千葉工業大学の学生が開発した超小型衛星「KASHIWA」が初期ミッションを達成しました
<詳細>
世界の宇宙産業はここ数年で数倍に拡大しており、我が国でも旧来の宇宙企業に留まらず多くのベンチャー企業が宇宙ビジネスアイデアを提案し企業活動を開始しています。しかしながら新たなビジネスアイデアを実現するために不可欠な技術者が圧倒的に不足しています。千葉工業大学では、社会ニーズの解決のための宇宙を使ったソリューションを確実に実現できる衛星づくりができる技術者を育成するために、2021年4月より「高度技術者育成プログラム」を行なってきました。
「KASHIWA」は2022年1月に当時の学部2年生が開発に着手した10cmx10cmx10cmの超小型衛星(1U キューブサット※1)です。2024年3月22日(日本時間)アメリカ・スペースX社ファルコン9ロケット30号機での打ち上げに成功。2024年4月11日(日本時間)に国際宇宙ステーションから放出された後、地上と衛星間の通信が確立され、2024年6月3日、人工衛星局相当アマチュア局免許が交付されました。衛星基本機能の宇宙空間での動作確認を行い、「KASHIWA」で計画していた初期ミッションを以下の通り達成しました。
ミニマムサクセスレベル(最低成功条件)「衛星が撮影した画像1枚を地球上で画像に復元する」をクリア
APRS(※2)による一般アマチュア無線家へのメッセージ送信
地磁気データの聴覚情報への変換
今後数ヶ月の間、APRSによる一般アマチュア無線家へのメッセージ双方向通信、ステレオカメラによる測距、夜間光等を対象とした地球観測に挑戦するとともに、SNSやウェブサイトを通じて「KASHIWA」が取得したデータを公開してまいります。
また、「KAHISWA」に続き、2024年夏には「SAKURA」、2024年秋には「YOMOGI」の打ち上げを予定しています。
(※1)キューブサット
1辺10cmの立方体サイズ・1kg程度の質量からなる(1Uサイズの)超小型衛星。2003年の打ち上げを機に、世界的にも多くの大学・企業が参加し、衛星製造・運用の入口として活用されています。近年では3Uサイズの衛星単体、あるいは複数機をつかった実用的な衛星利用も始まっています。
(※2)APRS
Automatic Position Reporting Systemの略であり、アマチュア無線局がアマチュア無線電波上に生データをリアルタイムに配信するパケット通信プロトコルです。
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