【イベントレポート】離島地域の課題解決に向けたコンサルタントの可能性と地域活性のリアルを語る 国土交通省と佐渡島の実践者が登壇
アクシスコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長 COO:伊藤 文隆)は、離島地域の持続的な発展と、そこにおけるコンサルタントの役割を探るセミナー&パネルディスカッションイベントを開催しました。本イベントでは、国土交通省国土政策局離島振興課の担当者による講演に加え、新潟県・佐渡島で地域活性化に取り組む経営者およびコンサルタントが登壇し、離島のリアルな課題と、対峙する外部人材の意義について語られました。

■ 第1部:セミナー講演
登壇者:国土交通省 国土政策局 離島振興課 《担当者名:羽藤 淳氏》
日本には14,125の島嶼地域が存在し、そのうち256島が離島振興法に基づく支援対象です。離島の実情として、以下のような構造的課題が挙げられます。
離島の著しい人口減少と財政難
・昭和30年から令和2年にかけて、全国の人口は約40%増加した一方、離島は約65%減少
・離島振興法に基づく支援対象の256島の約半数が人口100人未満となっており、深刻な過疎化と高齢化に直面
・離島は、他の条件不利地域(生活や産業活動に不利な条件を抱える地域)と比べても財政力が脆弱であり、持続可能なまちづくりのためには、官民連携やICT技術の導入が不可欠

国土交通省の「スマートアイランド」構想
・離島に対してICT・デジタル技術を活用し、交通・医療・教育・エネルギー等の地域課題を解決する取組「スマートアイランド」を実施
・令和6年度からは、課題を抱える離島自治体と技術提供支援を担う企業をつなぎ、関係構築・情報提供ができる場として「スマートアイランド推進プラットフォーム」を設立
・ 離島に新しい技術や制度を導入するうえで、離島の多種多様な課題を的確に整理することが重要となることから、今後コンサルタントの果たす役割は重要になると展望

■第2部:パネルディスカッション
テーマ:「コンサルタントが離島に介在する価値と難しさ」
パネルディスカッションには、佐渡島で古民家再生などの地域活性化プロジェクトに取り組む3名が登壇しました。コンサルタントとして地域に関わるOi&Tas株式会社 代表取締役社長 桑江 英将氏、古民家再生に取り組むMinkaLife株式会社 CEO ローランド・トンプソン氏、そして地元佐渡の建築業を営む有限会社川上工務店 代表 川上 巧氏が、それぞれの立場から意見を交わしました。
【コンサルタントが介在する意義】
・「人を動かし、運営する存在が必要」(川上氏)
「人手が足りない中でプロジェクトを進めるには、外部から運営面で関与してくれる人材の存在が不可欠」と強調。特に、島民を巻き込むには根気と信頼構築が必要だと指摘しました。
・「当たり前の中にある価値を外部から見出す視点」(ローランド氏・川上氏)
「地元では価値を見出されない古民家の備品や食材が、外部の視点で見れば文化的価値や観光資源になりうる」とし、外部人材による"視点の転換"がプロジェクト成功のカギになると語られました。
・「行政と住民の間に立つ橋渡し役としての機能」(ローランド氏)
「地域住民との信頼関係を築くうえで、外部人材の関わり方や距離感は極めて重要」とし、現地に根ざした活動をするコンサルタントの意義が語られました。
【離島支援の難しさを乗り越えるための糸口】
・「プロジェクトへの理解は、一緒に汗をかく『信頼』が不可欠」(川上氏)
「島の方にとってコンサルタントは怪しく見える存在から始まる」とし、立派な提案書よりも、実際に島に入って汗をかき、行動で信頼を得る姿勢が求められると述べられました。
・「異文化の離島で不可欠なのは『泥臭さ』と『粘り強さ』」(桑江氏)
「企業の経営層と話すのと、離島の高齢者と信頼関係を築くのは全く違う」とし、グローバルでの仕事と同様に、文化の異なる方たちとコミュニケーションをして、信頼構築をするためには、「相手を理解するための『泥臭さ』と『粘り強さ』が不可欠」と語りました。
まとめ
離島地域の課題は複雑かつ多岐にわたる一方、外部の専門家や民間人材が持ち込む視点や知見は、地域内にはない突破口となる可能性を秘めています。本イベントでは、官民それぞれの立場から、離島支援におけるコンサルタントの「役割」と「覚悟」が浮き彫りとなりました。
当社は、今後もこうした対話と実践の場を通じて、課題解決のプロフェッショナルであるコンサルタントの最適配置を推進し、企業の課題解決と人材のキャリア支援を両立させ、当社が目指す「すべての人が幸福に暮らし、活き活きと働くことができる社会の実現」に向けてさまざまな取り組みをしてまいります。
パネルディスカッションの詳細はこちらをご覧ください。
https://service.con-path.axc.ne.jp/column/eventreport02/
【開催概要】
イベント名:離島×コンサルタントの可能性~離島地域の課題とコンサルタントの介在価値とは?~
主催:アクシスコンサルティング株式会社
日時:2025年4月24日(木)午後7時~8時45分
会場:アクシスコンサルティング本社ビル
参加人数:25名
■「コンパスシェア」について
「コンパスシェア」は、経営課題や業務の悩みを抱える全国の法人のみなさまが、優秀な人材の知見や稼働を活用することをご支援するサービスです。経営相談の壁打ちや資料作成、研修など、さまざまな用途で第三者の経験や知見を活用できます。戦略コンサルタント経験者や経営企画、ITコンサルタントをはじめとした、コンサル会社在籍者もしくはコンサル業務経験者が登録しています。
地方創生特集ページ:https://service.con-path.axc.ne.jp/lp/consultant_02_chihousousei/
■アクシスコンサルティング株式会社について
企業理念「人が活きる、人を活かす。」を軸に、あらゆる企業や組織の「課題解決と価値創造のパートナー」として、正社員採用、フリーコンサル、スポットコンサルなどを複合的にサービス展開しています。働く一人ひとりに柔軟な働き方や自律的なキャリア形成、活躍の場の広がりを提供すると同時に、コンサルタントなどのハイエンド人材の価値があらゆる組織でシェアされ、循環し続けてゆくような社会づくりを推進していきます。
設立:2002年4月
資本金:760百万円
業務内容:ハイエンド人材領域における人材紹介およびスキルシェアの複合サービスを提供するヒューマンキャピタル事業
従業員数:145名(2025年3月末現在)
拠点:東京本社、大阪オフィス
東京本社所在地:東京都千代田区麹町4-8 麹町クリスタルシティ6F(受付)
WEBサイト:https://axc-g.co.jp/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像