IBMがWatson向けの新たな革新的機能の提供を開始

EYやRegions Bankをはじめとする主要なグローバル・ブランドが、Watsonを利用してワークフローにインテリジェンスを注入

日本IBM

自然言語処理、自動化、および信頼構築におけるIBM Researchのイノベーションが、Watson製品群において商用化される見通し
[米国ニューヨーク州 - 2020年12月9日(現地時間)発] IBMは本日、企業によるAIの利用拡大を促進するために設計されているIBM® Watson向けに計画された、革新的な新機能を発表しました。

IBM Researchが開発したこの新機能は、AIの自動化の改善、自然言語処理(NLP)における精度の向上、およびAI予測による判定結果の信頼度向上の促進を目的として設計されています。そこには以下のものが含まれます。

 

  • Reading Comprehensionは、IBM Researchの革新的な質問応答(QA)システムを基盤にしています。現在Watson Discovery (https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/watson-discovery) におけるベータ版の段階にあるこの機能は、膨大な量の複雑な企業文書の中から、自然言語クエリーに対してより正確な回答を特定するための新機能として計画されています。またこの機能では、各回答に対するシステムの確信度を示唆するスコアも提示されます。
  • FAQ Extractionは、IBM Researchの斬新なNLP技法を用いて、FAQ文書から対になるQ&Aの抽出を自動化する機能です。現在Watson Assistant (https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/watson-assistant) の検索スキルにおいてベータ版として提供されているこの機能は、企業が最新の回答によってバーチャル・アシスタントを常に最新の状態に保ち、時間のかかる手作業でのアップデート・プロセスの軽減を図るための新機能として計画されています。
  • 新たなインテント分類モデルは、すでにWatson Assistant (https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/watson-assistant) で利用可能です。このモデルは、バーチャル・アシスタントと対話するエンドユーザーの目的や意図をより正確に理解することと、アドミニストレーターがより迅速にシステムを学習させられるようにすることを目的として設計されています。このモデルでは、比較される商用システムと比べて、より少ないデータからより正確な結果がもたらされます[1]。このモデルは、企業がバーチャル・アシスタントを数日のうちに本稼働させ、同時に高い精度を実現するのに役立ちます。
  • Watson Discovery (https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/watson-discovery) は、ボスニア語、クロアチア語、デンマーク語、フィンランド語、ヘブライ語、ヒンディー語、ノルウェー語(ブークモール)、ノルウェー語(ニーノシュク)、セルビア語、およびスウェーデン語という10の新たな言語をサポートします。IBMは、企業がグローバルなエンタープライズ級のNLPソリューションを構築するのを支援するために、さらなるサポート言語を追加し続けています。

自然言語処理のアップデートに関する詳細については、こちら (https://www.ibm.com/blogs/watson/2020/12/innovations-in-natural-language-processing-from-ibm-to-help-enterprises-better-understand-the-language-of-their-business/) をご覧ください。

「この1年で、AIの真の力とは、状況の変化に対して企業が行動を起こしリアルタイムに対応するのを支援することにあるとわかりました。つまり、数週間や数カ月ではなく数分や数時間での対応ということです。本日発表する新しいAI機能は、IBM Researchによってもたらされる最先端のAI技術の進歩が、あらゆる業界のあらゆる規模の企業に大きな変革をもたらしているWatsonの言語、自動化、および信頼構築でのイノベーション実現に、どのように貢献しているかを示す1つの例なのです」と、IBMのデータおよびAI担当ゼネラル・マネージャーのダニエル・ヘルナンデス(Daniel Hernandez)は述べています。

AIガバナンス機能を進歩させて、ビジネス成果における信頼性と透明性の構築を支援
IBMはまた、来年1年間を通して、IBM Cloud Pak for DataのWatson Studioにおいて、IBM Researchが開発した「AI Factsheets」を商用化する計画も発表しました。食品用の栄養表示ラベルや電化製品用の情報シートのように、AI Factsheetsは、製品の重要な特性に関する情報を提供することを目的とするものです。この情報を標準化して公表することは、業界全体にわたるAIサービスの信頼構築を支援します。

これを補完するために、新たなコンサルティング・オファリングのIBM Services for AI at Scale (https://www.ibm.com/jp-ja/services/artificial-intelligence) では、信頼できる倫理的なAI活用への道のりにおいて組織をガイドするために、企業に対してフレームワーク、方法論、および基礎となるテクノロジーを提供します。またIBM Cloud Pak for Data (https://www.ibm.com/jp-ja/products/cloud-pak-for-data) も、どのクラウド上でも稼働できるAIのための一貫した基盤を提供する新機能を提供します。AIガバナンスのアップデートに関する詳細については、こちら (https://www.ibm.com/blogs/watson/2020/12/how-ibm-is-advancing-ai-governance-to-help-clients-build-trust-and-transparency/) をご覧ください。

主要なグローバル・ブランドが、Watsonを利用してワークフローにインテリジェンスを組み込んでいます。例えば、保険、税、ストラテジー・アンド・トランザクション、およびコンサルティング・サービスにおけるグローバル・リーダーのEYはWatson Discoveryを利用してM&Aデュー・デリジェンス・プロセスを変革しています。今夏序盤のIBMとのグローバル・アライアンスの拡大に続き、EYはDiligence Edgeの提供を開始しました (https://www.ey.com/en_gl/news/2020/12/ey-platform-hosted-on-ibm-cloud-and-using-ibm-watson-discovery-to-reframe-the-future-of-m-a-due-diligence) 。これは、買収交渉担当者が取引のライフサイクル全体を通して有益な洞察を特定して活用できるようにするとともに、ディールバリュー機会についての十分な情報に基づいて決定を行い、競争の熾烈な買収プロセスにおいて優位に立つのを支援することを目的とするもので、そこにはEY専有のM&A言語について学習したカスタムNLPモデルが組み込まれています。

