【就活・AI活用実態調査】「効率化」から「AIとの対話」へ。8割以上の学生が「自己分析」や「キャリア相談」としてAI活用。一方で学生が感じるAI就活の不安とは?
AI就活 ー 約3割の学生が「AIの言葉」と「自分の本音」の乖離に葛藤。

採用マーケティング支援を行う株式会社No Company(本社:東京都港区、代表取締役:秋山真)は、2026年卒・27年卒予定の大学3年生、大学4年生の学生を対象に、就職活動における「AI活用」をテーマとした最新の意識調査を実施いたしました。
就活でのAI活用は、エントリーシート作成などの「作業を楽にする使い方」から、「自分に合う仕事やキャリアを考える使い方」へと変わってきています。本レポートでは、「AIネイティブ世代」の変化から見えてくる、就活の新しい動きをレポートします。
調査結果サマリー:最新のAI・就活活用の実態4選
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就活・AI活用の主戦場は「自己分析・キャリア相談」へシフト。
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8割以上の学生が就活でのAI活用は「自己分析」や「キャリア相談」として活用。
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AIでの履歴書、エントリーシートの作成は5割弱の学生が利用。
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単なる時短ツールではなく、AIを「壁打ち相手」として思考を深める使い方が定着。
2 . AIを使う学生ほど「リアル重視」の傾向。OB訪問やインターンなど対面での情報収集により多くの時間を割いている。
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AIで浮いた時間で、ネットにはない「一次情報」の取得に時間を割いている。
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AIやネット情報を活用し、自己分析や企業研究を「短時間で広く」進める“効率化重視”層と、AIで時間を捻出しつつ「実体験ベースで深く」理解しようとする“リアル深掘り”層へと二極化している。
3 . 約7割の学生が、AIで自分に合う会社の情報を探している(探せると思っている)
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検索から「AIとの対話による企業のレコメンド」へ。AI活用が認知の起点に。
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「AIが選んだ企業」への興味。AIが提案した未知の業界に2割以上の学生が関心を示す。
4 .「自分らしさが消えていく」アイデンティティの喪失に対する不安が可視化。
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約3割の学生が「AIの言葉」と「自分の本音」の乖離に葛藤。
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AIを活用することで、「本来の自分の実力や言葉ではないものになってしまうのではないか(しまっているのではないか)」という不安を感じている。
◾️履歴書、エントリーシート作成を抑え『自己分析』での活用が1位に。就活生の2人に1人が実践する、AIを使った『自己分析』の実態とは。

AI活用の場面で最も多かったのは「自己分析(過去の経験の棚卸し、強みの言語化)」です。次いで「エントリーシート・履歴書の作成」、「キャリア相談(自分に合う業界や職種の壁打ち)」という結果でした。ここから見えてくるのは、AIの使い方が「作業の効率化」から、「自分を理解するための活用」へと変わってきているという点です。
これまでの就活におけるAI活用は、エントリーシートの作成や誤字脱字チェックなど、いわば“作業を楽にするためのツール”としての使われ方が中心でした。一方で現在は、「自己分析」での活用が最も多く、AIを使って自分の経験を整理したり、強みを言葉にしたりする学生が増えています。
この背景には、企業選びの軸の変化があります。企業の知名度や条件といった“スペック”で選ぶのではなく、「自分に合っているか」「どんな環境で力を発揮できるか」といった“自己理解”をベースに意思決定する動きを示唆しています。自己分析は単なる準備ではなく、納得感のある選択やミスマッチの防止につながる重要なプロセスになっているのでしょう。
◾️AIを駆使している一方、「対面でのリアルな情報収集」も重視している。
本調査では、AI活用で生まれた「余裕(時間)」の使い道について、興味深い傾向が見られました。

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インターンシップや説明会への参加:28.6%(143人)
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OB・OG訪問や社員訪問の実施:8.6%(17人)
AIで効率化した時間を、ネットには載っていない「リアルの情報」を取りに行く学生が約4割いることがわかりました。学生たちは、AIがどれだけ発達しても「社員同士の距離感」や「社内の独特なルールや雰囲気」といった部分は、実際に人から聞かないとわからないと感じています。デジタル(AI活用など)が便利になるほど、むしろリアルな接点の価値が上がっている、という逆転現象が起きています。
また、今の学生たちは良いことばかりを知りたいのではなく「失敗談・苦労・ギャップ」と言った情報も「実際に働いている人から直接話を聞くことで、仕事の大変さや働きやすさをよりリアルに知ることができる」と考えているようです。

