“睡眠の質がメダルの色を変える”スタンフォード大との共同研究「Scientific Reports」に掲載

 株式会社エアウィーヴ(東京都中央区、代表取締役会長兼社長:高岡本州、以下「エアウィーヴ」)が「睡眠負債」の提唱者でもあるスタンフォード大学医学部教授の西野精治氏と行った共同研究が、7月16日付でネイチャー・リサーチ社が発刊するジャーナル「Scientific Reports」に掲載されましたので、ご報告いたします。
 本研究は、米国のIMGスポーツアカデミー※1にて実施され、睡眠後の運動パフォーマンスを計測しました。本研究により、「エアウィーヴで寝ると運動パフォーマンスが上がる」ことが科学的に証明されました。
 スタンフォード大学との先行研究で、エアウィーヴで寝ると、低反発マットレスで寝たときに比べて、入眠時の深部体温が下がり、深い睡眠を得られることがわかりました。※2 今回さらに、エアウィーヴでの睡眠が運動パフォーマンスを向上させるかについて検証を行いました。具体的には、若年男性を対象に、“エアウィーヴと低反発マットレスパッド”もしくは“エアウィーヴありとエアウィーヴなし”で眠ったときを比較し、高反発マットレスが運動パフォーマンスに与える影響を調べました。その結果、2013年~2014年にかけて(以下「研究Ⅰ」と記載)と、2014年~2015年にかけて(以下「研究Ⅱ」と記載)の2回ともに、エアウィーヴで寝た後の方が計測した運動パフォーマンス種目(40m走・立ち幅跳び・スタードリル)の数値に向上の傾向が見られました。また、研究Ⅰでは40m走、研究Ⅱではスタードリルのタイムが有意に短縮していました。

※1 米国フロリダ州にある寄宿学校・スポーツトレーニング施設。アスリートの養成において世界的に有名で、錦織圭をはじめ多くのトップアスリートを輩出している。

※2 出典: High rebound mattress toppers facilitate core body temperature drop and enhance deep sleep in the initial phase of nocturnal sleep.
PlosOne, 13, e0197521, 2018
 

●「Scientific Reports」について
 「Scientific Reports」は、ネイチャー・リサーチ社が発行するオープンアクセス型のジャーナルです。自然科学と臨床科学のすべての領域から独自の研究を公開しており、世界で7番目に引用されているジャーナルです。

●論文掲載URL
Evaluations of effects of sleep surfaces on athletic performance in youth
www.nature.com/articles/s41598-020-68795-5
 

実施時期:
2013年~2014年(研究Ⅰ)
2014年~2015年(研究Ⅱ)

対象:
IMGアカデミーに所属する若年アスリート 10~19歳
研究Ⅰ:51名(平均年齢15.7歳±3.1歳)
研究Ⅱ:23名(平均年齢15.1歳±3.8歳)
→テニス、野球、バスケ、ラクロス、サッカーのチームに所属

<実験概要>

 

 


<測定項目>

◆運動パフォーマンス:40m走、立ち幅跳び、スタードリル

◆質問紙 :眠気(ESS)、睡眠、パフォーマンス、気分に関する主観的評価(VAS、SSR)・ESS…日常の8つの状況について4段階で評価、11点を超えると眠気は強いと判断される。

・VAS…100mmの直線の左右両端に両極端の言葉(ex. 眠い-眠くない等)記載し、
今の状態に近いと思われる位置に垂直線を引いてその時の状態を評価する質問紙。
端から垂直線までの距離を測って数値化する。

・SSR…その時の状態を10段階で評価する(1=最も悪い、10=最も良い)Ø反応時間…注意力維持を検査するために用いられる。モニターに印が出たら、できる限り早く反応してボタンを押すことで反応時間を測定する。

◆アクチグラフ…腕時計型の加速度計付き活動量計。活動量から覚醒・睡眠を判定し、記録する。
※研究Ⅰでのみ実施


<結果>

研究Ⅰ

●40m走のタイムがエアウィーヴを使用した際に0.28秒向上していた(p=0.06:有意傾向 ※3)。
⇒ エアウィーヴ 7.00秒 、 一般的なマットレス 7.28秒

