トルビズオン、佐賀県多久市に7つの「空の道」を新設、同日に7回のドローン配送実験を実施
全国初VRモールからの注文によるドローン配送や、安全運航を見守る管制室デモで、「空のデジタル田園都市」を発信
上空シェアリングサービスを運営する株式会社トルビズオン(福岡市中央区、代表取締役 増本 衛)は2022年11月5日、一般社団法人たく21(佐賀県多久市、代表理事 真崎俊夫)、多久市まちづくり協議会かつやく隊(隊長 笹川 俊一、笹川工建株式会社代表取締役)らとともに、多久市の協力を得て、多久町と西多久町において7つのルートでのドローン配送実証実験を実施いたしました。また、安全運航管理のための管制室のデモ、ドローン配送にあたって遠隔での買い物をサポートするVRモール体験、トイドローン操縦体験など、ICTを駆使したデジタル田園都市を目指す多久のビジョンを住民や関係者に共有しました。
- 実証実験の目的
目視人を配置した飛行体制を計画した上で、地域経済のメリットと安全性の担保について、住民向けの事前説明会を実施し、飛行ルート全域にトルビズオンが提供する「ソラシェア」の保険を適用することで、万一の事故にも備えました。このようにドローンが社会実装をしていく上で最も重要である地域住民の理解を得ながら、ドローン配送の事業を継続可能にするためのビジネスモデルを検討していきます。
ドローン配送の事業性を確認するための取り組みとして、建築事業者、飲食店、小売店、スイーツ店、薬局、物産館、農家、及び西日本高速道路(株)九州支社(NEXCO西日本)などと協働し、地域住民のニーズを元にBtoB、BtoCを問わず、さまざまなパターンの配送ルートとオペレーションフローを実験しました。実験後は住民へのアンケート調査等も実施し、今後の事業開発に役立てる計画です。
- 飛行ルート及び搭載物
①9:40〜 朋来庵・こうき(うどん屋)→駄道(消費者)2.2㎞:配送物は天ぷら
②10:00~ 駄道(農家)→朋来庵(物産館)2.2㎞:配送物はゆず、柚子胡椒
③10:20~ 朋来庵(薬局)→西の原公民館(消費者)1.2㎞:配送物はVRモール注文品
☆西多久町ルート(午後、④~⑦) : 管制拠点は幡船の里(宝満山公園)
④14:30~ 平古場(農家)→幡船の里(物産館)2.8㎞:配送物は里芋
⑤15:00~ 幡船の里(物産館)→多久西PA(飲食店)3.56㎞:配送物はみかん、乾燥椎茸、銀杏、切干し大根
⑥15:30~ 多久西PA(飲食店)→吉の尾公民館(公共ポート)2.7㎞:配送物は唐揚げ弁当、煎餅
⑦16:00~ 吉の尾公民館(公共ポート)→幡船の里(物産館)3.3㎞:配送物はスイーツ
飛行ルートの地図(Google Mapより)
- 当実験での試み
現在全国で実施されているドローン配送は、電話やCATVのカタログなどで注文をとるケースが多いが、実際に行き慣れた店舗を歩いてみないと、買い忘れなども起こり、事業者側もそれによるビジネス機会を失う恐れもあります。そこで本実験では新たに配送元の店舗をVRモール化し、注文者がタブレットからVRモールで購入・決済、ドローンで商品が手元に届くまでを実験しました。
管制拠点に設置した管制室デモ
ドローンの第三者上空飛行を実現しドローン配送を社会実装するには、安全な運航管理体制が求められます。この度の実験では、国が求める要件を満たすための安全管理の管制室機能のプロトタイプを考案し実験しました。具体的にはドローンからの空撮映像やテレメトリーデータによる「空の道の安全確認」と配送先の「空の駅の安全確認」を同時に遠隔監視するシステム及びネットワークを構築し、そのデモンストレーションを各町の管制拠点(朋来庵・幡船の里)から実況中継で地域住民と見守りました。
NEXCO西日本との連携
2022年2月にも実施した多久西PA(下り線)でのフードデリバリー実証実験に続き、本実験では上り線においても同社が展開するモテナスの唐揚げ弁当を地域住民向けにドローンで配送し、高速道路沿線地域への商品の販路拡大及び欠品した商品をドローンで供給するフローについて実験しました。また、同社濵野氏には各住民説明会において、「空の道開拓」という地域における新たなインフラ整備の可能性についても講演いただきました。