◾️AIが認知の起点に。AIが提案した未知の業界に2割以上の学生が関心を示す。

また、約7割の学生が「AIを活用して自分に合う会社の情報を探している(または探せると考えている)」と回答しました。従来のナビサイトにおける条件検索に加え、AIとの対話を通じて自分に合った企業の提案を受けるなど、企業探しの手法に変化が見られます。
企業探しは「自分で探すもの」から、「自分に合う選択肢を見つけてもらうもの」へと変わりつつあると言えそうです。

また、AIとの対話を通じて、「自分では気づかなかった強みや価値観を言語化できた」という回答が多く見られ、自己理解の深まりにつながっている様子がうかがえます。加えて、2割以上の学生が、これまで関心のなかった業界や企業に対して「自分に向いている可能性に気づけた」と回答しています。
AIが一人ひとりの特性をもとに新たな選択肢を提示することで、これまでになかった新たな出会いが、デジタル上で生まれ始めていると言えそうです。
◾️アイデンティティの葛藤。「自分らしさ」の喪失に対する不安。
一方で、AI活用が進むことへの副作用も顕在化しています。就活でAIを使うことへの不安として、最も多く挙げられたのが「自分自身の思考力の低下」です。次いで「企業にAI利用がバレないか」、さらに「他の学生と内容が被らないか」といった項目が上位に挙がりました。
AIとの対話で自己理解が深まったと感じる一方で、「生成された言葉が自分の本音と乖離しているのではないか」「自分の本来の実力が伝わらないのではないか」という、AIネイティブ世代特有のアイデンティティに対する葛藤が可視化される結果となりました。

この不安の表れの1つとして、「面接や選考において、AIを利用したことを選考中の企業に話せるか?」という問いに対し、4割以上の学生は「話したくない」、「隠しておきたい」と考えているようです。

その背景には、
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「手抜きだと思われそう」
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「AI利用が知られると選考が不利になるのではないか」
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「入社後の評価に悪影響があるかもしれない」
といった、周囲の目や評価を気にする心理がありました。AI活用が広がる一方で、就活生の間には心理的なハードルが存在しています。
また、AIそのものに対する不安として、
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「自分の文調と合わない可能性がある」
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「自分の想いが十分に伝わらない」
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「内容がありきたりになりやすい」
といった声も挙がっており、AIが生成した内容に自分の考えや意図、想いが十分に反映されないのではないかという懸念も見られました。
こうした傾向は、AI活用が「正当な手段」としても「スキル」としても十分に認知されていない、過渡期ならではの状況を反映したものといえるでしょう。
そのため、企業側においてもAIを活用した就職活動に対してどのように考えているか、どう向き合っていくのかを明確に発信していく必要性が高まっていると考えられます。

