ペッツファーストグループ マンスリーペットレポート2024年10月度
“Pets always come first”を理念に掲げるペッツファーストホールディングス株式会社(本社:東京都⽬⿊区、代表︓正宗 伸⿇)は、傘下のペットショップ「Pʼs-first」の 2024年10月度における流通過程の重要指標をご報告いたします。
■2024年10月度の流通過程における重要数値の結果報告
2024 年10月1日から10月31日までにペッツファーストグループが取り扱ったペット、すなわち契約ブリーダーから引き受けたペットの頭数が1,440頭、Pʼs-firstでのご契約数は1,492頭、里親譲渡数が12頭、ご解約数が15頭です。
⼀⽅、病気や疾患などが発見され、当社内メディカルセンターやペッツファースト動物病院内等で治療を施したものの、残念ながら発生した死亡事故数は10頭、店舗内等においての死亡事故数は5頭、ペットケア&アダプションセンター⽇光内での死亡事故数は 0頭でした。全体の死亡事故数は15頭、死亡率として1.04%でした。
2024年10月末時点においてペットケア&アダプションセンター⽇光には 51頭が生活し、主に治療を終えた、または回復期にある50頭が⾥親を募集中であり、1頭は終生飼養を行う予定です。
2024年10月度において、ペッツファーストグループで取り扱ったペットのうち、いわゆる売れ残りや行き先が分からないペットは一頭も存在しません。
■2024年10月度におけるペットの死亡事故と対策
2024年10月の死亡事故数は15頭(前月比+1頭)、死亡率は1.04%(前月比+0.24%)でした。なお、死亡原因の内訳は、呼吸器疾患4頭、感染症4頭、消化器疾患1頭、水頭症や腎奇形などその他の原因による死亡が6頭でした。*1
ペッツファーストグループは経営理念に沿い、“ペットの死亡事故ゼロ”を⽬指して当社獣医師を中心に「死亡事故ゼロプロジェクト」を社内で運営し、社内の病気の発生や死亡原因を獣医学に基づき分析して再発防⽌に向けての対策を講じています。
10月度は、残念ながら死亡率が1%を超える結果となりました。季節の変わり目もあり、日々の気温差が大きいことも影響し、体調を崩すペットが多く見られました。そこで、感染症対策として、ウイルス感染症の治療に用いられる治療薬を新たに導入しました。消毒に関するマニュアルも同時に改訂することにより、感染症の拡大を防ぎ、早期に回復することを目的としています。
これからますます、呼吸器疾患や感染症が流行する時期に入ることから温湿度管理を再度徹底し、体調不良のペットを減らし、「死亡事故ゼロ」に向けて改善を積み重ねてまいります。
■ペットの心身の健康を守るための取り組み「生後60日齢以上への取引基準引き上げ」
〜2024年10月度の進捗報告〜
ペットの⼼⾝の健康を守ることを⽬的として、またペット業界の日齢偽装問題へ対する対策として、当社で取引するペットの取引日齢を、来年2 ⽉末までに法令で定められた生後57日齢以上から 60 ⽇齢以上へ段階的に引き上げることを 本年4月23日のニュースレターで発表しました。*2
当社取引内における⽣後60⽇齢以上の割合は、取り組み開始以前の本年3月度時点では15.9%であったのに対し、10⽉度は88.1%へ大きく増加しました。今後もこの取り組みを続け、2025年2月末までには、子犬猫ともに生後60日齢以上の取引割合を100%とする予定です。
なお、取引日齢基準を当社が自主的に引き上げる理由や、健康管理とコンプライアンス徹底のための体制については、本年9月7日のニュースレターで詳細をご覧いただけます。*3
*2:2024年4月23日発行ニュースリリース
ペット販売の生後8週齢(56日齢)規制に対する私たちの考え方〜生後60日齢での取引基準への引き上げに関するお知らせ〜
*3:2024年9月7日発行ニュースリリース
ペット業界におけるペットオークションやブリーダーなどの日齢偽装問題への対策〜「⽣後 60 ⽇齢以上への取引基準引き上げ」に関する進捗報告 2024年6月度〜
■マンスリーペットレポート内「ウェルネス管理センター」に関する詳細紹介
より当社のマンスリーペットレポートについてご理解いただくために、数値や拠点の一部を深掘りしてご紹介しています。今回は、『ウェルネス管理センター』について当社における役割を説明します。
ウェルネス管理センターは、2008年 東京都大田区に開業したペットの健康管理を徹底して行うための施設で、現在では東京・大阪・福岡の計3拠点を展開しています。
契約ブリーダーから直接取引したペットたちはすぐに店舗に行くのではなく、一度ウェルネス管理センターに集められ健康チェックや予防接種を行います。健康チェックでは獣医師・愛玩動物看護師などが身体検査、糞便検査、血液検査、レントゲン検査などを必要に応じて実施し、子犬・子猫の健康状態を詳しく確認します。また、混合ワクチンをはじめとした予防接種を行い、感染症からペットを守っています。
また、ウェルネス管理センターは清潔な施設で、子犬・子猫が快適に過ごせるよう配慮をしており、ペットが充分な休息を取り適切な食事管理をすることで、ストレスによる体調変化を防いでいます。なお、万が一体調を崩してしまった場合でも、併設するメディカルセンターや、ペッツファースト動物病院ですぐに治療ができる体制を整えております。