※3 pとは、p値を指し、統計的な有意差を見る指標。p<0.05は有意差あり、0.05≦p<0.1は有意傾向あり、0.1≦pは有意差なし。

●40m走の結果を前半後半2週間で分けて反復測定分散分析をおこなったところ、2条件間で統計的な有意差がみられた(p=0.03)。(図1)
⇒ エアウィーヴ使用時のほうが有意にタイムが速くなっていた。

研究Ⅱ

●エアウィーヴ使用時にスタードリルのタイムが統計的に有意に向上していた(p=0.04)。
⇒ エアウィーヴあり31.03秒 、 エアウィーヴなし32.83秒

●各セッションの2週間のデータで反復測定分散分析をおこなったところ、2条件で統計的に有意な差が見られた(p=0.04)(図2)


図1.
前後半2週間の40m走タイムの比較(研究Ⅰ)

図2.
各セッション2週間のスタードリルタイムの比較(研究Ⅱ)

​西野精治氏

医師、医学博士
スタンフォード大学医学部教授、睡眠生体リズム研究所(SCN ラボ)所長

1955年生まれ大阪府出身。1987 年、当時在籍していた大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学。2000年、グループの中心としてヒトのナルコレプシーの主たる発生メカニズムを突き止める。2005 年、SCN ラボの所長に就任。睡眠・覚醒のメカニズムを分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で研究している。2017年に出版した『スタンフォード式 最高の睡眠』がベストセラーに。「睡眠負債」「黄金の90分」といったキーワードが大きな関心を集める。

 

丸山崇氏
産業医科大学医学部第1生理学准教授
スタンフォード大学医学部睡眠生体リズム研究所客員研究員

2001年産業医科大学医学部卒業。脳神経外科レジデントとして臨床研修をおこなった後、2006年より産業医として、旭化成(株)、新日鐵住金(株)等で企業従業員の健康管理業務を行う。2012年より産業医科大学医学部第1生理学に所属し、脳内ホルモンや睡眠の生理機構に関する基礎研究に従事している。2014年よりスタンフォード大学医学部睡眠生体リズム研究所客員研究員として睡眠とスポーツパフォーマンスの関係などの研究に従事する。
 
  • オリンピック帯同スポーツドクター 金岡恒治氏コメント

金岡恒治氏
早稲田大学スポーツ科学学術院教授
1988年筑波大学を卒業した整形外科医師

筑波大学講師を務めた後に2007年から早稲田大学でスポーツ医学の教育・研究にたずさわる。シドニー、アテネ、北京五輪の水泳チームドクターを務め、ロンドン五輪にはJOC本部ドクターとして帯同した。アスリートの腰痛予防研究に従事し、体幹深部筋研究の第一人者。
著書に「腰痛のプライマリケア」文光堂、「体幹モーターコントロール」中外医学社などがある。

コメント
 競技パフォーマンスの向上には筋力、柔軟性や持久力だけでなく、最適な体の使い方、つまり中枢神経によって調整された調和の取れた筋肉の協調性(モーターコントロール)が重要とされています。このモーターコントロール機能に影響を与える因子は様々ですが、睡眠も重要な要素になり、今回の研究によって、良好な睡眠は競技パフォーマンスを高めることが明らかにされました。人類最高のパフォーマンスを競うオリンピックにおいては、睡眠の質がメダルの色を変えることになるかもしれません。また、アスリートの競技パフォーマンスは、一般の方の日常の生活パフォーマンスと同じで、良質な睡眠は仕事の質(クリエィティブの向上、ミスの減少)の向上につながると考えられます。

 株式会社エアウィーヴは、「The Quality Sleep(眠りの世界に品質を)」をミッションに、高反発マットレスパッド 「エアウィーヴ」をはじめ、マットレス・枕・かけ布団などの製造販売を行う総合寝具メーカーです。弊社は創業当初より睡眠研究に力を入れており、研究で得たデータをもとに、「いずれは個人が体格や体重に合わせてマットレスを選ぶ時代をつくりたい」という想いで、開発を続けてまいりました。それらの製品は、多くの一流アスリートやリッツパリ・加賀屋などの高級ホテル・旅館に認められています。弊社はこれまでの研究で得たデータの解析、IoTなどへの応用により「睡眠のトータルソリューションカンパニー」を目指します。
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