さらに、AIが自身の思考に与えた影響についての振り返りでは、「自分で考える機会を一部代替した」と回答した学生が過半数以上に達しました。一方で「自分で考える機会を拡張した」と感じている層も存在しており 、AIを自身の能力を増幅させる「拡張ツール」として捉えるか、思考を委ねる「代替ツール」として捉えるかによって、就活体験の質が二極化している実態が浮き彫りとなりました。
◾️調査結果のまとめ:「AIが当たり前の就活」へ。企業に求められるのは、AIが構造化できない“リアルに伝わるコミュニケーション設計”
本調査から、学生がAIを単なる効率化ツールにとどまらず、自己理解を深める手段として活用している実態が明らかになりました。履歴書やエントリーシートの作成といった作業領域に加え、自己分析やキャリア検討といった意思決定の場面でも活用が広がっています。
こうした変化を受け、企業の採用活動においても見直しが求められています。主なポイントは以下の3点です。
① AIを起点にした新しい企業認知と、AIOへの対応
これまでの採用では、ナビサイトでの検索結果にどれだけ表示されるかといった「露出」が重視されてきました。一方で現在は、AIを通じて企業情報を集める学生が増えています。
本調査でも、約7割の学生がAIを活用して「自分に合う企業の情報を探している(または探せると考えている)」と回答しています。
こうした状況においては、自社の価値観やカルチャーがきちんと言語化されているかが重要となります。それらが整理されていることで、AIにも正しく理解されやすくなり、結果として学生にとって「自分に合いそうな企業」として認識されやすくなります。
② AIでは補えない「リアル体験の設計」
企業情報の多くがAIによって整理・比較される一方で、学生は一次情報の重要性をより重視する傾向が見られます。特に、社員の実体験や職場の雰囲気といった情報は、意思決定における重要な判断材料となっています。
そのため、採用活動においては、面接やインターンシップ、コンテンツを通じて、実態に即した情報を提供するコミュニケーションの設計が求められます。
③ AI時代の採用に求められる”スタイルマッチ(=価値観や行動様式をもとに企業と求職者がマッチングしている状態)”
本調査の結果から、学生の中には、「思考力の低下」や「個性が失われるのではないか」といった不安も見られました。一方でこれは、情報があふれる中だからこそ、「自分なりの判断軸」や「自分に合った選択」をより重視している表れとも捉えられます。
こうした状況において企業に求められるのは、AIの利用有無といった観点で評価することではありません。重要なのは、AIを通じて整理された言葉の背景にある、その人自身の価値観や考え方を丁寧に理解することです。
対話やコンテンツを通じて、学生の価値観と自社のスタイル(価値観や行動様式)がどの程度合っているのかを見極めていくことがより重要となっています。
◾️組織づくりの「第一ボタン」を掛け違えないため──AI時代の採用戦略「スタイルマッチ」
私たちは、採用を組織づくりの「第一ボタン」だと考えています。このボタンを掛け違えることは、その後の育成や配置、さらには人的資本経営そのものの根幹を揺るがす重大な経営リスクとなります。
AIの普及により、給与や福利厚生といった情報は簡単に整理・比較できるようになりました。一方で、条件面だけで企業を選んだ場合、入社後の納得感や活躍につながりにくいケースも少なくありません。
だからこそ今、企業側には、自社がどんな価値観を大切にしているのか、どんな行動や意思決定をしているのかをきちんと言葉にして伝えることが求められています。
求職者もまた、スペックだけでなく「考え方や働き方」に納得したうえで企業を選ぶ、そんな関係性が重要になってきています。
私たちは、この価値観を軸にしたマッチングを「スタイルマッチ」と呼んでいます。この視点を持つことで、ミスマッチを減らし、結果として組織の安定や成長につながると考えています。
こうした変化を踏まえ、採用のあり方を見直す支援をNo Companyでは行っています。情報があふれ、AIが意思決定に関わる時代だからこそ、自社の「スタイル(価値観や行動様式)」を埋もれさせず、合う人にきちんと届く状態をつくり、とどけて、はぐくむことが重要です。私たちは、そうした状態を一貫して支援し、採用と組織づくりに伴走していきます。
◾️調査概要
調査時期:2026年3月2日~2026年3月23日
調査方法:インターネット調査
対象エリア:全国
調査対象:就職活動(インターンシップなど情報収集含む)の中でAIを活用したことがある、大学3年生、大学4年生
有効回答数:500
◾️調査背景
現代の新卒採用市場において、3年以内の早期離職率は増加傾向にあります。さらに、入社1年以内の離職が企業に与える損失は、1人あたり660万円を超えるとも言われており、企業と学生の「ミスマッチ」は経営上の重大なリスクとなっています。
こうした中、AI(人工知能)の活用が急速に浸透し、学生の企業認知や意思決定のプロセスは劇的な変容を遂げています。AIによる「思考の拡張」は、マッチングの精度を高める可能性を秘める一方で、学生側に「自分らしさ(スタイル)の喪失」という新たな葛藤を生んでいます。No Companyは、このAIネイティブ世代のインサイトを解明し、スペック(条件)だけの比較に陥らない、人が人を動かす「手触り感のある情報」の価値を再定義し、持続可能な組織づくりへのヒントを提示すべく、本調査を実施いたしました。
No Companyが実現する「スタイルマッチ」
採用マーケティング支援のリーディングカンパニーであるNo Companyでは、企業のスタイル(価値観や行動様式)を言語化・可視化し、求職者に届けることで、自社に合う人材とのマッチング=「スタイルマッチ」を実現しています。
これまでに100社・1000人を超える人事・採用担当者との対話を通じ、企業ごとの価値観や文化に関する知見を積み重ね、それぞれに最適な採用マーケティングの戦略や戦術を模索しながら取り組んできました。こうした経験をもとに、生活者に響く情報発信や採用プロセス設計を行い、企業と求職者双方にとって最適なマッチングを目指しています。
No Companyは、「スタイルマッチで組織と人を変えていく」を事業ミッションとし、この理念に基づいた多様なサービスを通じて、企業の人事・採用活動を支援しています。

株式会社No Company
博報堂グループ初のSNSデータを活用した採用広報支援企業。株式会社スパイスボックス(本社:東京都港区、代表取締役社長 田村栄治) の子会社として2021年10月1日に設立。SNSデータ活用ノウハウ、博報堂グループの一員として持つ豊富なマーケティング知見、実績を活かし、採用マーケティングのリーディングカンパニーとして企業の採用活動の支援や人的資本経営におけるブランディング支援を行う。
社名 :株式会社No Company(読み方:ノーカンパニー 英文社名:No Company, inc.)
設立 :2021年10月1日
資本金 :2000万円
出資者 :株式会社スパイスボックスほか
所在地 :東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー23階 WeWork内
代表者 :代表取締役社長 秋山真
事業内容:採用マーケティング支援
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