日本郵船、SAP S/4HANA® Cloud Public Editionを国内最大規模で導入

-AI活用による経営の高度化を目指し、社内システム基盤を刷新-

シグマクシス

日本郵船株式会社(本店:東京都千代田区、以下「日本郵船」)は、AI活用による経営の高度化を実現するため、会計基幹システムをSAP S/4HANA® Cloud Public Editionへ移行し、社内システム基盤を刷新しました。株式会社シグマクシス(本社:東京都港区、以下「シグマクシス」)が、SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、以下「SAPジャパン」)をはじめとしたパートナー各社と協業しながら本取り組みを支援し、システムは2025年7月の稼働開始から安定的に運用されています。

日本郵船は、海運事業を核とする世界最大規模の総合物流企業です。同社は、グローバル競争の激化や変化の激しい経営環境を背景に、データに基づく迅速な意思決定を根幹としたデータドリブン経営の実現を目指し、経営基盤刷新プロジェクトを立ち上げました。その取り組みの一つとして、国内外の子会社(船舶保有のための特別目的会社を含む)約350社の会計基幹システムをパブリック版のSAP S/4HANA Cloudへ移行し、全社業務の標準化を行いました。プロジェクトでは、会計・財務領域の主要5モジュール(機能群)(注1)を導入し、従来は複数システムに分散していた会計基盤を一元化しました。

パブリック版のSAP S/4HANA Cloudは、SAPが提供するクラウド型の最新ERP(統合基幹業務システム)で、グローバル標準の業務プロセスと定期アップデートにより、常に最新の機能を利用できるシステムです。本取り組みではパブリック版のSAP S/4HANA Cloudを国内最大規模で導入し、広範な業務統合を実現しました。さらに、財務取引管理(TRM)やインハウスバンキング(IHB)などの高度な金融機能を同システム上で標準化した国内初の事例であり、世界的にも先進的なプロジェクトの一つと位置付けられます。

導入にあたっては、パブリック版のSAP S/4HANA Cloudの標準機能にあわせて、複雑化かつ属人化していた業務を標準化するFit to Standard(注2)を徹底しました。これにより、今までのシステムでは約450件あったアドオン開発による機能(業務に合わせて追加で開発した機能)は約1割まで縮小しました。同システムの定期バージョンアップも最小限の工数で対応可能となり、稼働直後の2025年8月に行われたグローバルバージョンアップも円滑に完了しました。

本取り組みは、日本郵船が主導し、各領域に強みを持つパートナー各社が緊密に連携して完遂しました。シグマクシスは、日本郵船とともにプロジェクト全体を推進しながら、Fit to Standardを実施するうえでのプロジェクト実績や海上輸送業務への知見を発揮し、パブリック版のSAP S/4HANA Cloudの導入と業務変革を支援しました。SAPジャパンは、本プロジェクトを通じて明らかになった標準機能の拡張ニーズへの対応や、国内外でも例の少ないモジュール構成の実現に向け、SAP本社と連携しながら支援しました。

本取り組みに関わったその他主要なパートナー企業と支援領域は以下のとおりです。

  • 株式会社NYK Business Systems: SAP S/4HANA Cloud周辺システムの改修、システム・データ移行

  • 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社:Fit to Standardを支える、パブリック版のSAP S/4HANA Cloud拡張開発

日本郵船は今後、同システムのバージョンアップを通じて最新技術を取り込みながら業務標準化を継続し、シグマクシスとSAPジャパンがこれを引き続き支援します。また、標準化により整備されたクリーンコア環境(注3)で生成AIを駆使し、定型業務を自動化するとともに、より高度な分析・判断・提案業務へのシフトを推し進めます。日本郵船は各社と協力しながら、働き方の次世代化と迅速な意思決定を可能にするデータドリブン経営の実現に向け、さらなる社内システム基盤の高度化に取り組んでいきます。

(注1)パブリック版のSAP S/4HANA Cloudに含まれるモジュールのうち、債権債務の計上や財務諸表の作成等を行う制度会計(FI)、経営管理のための原価・収益管理を行う管理会計(CO)、為替や借入などの金融取引管理を行う財務取引管理(TRM)、資金の一元管理や資金繰りの予測等を行う資金管理(CM)、仮想口座を用いてグループ内でネッティングや資金の集中管理を行うインハウスバンキング(IHB)の5つのモジュール

(注2)システムの標準機能に合わせて、業務プロセスを変えること

(注3)システム本体への追加機能開発を行わず、標準機能のまま維持されている環境

【各社概要】

日本郵船株式会社

1885年創立の、海運事業を核とするグローバル総合物流企業です。世界最大級の輸送網を運営し、自動車船、コンテナ船、エネルギー輸送船など、多種多様な船隊を保有・運航しています。近年は、長年培ってきた海運事業の知識と技術を生かし、脱炭素をはじめとする新たな事業領域にも積極的に進出。革新的な技術開発と事業創造を通じて、海運事業の枠を超えた新たな価値を提供し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

ウェブサイト:https://www.nyk.com/

株式会社シグマクシス

企業のトランスフォーメーションを支援するコンサルティングサービスを提供しています。新規事業開発、先端技術活用、SaaS導入・業務変革、プログラム&プロジェクト・マネジメント等、多様な能力を擁したプロフェッショナルが、企業や組織の課題解決と新価値の創造を通じ、新たな産業の共創にも取り組んでいます。

ウェブサイト:https://www.sigmaxyz.com/sx/

SAPジャパン株式会社

SAPジャパンは、SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。

ウェブサイト:http://www.sap.com/japan

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会社概要

株式会社シグマクシス

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URL
https://www.sigmaxyz.com/sx/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区虎ノ門4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス9F
電話番号
03-6430-3400
代表者名
太田寛
上場
未上場
資本金
2億円
設立
2021年10月