2025年度(令和7年)日本品質奨励賞の受賞組織について

日本科学技術連盟(本部:東京都新宿区、理事長:佐々木 眞一)は、2025年9月30日、2025年度の日本品質奨励賞(TQM奨励賞およびTQM実践賞)の受賞組織を以下の通り決定しましたので、ご連絡いたします。
2025年度(令和7年)の日本品質奨励賞の審査は、本年5月から9月にかけて行ってまいりましたが、本年9月30日開催の判定会議において、以下のとおり受賞組織が決定いたしました。
授賞式は、11月12日(水)16:00から、東京・大手町の経団連会館において行います。
(経団連会館は、受賞者が中心の参列となり、一般の方はライブ配信での参加となります)
また、受賞組織による受賞報告講演を、東京・日本科学技術連盟 東高円寺ビル(ライブ配信)において、2026年2月26日(木)、日本科学技術連盟主催の「クオリティフォーラム2025」内で行います。
受賞組織概要
1.日本品質奨励賞 TQM奨励賞
松本工業株式会社
代表者名 :舘下 繁仁(代表取締役社長)
所在地 :〒802‐0065 福岡県 北九州市 小倉北区三萩野1‐2‐5
TEL :0979‐82‐1171
【選考理由】
松本工業株式会社は、自動車用シートの骨格部品であるシートフレーム、ヘッドレストなどを生産している。2022年に企業体質の大幅な強化を図るため、TQMの推進強化を宣言した。TQMの特徴は、会社の企業理念をまとめた「松本工業の心得帳」の社員への配付による価値観の共有、ビジョン2030の実現に向けた経営課題を方針管理の仕組みにより全社に展開、標準作業書の質のレベルアップに拘った日常管理の充実などである。結果として、厳しい経営環境の中、会社方針の達成度が向上し、新商品や新工法の実用化にも目処がついた。また多くのKPIも改善傾向にある。今後もTQMを活用して組織能力を高め、経営課題の解決を図ることで、ますますの成長が期待できる。
2.日本品質奨励賞 TQM実践賞
株式会社エス・ディ・ロジ 信頼性保証室
代表者名 :苅田 成(代表取締役社長)
所在地 :〒654‐0161 兵庫県神戸市須磨区弥栄台一丁目2番地1
TEL :078‐793‐9005
【選考理由】
メーカー物流でのISO 9001に基づく品質保証システムを、より広範囲な卸売領域にも水平展開し、全社的な一気通貫の医療流通プラットフォーム構築を推進した。商品管理マニュアル、文書管理、教育研修、変更管理、温度バリデーションなどの標準文書を整備し、複数の卸売拠点で認証取得を先行的に進めることで、再現性の高い仕組みを確立した。その結果、卸物流における温度管理違反や誤配送といった品質指標が大幅に改善した点は高く評価される。今後は、成果と取り組みとの因果関係をより明確にするための効果分析を充実させ、活動のTQM(総合的品質管理)への発展が期待される。
グリコマニュファクチャリングジャパン株式会社 ワンオペレーション部および鳥取工場
代表者名 :高山 敏矢(工場長)
所在地 :〒683‐0323 鳥取県西伯郡南部町倭256
TEL :090‐5164‐2796
【選考理由】
同組織において、LSJ(Lean生産方式・Lean Six Sigma・Just Do It)を基盤に、VOCに基づく課題形成と統計分析を進め、品質向上とコスト低減を両立した。標準体制・資格/研修・年間フローを整え、ダッシュボードによる可視化と知見共有の下でプロジェクトを継続展開している。DMAIC事例では液だれ・黒片の大幅低減とAI画像検査の活用により顧客指摘ゼロ(2024年度以降)を実現した。毎年、80~90件の改善プロジェクトが立ち上がっており、製造コストの着実な低減が図れている。今後は、成果と施策の因果関係を明確にする効果分析の充実やデータ基盤・統計教育の強化により、取り組みの持続的な高度化が見込まれる。
独立行政法人国立病院機構 埼玉病院
代表者名 :細田 泰雄(病院長)
所在地 :〒351‐0102 埼玉県和光市諏訪2-1
TEL :048‐462‐1101
【選考理由】
『地域のleading hospitalとしての役割を満たす病院づくり』というテーマは、ポストコロナという厳しい経営環境の中、日常管理主体のQMS から方針管理実行に向けた組織能力強化という挑戦的な取り組みである。具体的には、方針管理シートの活用による定着化とその仕組みの継続的な改善である。また提供するサービスに対してはPX(患者経験価値)、職員に対してはEX(やりがい度)など可視化の取り組みも進めている。