ウェルネス管理センターでは多くの子犬・子猫が一時在舎し随時出入りしていますが、常駐する獣医師・愛玩動物看護師などの約40名のスタッフが、1頭につき1日2回の健康チェックを行っています。また、これまでアナログで取っていたペットの健康記録を本年2月よりデジタル化し、そのデータをもとに未然に病気を防げるようにしています。
さらに、シェルター・メディスン*4の研究をされている日本獣医生命科学大学の田中亜紀特任教授に定期訪問いただき、集団としてのペットの健康および動物福祉を向上させるためのアドバイスを頂いています。
ウェルネス管理センターで徹底した健康管理を行うことで、お客様が安心できる健康なペットを提供し、同時に社内のペットの死亡事故ゼロの実現を目指してまいります。
*4:シェルター・メディスンとは、伴侶動物の集団に対する獣医療のことで、ペットを集団としていかに健康 かつ 幸せにするかを考えます。シェルター・メディスンは、欧米の獣医科大学では必須科目として臨床実習や専門医制度が設けられており、獣医学の中でも新しく、注目度の高い専門分野と言われています。
■2024年10月度のペットの治療と、回復したペットの行方
死亡事故ゼロの実現には、疾病の予防だけでなく、疾病を患ってしまったペットの命を獣医療によって救うことも不可欠です。そのような場合、当グループでは、ウェルネス管理センターとペッツファースト動物病院で治療を行い、10月度には34頭のペットの健康が回復いたしました。治療後に回復したペットの一例を下記にご紹介します。
【FIP(猫伝染性腹膜炎)/ペッツファースト動物病院 神戸三宮医院にて治療】
大阪ウェルネス管理センターより発熱と下痢の症状があり、お腹が膨れていて食欲も落ちてきているということでFIPを疑いお預かりしました。
血液検査では炎症の数値が高く、アルブミンが下がった状態でした。
アルブミンは体の中のタンパク質で、血液を血管内に保持し、さまざまな物質と結合し全身へ運搬する体にとって重要な働きをしており、この時は少しでも下がってしまうと命の危険性が出るような数値でした。
お腹の中の超音波検査を行うと水が溜まっており抜いてみると粘性のある黄色とFIPの特徴的なものであった為、早急に治療を開始しました。
また、FIPによる免疫力の低下から消化管内寄生虫にも感染しておりました。
治療開始から3週間ほどで症状や血液検査の数値は改善しました。
はじめは慣れない場所での治療を嫌がっていましたが、今ではすっかり神戸三宮医院に慣れて皆に懐いてくれています。
現在、治療を無事終えてFIPは寛解しました。避妊手術を頑張った後、素敵な家族に迎えられることを願っています。
当グループでは病気の予防と獣医療によってペットの命を守り、私たちが受け入れたすべてのペットの家族を見つけて幸せなペットライフを送れるよう、今後も改善を続けてまいります。同時に、情報を開示し続けることによって、あるべき健全なペットショップ運営を行います。
■会社案内
【会社名】ペッツファーストホールディングス株式会社
【所在地】〒153-0063東京都目黒区目黒1-24-12 オリックス目黒ビル9F
【資本金】1億円
【代表者】代表取締役社長CEO 正宗伸麻
【従業員数】1,220名(うち獣医師67名 愛玩動物看護師56名※業務委託含む)2024年10月末時点
●公益財団法人日本補助犬協会と連携し13頭の聴導犬と1頭の介助犬を育成しユーザーへ提供
●動物病院URL(https://pfirst-ah.jp/)
●ニュースレターアーカイブページ(https://www.pfirst.jp/newsletter.html)
<本掲載関連記事>
・vol.1 ペットの命を守るための取り組み〜売れ残ったペットはどうなるのか
・vol.3 ペッツファースト初の医療センター「ペッツファースト動物病院 代官山高度医療センター」を開院
・vol.4 「ペッツファースト動物病院 福岡大野城医院」開院〜なぜ動物病院を拡大するのか〜
・vol.5 第1回譲渡会を開催〜なぜペットケア&アダプションセンター日光を開業したのか〜
・vol.6 私たち動物病院グループの高度医療への取り組み
・vol.7 日本獣医生命科学大学との猫の難病FIPの共同研究の取り組み〜不治の病を治る病気へ〜
・vol.8 ペットの遺伝子病対策の取り組み〜重篤な遺伝子病で苦しむペットを生み出さないために〜
・vol.9 2023年マンスリーペットレポ―ト総括〜売れ残りを一頭も出さない、病気や死亡事故根絶のための取り組み〜
・vol.10ペット販売の生後8週齢(56日齢)規制に対する私たちの考え方〜生後60日齢での取引基準への引き上げに関するお知らせ〜
・vol.11ペット業界におけるペットオークションやブリーダーなどの日齢偽装問題への対策〜「生後60日齢以上への取引基準引き上げ」に関する進捗報告〜
・vol12 すべてのペットが幸せな⽣涯を送るための取り組み〜いわゆる衝動買いや飼い主を失うペットをゼロにするために〜
●マンスリーペットレポート (https://www.pfirst.jp/protected_monthlyreport.html)
■お問い合わせ先
【本掲載内容について】
ペッツファースト株式会社 広報部
電話番号 03-6417-3503/E-mail pr@pfirst.jp
担当者 粕谷・西河・小野
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