リアルテックファンド、細胞やバクテリアの保護・保管性能を高める革新的なカプセル化技術を開発するシンガポール発ベンチャー、Austrianovaに投資
リアルテックホールディングス株式会社(所在地:東京都墨田区、代表:丸幸弘、永田暁彦、以下:「当社」)が運営するリアルテックグローバルファンド*は、SGAustria Pte. Ltd.(本社:シンガポール、以下:「Austrianova」(商標名))への出資を実施したことをお知らせします。Austrianovaは、世界で唯一硫酸化セルロースベースのカプセル内に細胞やバクテリアを内包し、長時間保管や内包時増殖を可能にするシンガポール発ベンチャーです。当社は、日本進出支援を手がける戦略的パートナーとして、国内事業会社との連携を加速していきます。
左)細胞を内包するAustrianovaの事業「Cell-in-a-Box」
右)バクテリアを内包するAustrianovaの事業「Bac-in-a-Box」
様々な外的要因から細胞・バクテリアを守り、生存率を高めるカプセル化技術は、創薬・医療分野のみならず、ヘルスケアや畜産分野において、広く利用されています。その市場規模は約30兆円に達する言われており、技術テーマとして大きく注目されております。しかし、現在主流となっている素材のカプセルは、人体への注入時に免疫システムによる拒絶反応の発生リスクがあり、輸送や保管面においても様々な課題が存在しています。
Austrianovaは、欧州のバイオテクノロジー/ワクチン企業にてIPOを経験したBrian Salmons氏と、ウイルス学の教授でありドイツやアメリカの細胞治療や遺伝子治療などの先進医療に携わっているWalter Gunzburg氏によって設立されました。同社のカプセル技術は、従来の技術と比較して約10,000倍の耐酸性を保有し、胃酸環境下において4時間の耐久が可能です。また、体内への注入時に生じる免疫システムによる拒否反応を回避することができ、室温で最長数年間の保存も可能となります。既に、アメリカの創薬企業であるPharmacyte Biotech Inc社と共同で、すい臓がん向けの治療薬を開発しており、本年度中にはPhase2の臨床試験が開始される予定です。その他にも、広範囲な細胞・バクテリアに応用可能なプラットフォーム技術として、大手事業会社との共同研究を実施しています。
↑主なAustrianovaのチームメンバー
当社はグループ会社であるリバネス・シンガポールがシンガポール企業庁と共同開催しているEnter to Japan Market Programなどを通して、かねてより信頼関係を築いてきました。今回の出資を通して、積極的に事業会社との連携を推進し、Austrianovaのカプセル化技術のアプリケーションの拡大および社会実装を支援して参ります。
*正式名称:「リアルテックグローバルファンド1号投資事業組合」
■SGAustria Pte Ltd / Austrianova(シンガポール)について
- 設立年月:2009年2月2日
- 所在地:41 Science Park Road #03-15 The Gemini Singapore(117610)
- 代表者:Dr. Brian Salmons, Prof. Walter Gunzburg
- 資本金:3.3M SGD
- 事業内容:生きた細胞とバクテリアをカプセル化する技術の開発・提供
- 公式サイト:https://austrianova.com/
- グローバルファンドの支援内容:日本市場への進出支援および事業会社との連携加速
- 出資時期:2021年6月
■リアルテックファンドについて
リアルテックホールディングス株式会社が、自社ならびに子会社の合同会社リアルテックジャパンを通じて管理運営するベンチャーキャピタルファンド。地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジー(リアルテック)の社会実装に取り組んでいます。
- 正式名称 :リアルテックファンド1号投資事業有限責任組合(A)、リアルテックファンド2号投資事業有限責任組合(A)、リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(A)、リアルテックグローバルファンド1号投資事業組合(B)
- 無限責任組合員:(A)合同会社リアルテックジャパン
- 業務執行組合員:(B)リアルテックホールディングス株式会社
■リアルテックホールディングスについて
リアルテックホールディングス株式会社は株式会社ユーグレナと株式会社リバネスの合弁企業です。私たちは、リアルテックの生みの親である研究者とその社会実装に命を懸ける起業家と共に、より良い未来を創造します。「リアルテック」とは、地球や人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジーであり、世界を変えるのは、いつでもリアルテックであると信じています。
HP: https://www.realtech.holdings
<お問い合わせ先>
リアルテックホールディングス株式会社
広報担当:成田
https://www.realtech.holdings/contact
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