- 来賓及び主催者からのコメント
古川康衆議院議員(国土交通省政務官)
新しい視点でビジネスへの応用が進むドローンは動画撮影以外にも、災害救助や生態確認、輸送物流、インフラ点検など、少子高齢化に伴う人手不足が社会的な課題の中、その活用が大いに期待されています。
ドローンを使った配送実証などドローン活用の機運をさらに盛り上げていただくことをご期待申し上げ、併せて多久市がドローン先進地として、より一層発展していくことを祈念いたします。
西日本高速道路㈱九州支社 地域共創担当部長 濵野昌志氏
高速道路は移動インフラとして、人や物の流れを広域に生み出すことを中心に地域の発展を支えてきました。それはこれからも変わりません。 一方で、物流業界や地域に目を向けてみると、人口減少やライフスタイルの多様化などに伴い、物流業界のラストワンマイルや観光客の衰退などといった課題が増えているのも事実です。 こうした社会課題を少しでも解決に導くためには、既存サービスの充実でけではなく、新しいサービスを掛け合わせるなど、機能の拡張が必要だと考えています。 ドローンの活用もその一つ。まずはSA・PAがドローンポートとなり、SA・PAから個人宅まで物を運んだり、新たな観光スポットまで人を送り届けるなどは想像できるようになってきました。 そうした意味でも、今回、多久市で行われた実証実験の一つ「地元産品をPAへ、PAから地域へのお弁当配送」は意義あるものと思います。
一般社団法人たく21 代表理事 真崎俊夫(主催)
一般社団法人たく21は、多久市の中心市街地活性化を推進するために様々な事業を行っています。その中で、今回のドローン事業は、過疎化が進んでいく多久市の農村部等において物流の不便さを解消していく大きな取り組みとなっております。また、今回のドローン物流に加えて、バーチャルモールを取り入れた事業を実施し、自宅に居ても、実店舗を訪れ、欲しいものを注文し、ドローンで運ぶ事業も実施しました。これらの実証事業によって、多久市全体から不便を解消する社会を実現することを目指しています。
これからも地域の方々にご理解と同意をいただきながら、「空の道」を増やし、その道を活用して新たな多久市の未来を創っていきたいと思います。
- 【上空シェアリングサービス「sora:share(ソラシェア)」およびトルビズオンについて】
トルビズオンはソラシェアにより、「地権者合意」をつなぎ合わせることでドローン配送用の空の道をつくるプロジェクト「Sky:Road」及び、土地所有者とドローンユーザーをつなぎ、ドローン空撮・練習をするための空域をシェアする「Sky:Market」を提供しています。この事業活動を通して、空域のデジタルツイン(空のDX)を実現することをミッションにしています。
またソラシェアは3次元空間(緯度・経度・高度のデータセット)に名称を与える「スカイドメイン」という仕組みを導入し、世界中の空を識別します。空のURLともいうべき「スカイドメイン」に紐づくデータベースには、空域の3次元情報以外にもドローン飛行の合意状況、インセンティブの内容から、土地や建物の管理者情報、障害物情報、気象などのリスク要素に至るまで格納でき、それらの情報には必要に応じてセキュアな環境から外部からのアクセスも可能な設計となっています。
ソラシェアホームページ
https://www.sorashare.com/
また、全国の自治体連携による「ドローン物流ビジネスモデル構築」のコンサルティングも実施しております。
トルビズオンのコンサルティングサービス
http://21501902.hs-sites.com/consultingdoc/
トルビズオン公式ホームページ
https://www.truebizon.com/
※トルビズオンは、一般社団法人たく21の令和4年度過疎地域持続的発展支援交付金事業「ドローンを核にした交流によるまちづくり事業管理業務(以下、本事業)」を推進する事業者として2022年9月13日より採択されたことを受け、今回の実験の実施に至りました。
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