Regions BankはIBMと協力して、IBM Cloud Pak for DataとWatson OpenScaleを活用した、ユースケースをモニタリングするモデルを完成させています。Regionsは、本稼働するモデルの正確さを絶えず把握することができ、予測のクオリティーについてより高い信頼性を実現しました。IBMは、モデルのパフォーマンスの追跡に対する標準化された規律あるアプローチを提供しており、今後はRegionsのエンド・ツー・エンドのモデル・ライフサイクル管理プログラムを促進していく予定です。またRegionsは、Watsonを利用して顧客サービスも強化しており、Watson Assistantを利用して、コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって以降、電話の待ち時間を40パーセント短縮していると報告しています。

EYとRegions Bankは、増え続けるWatson利用企業のリストに加わりました。そのリストには他にも、日本航空 (https://www.ibm.com/watson/women-leaders-in-ai/momo-tokumon-2020) 、NatWest (https://www.ibm.com/watson/women-leaders-in-ai/kristen-bennie-2020)、マリコパ郡 (https://www.ibm.com/blogs/watson/2020/05/clerk-of-the-superior-court-in-maricopa-county-delivering-fast-accurate-answers-to-the-public/) をはじめ、多くの企業や組織 (https://jp.newsroom.ibm.com/2020-05-11-ibm-ai-future-build-world-woman-leader-recognition) が名を連ねています。

本日のニュースは、ビジネス戦略向けのAIを進歩させるためのIBMからのさらなる一歩です。それは、Project Debaterの拡張NLP機能の商品化 (https://jp.newsroom.ibm.com/2020-03-13-ibm-advances-watsons-ability-to-understand-the-language-of-business) から、Watson AIOps (https://jp.newsroom.ibm.com/2020-05-07-ibm-cio-support-new-ai-announcement) の提供開始、WDG Automation (https://jp.newsroom.ibm.com/2020-07-17-ibm-wdg-automation-acquisition-ai-incorporated-company-for-automation-function-promotion) およびInstana (https://jp.newsroom.ibm.com/2020-11-26-IBM-Acquires-Instana-to-Continue-Promoting-Hybrid-Cloud-and-AI-Strategy) [2] の買収、ならびにServiceNow (https://jp.newsroom.ibm.com/2020-10-20-IBM-and-ServiceNow-IT-automation-by-utilizing-corporate-AI-Partnership-to-help-reduce-risk-and-cost) をはじめとする広範なエコシステム・パートナーシップ (https://jp.newsroom.ibm.com/2020-05-07-ibm-cio-support-new-ai-announcement) に基づくAIを基盤とする自動化機能の拡張、さらには企業、医療機関、政府機関、および学術機関による、ステークホルダーへのパンデミックに関する信頼できると思われる情報を得るためのWatson Assistant (https://www.ibm.com/watson/covid-response) の利用の支援にまで至ります。

本日の発表に関する詳細については、https://newsroom.ibm.com/new-innovative-capabilities-for-watsonをご覧ください。

[1] Qiその他著(2020年):「Benchmarking Intent Detection for Task-Oriented Dialog Systems」https://arxiv.org/pdf/2012.03929.pdf
[2] 数週間以内に話がまとまる見込み

IBM Watsonについて
Watsonは、ビジネス向けのIBMのAIテクノロジーで、組織による将来的な結果のより的確な予測と適切な形成、複雑なプロセスの自動化、および従業員の時間の最適化を支援します。Watsonは、IBM Researchのプロジェクトから、実験へ、そしてどこででも稼働する拡張された一連のオープンな製品へと進化しています。3万件を超えるお客様のエンゲージメントを有するWatsonは、人々の働き方の変革を目的として、さまざまな業界の主要なグローバル・ブランドに利用されています。詳細については、https://www.ibm.com/jp-ja/watsonをご覧ください。

将来の見通しに関する記述と注意書き
自社の計画、方向性、および意図に関するIBMのステートメントは、IBM独自の裁量により、予告なしに変更または撤回される場合があります。潜在的な将来の製品に関する情報は、当社の一般的な製品の方向性の概要を示すことを目的とするものであり、購買の意思決定において参考にしていただくべきものではありません。潜在的な将来の製品に関して言及されている情報は、何らかの材料、コード、あるいは機能性を提供することに対する、コミットメント、約束、または法的義務を意味するものではありません。潜在的な将来の製品に関する情報は、いかなる契約においても盛り込まれない場合があります。当社の製品に対して記述されているいかなる将来の特徴または機能性についても、その開発、リリース、およびタイミングは、当社独自の裁量に委ねられたままとされます。

この記事は次の記事の抄訳です。
https://newsroom.ibm.com/2020-12-09-IBM-Launches-New-Innovative-Capabilities-for-Watson(英語)

IBM、ibm.com、IBM Cloud、IBM Cloud Pak、IBM Research、IBM Services、IBM Watson、Watson、Watson OpenScaleは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。

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会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月