2025年7月18日、求龍堂より人気アーティスト・小林孝亘による、初めてのアート絵本『さようなら、こんにちは』が出版されました。“森の奥へ戻ってゆく”静かな癒しの物語です。

たどり着いたところから、小さな絵を描くうちに、この場所に戻っていた・・・・・・画家自身の体験から生まれた「再生への扉」のような、静かな探訪の絵本です。

株式会社求龍堂

本書『さようなら、こんにちは』は、画家・小林孝亘が物語となる言葉を書き、挿絵を描いた、初めての絵本になります。小林は1999年から10年以上、タイのバンコクに移り住んで作品制作をし、現在は神奈川県逗子のアトリエにて制作をつづけています。国内外で高く評価されてきた小林は、2024年、しばらく立ちどまり、「生」と「死」について考える時間を得ました。再生への流れのなかで“もう一度森へ戻る”というイメージが現れ、小さなドローイングにして描いていくうちに、絵と言葉が紡がれ、物語になっていきました。

本書は、立ちどまり、もう一度ゆっくりと戻ってゆくことで、小さな光を見つける旅のような1冊です。ペンと色鉛筆で丁寧な細密で描かれた、美しい原画の色彩と風合いの再現を、美術図書出版の求龍堂が手がけました。

一編の詩のような言葉からはじまる、森の不思議な物語

森を抜けて海へ辿り着き、浜辺に佇む「私」の視線は、目の前に広がる水平線へ注がれます。やがて空の彼方へと向けられて、遠いその先へ向かおうとする意識は、ふと、森へ向き直ります。そして、もと来た森の奥へ分け入るごとに現れる、一匹のカエル、あり得ないバランスの積み木、頭上から見下ろすフクロウ、揺れる花たち、青色の羽をした蝶……一つひとつ、謎解きをするように、「私」は森に流れるにおいや風を捉えながら進んでいきます。森の奥へと。

森へ

目をそらさずに

小林孝亘の絵画世界の新たな予感

小林孝亘の作品世界は、日常のありふれたもの、見過ごすような一隅のなかにある非日常を浮かび上がらせ、私たちを含めた「存在」の不思議に引き寄せます。小林は静かに内面を見つめつつ、外の世界に存在しているものの本質が放つ光を捉えようとしてきました。本書では、自身の思わぬ停滞の時間を経て、変わらず絵に現れてきたもの、予期せぬものの出現などが、静謐な細密作品を通じて表現されています。初めての絵本制作によって、小林の絵画世界が新たな展開を見せていく予感がします。

耳をすませて

商品情報

『さようなら、こんにちは』

対象:現代絵画全般

発売日:2025年7月18日

定価:3,300円(税込)

著者:小林孝亘

発行:株式会社求龍堂

主な仕様:上製本、190×210mm、40頁、作品点数:17点

関連展覧会情報

「小林孝亘 さようなら、こんにちは TAKANOBU KOBAYASHI Goodbye, hello」

全期間:2025年7月8日(火)~8月9日(土)

会場:西村画廊

https://www.nishimura-gallery.com

            

 
著者プロフィール

小林孝亘 こばやし・たかのぶ

1960年   東京・日本橋に生まれる

1986年   愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業

1996-97年 文化庁芸術家在外研修員としてバンコクに滞在

              1996年より西村画廊(東京)にて個展、以降、定期的に個展・グループ展開催

1999-2012年 東京とバンコクに住む

2011年-  武蔵野美術大学造形学部油絵学科教授

2013年-  神奈川県逗子市に住む

主な個展

1998年   アート・スコープ ’98 派遣アーティストとしてフランス、ロト・エ・ガロンヌに滞在

2000年 近作展23 小林孝亘 国立国際美術館(大阪)

              The Drop of Heat バンコク大学アートギャラリー(タイ)

2004年   小林孝亘展―終わらない夏 目黒区美術館(東京)

2010年   Dream, dreaming us 100 トンソンギャラリー、バンコク(タイ)

2014年   小林孝亘―私たちを夢見る夢 横須賀美術館(神奈川)

2017年   小林孝亘―私たちを夢見る夢 ギャラリー柏 六花亭(札幌)

2025年   さようなら、こんにちは 西村画廊(東京)

主なグループ展

1995年   第38回安井賞展 セゾン美術館(東京)

              水戸アニュアル’95 絵画考―器と物差し 水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城)

1996年   VOCA’96 現代美術の展望―新しい平面の作家たち 上野の森美術館(東京)

1997年   群馬青年ビエンナーレ(招待部門) 群馬県立近代美術館

2002年   美術の力―時代を拓く7作家― 兵庫県立美術館

2003年   MOTアニュアル2003 おだやかな日々 東京都現代美術館

2010年   絵画の庭―ゼロ年代日本の地平から 国立国際美術館(大阪)

2013年   Re:Quest―1970年代以降の日本現代美術展 ソウル大学校美術館

              Ohara Contemporary 大原美術館(岡山)

2015年   画家の詩、詩人の絵 平塚市美術館(神奈川)他4館巡回(-'16)

2016年   Horizon That Appears Out of The Sleepy Woods Stephen Friedman Gallery(ロンドン)

2020年   神宮の杜芸術祝祭「紫幹翠葉(し かん すい よう)―百年の杜のアート」明治神宮ミュージアム(東京)

2023年   共生世界―2022済南国際ビエンナーレ 済南市美術館(中国)

2024年   空の発見 渋谷区立松濤美術館(東京)

              
東京都現代美術館、東京国立近代美術館、国立国際美術館(大阪)などパブリック・コレクション多数

 

編集者より

描かれた森のなかをゆっくりと歩き、立ち止まって目や耳をすますことに時間をかける。そこに現れてくる生きものや静物。見つめるうちに意識のざわつきが静まり、癒やされていることに気がつきます。本書を手に、ゆっくり物語の森を歩いてみてください。

求龍堂について

求龍堂は1923年創業、昨年2023年、100年を迎えた美術書出版社です。社名の求龍(きゅうりゅう)はフランス語の「CURIEUX」からとったもので、「芸術的あるいは知的好奇心を求める」「常に新しきを求める」ことを意味し、名付け親は画家の梅原龍三郎です。東洋の「龍」に理想を求め、時代という雲間を縦横無尽に飛び交いながら、伝統美からアート絵本まで、常に新たな美の泉を発掘すべく出版の旅を続けています。

【会社概要】

社名:株式会社 求龍堂

本社所在地:東京都千代田区紀尾井町3-23 文藝春秋新館1階

代表取締役:足立欣也

創業: 1923年

事業内容: 美術品・生活文化関連図書の出版、美術印刷物の企画製作、美術品売買

HP:https://www.kyuryudo.co.jp/ 

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会社概要

株式会社求龍堂

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URL
-
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都千代田区紀尾井町3-23 文藝春秋ビル新館1階
電話番号
03-3239-3381
代表者名
足立欣也
上場
未上場
資本金
-
設立
1950年12月