その結果、各部門での改善活動が活性化し、それぞれの活動目標が達成するなど、有効性の高い成果が挙がっている点が高く評価された。今後は、更なるTQM活動の活性化することが期待される。
ジャパンフィルター株式会社
代表者名 :木村 真有子(代表取締役)
所在地 :〒120‐0001 東京都足立区大谷田4‐16‐9
TEL :03‐3606‐1161
【選考理由】
ジャパンフィルター株式会社は、2019年以降の方針管理活動により、新規顧客獲得や顧客クレーム0の成果を上げた。特定した顧客価値と組織能力に基づくQMS計画書や目標展開表などの帳票が整備され、重点課題設定から実行計画、進捗確認、マネジメントレビューに至る仕組みにより、再現性がある。生産体制強化の取り組みとして太田塾などの技術継承が見られる点もよい。
また、SDGsの実現に向け、JAB サスティナブル研究会の成果を活用し、品質マネジメントとサスティナビリティを一体化させ、全社的な活動を実現した。さらに、社長と専務が従業員との対話を重視し、双方向の意思疎通により心理的安全性の高い職場を実現している。
有限会社 中央バフ製作所
代表者名 :倉澤 諒(代表取締役)
所在地 :〒116‐0001 東京都荒川区町屋1‐26‐5
TEL :03‐3895‐4762
【選考理由】
有限会社中央バフ製作所は、「エッセンシャル9001」を活用して、“顧客価値経営”の導入と品質管理体制の基盤作りをおこなってきている。
サプライチェーン上のモノと価値の流れを整理した「事業関係図」により、自社の位置を俯瞰し、更に顧客からの情報を基に、顧客に認識されている3つの“顧客価値”を明確にした上で、仕組みが整備・運用され、良好な業績に繋がっていた。
バフ研磨業界も後継者不足が課題である。当社では ①研磨用バフの開発・製造・販売 ②バフ研磨材関連の卸販売 ③研磨加工受託サービス ④バフ研磨の内製化支援 から構成される“バフコンシェルジュ事業”を確立し、自社のみならず業界全体の活性化にも大いに期待するものである。
株式会社TMJ 東日本事業本部東日本第3事業部第3センター
代表者名 :澤田 由紀子(センター長)
所在地 :〒160‐0023 東京都新宿区西新宿7-20-1住友不動産西新宿ビル
TEL :070‐3541‐9555
【選考理由】
『データ解析を駆使した複数顧客接点におけるNPS(ネット・プロモーター・スコア)の継続的向上』というテーマは、急速に変化するビジネス環境に対応し、CX(顧客体験)向上を目的としたデータ分析と改善提案に向けた組織能力強化であり、革新的で挑戦的な取り組みである。さらに、特定の導入先にとどまらず他社への展開が進み、NPS改善に向けた仕組みとプロセスが構築されていることから、再現性の高さも確認されている。その結果、エンドユーザーの満足度向上とクライアントのコスト削減を同時に実現し、有効性の高い成果を挙げた点が高く評価された。今後は、データ活用の高度化により、TQM活動の独自性が一層発展することが期待される。
本件に関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
一般財団法人日本科学技術連盟
日本品質奨励賞事務局
担当:宍倉、平山、鈴木
〒163‐0704 東京都新宿区西新宿2‐7‐1 新宿第一生命ビルディング4階
TEL:03‐5990‐5879
E‐mail:jqra@juse.or.jp

日本科学技術連盟
商号:一般財団法人日本科学技術連盟
所在地:〒163-0704 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング4階
代表者:理事長(代表理事) 佐々木 眞一(ささき しんいち)
創立:1946年5月1日
事業内容:経営管理技術、特に品質管理(QC)を中心にした普及事業
基本財産:23億1,720万円
URL:https://www.juse.or.jp
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