土地家屋調査士の現地測量作業を3Dスキャナーでスピードアップし約3割の作業工数を削減
~境界線の3D表示で顧客や関係者から分かりやすいと好評~
【2020年9月9日 東京】計測テクノロジー業界のリーダーであるライカジオシステムズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:日比孝典)は、関西で事業展開する土地家屋調査士事務所のフェイスフル登記測量で、小型の3Dレーザースキャナー Leica BLK360 を導入し、現地測量作業がスピードアップしたことで全作業工数の約3割削減につながった最新事例を発表しました。
フェイスフル登記測量では顧客の依頼に応じて土地の境界線の測量や、建物の構造や床面積の測量をおこない、法務局に登記申請をおこなっています。境界紛争を防ぐという重要な役割を担っている土地家屋調査士業務ですが、従来はトータルステーションだけを使って、2人で測量作業をおこなう方法が基本で、見通しが効かない場所では外壁や樹木の周りを迂回して測点を増やすなどの労力と時間がかかっていました。「高い塀の間を階段で登って玄関に到着するといった見通しの悪い現場は、トータルステーションでは非常に測定しにくく、ストレスを感じます。ところが BLK360 は、器械点同士の見通しがさえぎられても気にする必要がありません。調査地の複数箇所に BLK360 を設置して点群を取得してしまえば、後で点群合成ができます。見通しが悪くストレスが大きい現場でも、悩まずに、最少のスキャン回数で計測データが取れてしまうので、現地作業の時間短縮という大きなメリットが得られます」とフェイスフル登記測量を運営する土地家屋調査士の仲田隆司氏はスキャナー導入の意義を強調しています。
単なる工数の数値削減にとどまらず、1人が BLK360 で現況測量している間に、もう1人は役所へ行って書類調査ができるなど、2人が並行して他のことをできるようになったこと、および、1人で完結できる業務が増え、業務の自由度が高まったことも、工数削減に付随する導入効果として報告されています。
さらに、フェイスフル登記測量では点群データのポイントを説明する動画を制作したり、3次元点群データの中に境界点・境界線を浮かび上がらせた3D画像を図面に添付をしており、顧客や関係者からわかりやすいと好評を得ています。建売住宅の設計にも活かそうという顧客も現れており、3Dデータのさらなる活用が期待されています。
また、将来的な不動産登記の3D化にも期待を寄せています。「現状の登記簿は平面の情報であり、地積(土地の面積)しか登記されていません。しかし、同じ面積の土地でも、平らな土地と急勾配の土地では価値が大きく異なります。登記が3D化して高さの情報を持った世界測地系座標で統一されれば、登記簿を見るだけで、その土地の評価等の判断材料が増えます。不動産会社、設計会社はもちろん、地域のインフラ整備を企画する地方自治体にも、非常に有益な情報となると思うのです」と仲田氏は登記の3D化のメリットを強調し、今後の法務局システムの改変や法改正に夢を膨らませています。
本事例の詳細はこちらをご覧ください。https://leica-geosystems.com/ja-jp/case-studies/reality-capture/jp-lhi-nakata-blk360
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