代・女性・クリエイター)といった、体力的に厳しい環境下で過ごすことを強制されたという意見が最も多く挙げられました。また、「男性が育休を取ると出世できないような風潮があった」(30代・女性・企画マーケティング)、「男性は家族を犠牲にして仕事をするべきと言われていた」(40代・男性・営業)といった、男性の育児や家庭との両立を妨げるような発言や仕組みがみられたとする意見も挙がりました。さらに、「男性だから厳しくしても大丈夫だ、と男性管理職が男性社員に向かって言っていた」(30代・女性・管理)といった、同性特有のジェンダーハラスメントを受けている場面を見たという声もみられました。


■約90%がダイバーシティ推進企業への転職を希望!
 対象者に、転職するなら職場のダイバーシティ推進に力を入れている企業に転職したいと思うか聞いたところ、「とても思う」(43.3%)、「やや思う」(43.0%)とする人は合わせて86.3%となり、「あまり思わない」(11.3%)、「まったく思わない」(2.3%)とする人は合わせて13.6%となりました。近年、ダイバーシティ推進企業が注目され、働き手は性別や年齢、国籍などに関係なく活躍できる場を求めていると考えられます。しかし前項では、50%以上が現在の会社は男女平等であるとは感じられないと回答しているため、今後企業は働き手のニーズを汲み取り、すべての人が平等に評価されるシステムを作っていくことが課題となりそうです。


 職場での女性差別が問題視されているなか、本調査では男女ともに性別によって仕事を強制されたり制限されたりするようなジェンダーハラスメントにあっていることがわかりました。「男性らしく」、「女性らしく」という考え方は根強いようです。一方、今回の調査で現在の会社(直近の会社)で相手に男女差別と捉えられるようなことを言ってしまったことはあるか聞いたところ、「ある」と回答した人はわずか7.0%でした。ジェンダーハラスメントと捉えられる発言の多くは、悪気なく無意識に発せられているのかもしれません。ジェンダーハラスメントをなくすためには、働き手一人ひとりが自身の発言がハラスメントに当たらないかを一度考えてから発言するといった意識を持つことが大切になってくるのではないでしょうか。また、近年はLGBTQなど性別への柔軟な理解も求められています。採用難の時代、男女の型にはまった体制をとっていては確実に人材の定着は難しくなっていくでしょう。企業風土や社内に漂う雰囲気は、一社員の力で変えることは難しいはずです。企業側はジェンダーに関わらず個人の能力や適正に応じて評価する体制をつくることが重要だと考えます。今後、企業と働き手の双方がジェンダーによる差別をなくしていこうとする意識を持てるかが課題となってくるのではないでしょうか。

■調査概要
調査内容 :ジェンダーハラスメントについて 
調査対象者:当社を利用している全国の転職希望者(20代~40代の男女) 
有効回答 :300人 
調査期間 :2020年2月10日~2月17日
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

■ワークポートの取り組み
 私たちはミスマッチのない転職を実現し、すべての人や企業がいきいきと働ける社会を創ることが最大のミッションであると考えています。また、良質で満足度の高いサービスを提供したいという思いを込め、キャリアコンサルタントを“転職コンシェルジュ”と呼んでいます。転職希望者のキャリアや人生設計に適う求人のご紹介のほか、ご要望に合わせて年収交渉や退職のアドバイスなどをいたします。転職コンシェルジュとしての質の向上のため、人間性と専門性を高める取り組みなども行っています。
※「転職コンシェルジュ®」はワークポートの登録商標です。https://www.workport.co.jp/trademark/
※この調査内容を転載ご利用いただく場合は「ワークポート調べhttps://www.workport.co.jp/」または、「出典:株式会社ワークポート」の表記をお願いいたします。

■会社概要
商号  :株式会社ワークポート
代表者 :代表取締役CEO 田村高広 
設立  :2003年3月 
事業内容:人材紹介サービス(有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-040590)
拠点  :東京(大崎・立川・秋葉原)、横浜、埼玉、千葉、仙台、名古屋、大阪、京都、神戸、岡山(中四国)、広島、福岡、ソウル(韓国)、ホーチミン(ベトナム)

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業種
サービス業
本社所在地
東京都品川区東品川2-2-4 天王洲ファーストタワー6F
電話番号
-
代表者名
林徹郎
上場
未上場
資本金
4200万円
設立
2003年03月