ヤマハの技術とノウハウを凝縮したICT音楽教育ソリューション 学校の音楽教育現場に向けて『Smart Education System』の提供を開始
第1弾としてデジタル音楽教材『ボーカロイド教育版』『ギター授業』『箏授業』(ことじゅぎょう)提供開始
昨今、学校教育現場のICT(Information and Communication Technology)化が急速に進んでいます。政府は、昨年6月に閣議決定した「日本再興戦略2016」で、「全ての教科の課題発見・解決等のプロセスにおいて、各教科の特性に応じ、ITを効果的に活用する」ことを謳っており、2020年までに、子ども一人につき一台の端末を整備することや、ICTを活用して指導できる教員の割合を100%にすることなどを目指すとしています。特に今後は、教育現場にて電子黒板やパソコン、タブレット端末といった教育向けハード機器やネットワーク環境が整備され、これに伴い「デジタル教材」などの教育向けソフトのニーズも高まることが予測されます。
当社はこうした環境の中、ヤマハだからこそ提供できるICT音楽教育ソリューション『Smart Education System』の構築に2014年より取り組んできました。これまで、15校もの協力のもとで実証授業を続け、学校関係者の方々との度重なる意見交換を通じて、教育の現場において有効に活用できるICTソリューションのノウハウ・知見を蓄積してきました。そしてこのたび、その成果の第一弾として、主に小中学校の教育現場を対象とした、授業モデルパック付きの3つのデジタル音楽教材『ボーカロイド教育版』『ギター授業』『箏授業』の提供を開始します。
【参考イメージ】
『ボーカロイド教育版』は、当社が開発した歌声合成技術「VOCALOID™」(ボーカロイド)を小中学校の音楽授業を想定し改良したもので、思い浮かんだ歌詞やメロディーをどんどん入力して、試行錯誤を重ねながら直感的な操作で曲をつくることができる音楽ソフト形式のデジタル教材です。教材には、独自の「授業モデルパック」が付属しており、これに沿って授業を行うことで、子どもたちはメロディーづくりを体系的に学びながら、楽しんで創作に励むことができるようになっています。この教材を使ったこれまでの実証授業では「子どもたちの想いを歌という形にする中で対話的な学びができた」「今まで学んだ音楽的な要素をもとに歌をつくるのでより深い学びにつながった」など、子どもたち自らが考えて能動的に学んでいくスタイルに高い評価を受けていました。さらに「創造性」と「論理性」を同時に育むことができることから、2020年に小学校で必修化される予定の「プログラミング教育」の観点からも注目を集めていました。
『ギター授業』『箏授業』は、限りある音楽科の授業数の中で少しでも多くの楽器に触れ、様々な音楽に親しみを持ってもらうことを目的に開発した動画をベースにしたデジタル教材です。専門家による充実の解説・模範演奏動画を多数収録しており、単に再生するだけでなくアングルを切り替えたり、再生テンポを変えたりしながら演奏ポイントを視覚的にしっかりと確認しながら学習できるようになっています。いずれの教材も、特に「器楽」の授業を想定した「授業モデルパック」が付属しており、楽器演奏が苦手な指導者でも無理なく効率的に教えられるようになっています。この教材を使った実証授業では、直感的に操作できるシンプルな機能性や、演奏に必要な要素を網羅した構成に対して高い評価を受けていました。また、『箏授業』については、現行の「学習指導要領」に「3学年間を通じて1種類以上の和楽器の表現活動の実施」が謳われているなかで、和楽器の中でも学校授業で一番使用されている「箏」に特化した初のデジタル教材として発売します。
1.子どもたちの「創造性」と「試行錯誤」を支援する音楽ソフト形式の独自教材
思い浮かんだ歌詞やメロディーをどんどん入力して、音楽創作に励むことができるWindowsタブレット端末・パソコン用のデジタル教材です。歌詞はひらがなとカタカナで入力でき、音の高さや長さをひと目で理解できるやさしい画面表示となっており、楽譜が苦手な子どもでも直感的に音楽創作に取り組めるようになっています。また、リズムや音の高さの変化などを意識しながら、何度も試行錯誤して創作することで、創造力だけでなく論理的思考力をしっかりと養えるようになっています。
2.「創作」の授業に役立つ「授業モデルパック」が付属
「教材を使ってどのように授業を進めていくか」がイメージし易いように、指導者向けの「授業モデルパック」が付属しています。現行の「学習指導要領」をふまえた「創作」の授業に適した内容となっており、子どもたちが楽しみながらも体系的にメロディーづくりが学べるようになっています。そのほか、板書資料、児童・生徒用のワークシート、授業用の伴奏音源なども含まれており、すぐに授業が始められるようになっています。(本リリース末に「授業モデルパック」の一部を掲載しています。)
3.ハーモニーの学習にも対応した「パート重ね機能」
男声と女声の双方を収録しており、最大4パートまで曲を重ねることができることから、混声4部合唱のアレンジを教材上で行うことも可能となっています。例えば、作ったメロディーに副旋律をつけて合唱曲に仕上げるといった授業にも活用できます。
4.作った楽曲を作品として残せる「出力機能」
授業や学校行事の成果を作品として残すことができるように、完成した楽曲は音声ファイル(WAV形式)で出力することが可能となっています。また、「MusicXML」ファイルの出力にも対応しており、楽譜作成ソフトで読み込んで、楽譜として自分たちの作品を残すこともできるようになっています。
<『ギター授業』『箏授業』 主な特長>
1.充実の「解説・模範演奏動画」を収録。「アングル切替」「テンポ変更」で気になるポイントをしっかり学習
いずれもWindowsタブレット端末・パソコン用のデジタル教材となっており、専門家による充実の「解説・模範演奏動画」を通じて、指使いや音色を効果的に学習できます。全身・手元を切り替えられる「アングル切替機能」や、「テンポ変更機能」「リピート機能」を搭載しており、気になる点やつまづきやすい点をしっかりと学習できます。さらに『箏授業』では、唱歌(しょうが)のオン・オフにも対応しています。
2.「器楽」の授業に役立つ「授業モデルパック」が付属
はじめてギターや箏を使って授業を行う指導者でも安心して授業を進められる独自の「授業モデルパック」が付属します。現行の「学習指導要領」をふまえた「器楽」の授業に適した内容となっており、楽曲をベースにどのように授業を進めるかや、教える際の留意事項、教材の使いどころなどを細かく記載しています。さらに、児童・生徒用のワークシート、板書資料なども含まれており、すぐに授業を始められるようになっています。『ギター授業』では、リコーダーとのアンサンブルを想定したものや、『箏授業』では、箏の歴史や唱歌も合わせて学習し日本の伝統音楽に親しむものもあり、単なる楽器演奏のための教材としてではなく、総合的な学習体験を意識した授業モデルとなっています。(下部に「授業モデルパック」の一部を掲載しています。)
3.演奏に必要な「予備知識」もしっかりカバー
各楽器を演奏する前に必要な基礎知識も動画で学習できるようになっています。『ギター授業』では、ギター各部の名称、構え方、コードダイヤグラムの見方など、授業の導入部で活用できるコンテンツも充実しています。『箏授業』では、箏の構造や各部の名称、爪のはめ方、縦譜の読み方、座り方・構え方などにくわえ、親指や中指を使った基本的な奏法をはじめ、その他のいろいろな奏法も詳しく紹介しています。
4.一人ひとりのペースに合った学習を支援。スモールステップでの学習が可能
いずれの教材も、児童・生徒一人ひとりのペースに合わせて細かい単位で学習できる構成となっています。『ギター授業』には、おなじみの楽曲「カントリーロード」「情熱の花」「スカボローフェア」(3曲4種類)を収録し、楽曲ごとに演奏に必要な要素が20前後のスモールステップのエクササイズにまとめてられています。『箏授業』には、「さくらさくら」(初級)、「さくらさくら」(上級)、「六段の調」(冒頭)の3つを収録しており、曲をフレーズごとに区切って練習できるようになっています。
<『ボーカロイド教育版』授業モデルパック 一部抜粋>
板書資料・ワークシート例
<『ギター授業』授業モデルパック 一部抜粋>
授業モデル・ワークシート例
<『箏授業』授業モデルパック 一部抜粋>
<『Smart Education System』今後の展開について>
『Smart Education System』では、今回のデジタル音楽教材の提供のみならず、今後は、楽器やネットワーク機器、クラウドサービスや人的サポートも含めた包括的なソリューションを提供することで、新しい時代の音楽教育をサポートしていく予定です。なお、『Smart Education System』公式サイト(http://ses.yamaha.com/)では、製品・イベント情報のほか、これまでの実証授業の様子や、各授業の授業モデルパックの追加提供、その他さまざまな情報を発信しています。
<関連リンク>
http://ses.yamaha.com/
ヤマハ ニュースリリース
https://www.yamaha.com/ja/news_release/
※VOCALOID(ボーカロイド)およびボカロは、ヤマハ株式会社の登録商標です。
※その他の文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
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