東洋建設の定時株主総会にかかる議決権行使助言会社グラス・ルイスのレポートに対する当社コメントについて

Yamauchi-No.10 Family Office

~グラス・ルイスによる東洋建設の重大なガバナンス上の問題の指摘については同意するとともに、2023年6月27日の定時株主総会においてYFOの役員候補者全員に対する賛成の議決権行使をしていただきますよう改めてお願い申し上げます~

 本日、Yamauchi‐No.10 Family Officeは、東洋建設の株主の皆様への重要な開示として以下の通り「議決権行使助言会社グラス・ルイスのレポートに対する当社コメントについて」を公表いたしましたので、お知らせいたします。


議決権行使助言会社グラス・ルイスのレポートに対する当社コメントについて


 Yamauchi-No.10 Family Office(以下「YFO」といいます。)は、2023年6月16日付で議決権行使助言会社であるグラス・ルイスから発行された2023年6月27日に開催予定の東洋建設の定時株主総会での議決権行使の推奨に関するレポートについて、以下の通りお知らせします。

 

【グラス・ルイスが指摘する東洋建設のガバナンス上の問題】

 YFOは、自己保身を図る東洋建設の現任取締役及びその現任取締役が選んだ次期取締役候補者に対する賛成を推奨するグラス・ルイスの立場には同意いたしかねますが、他方、グラス・ルイスが以下の点についてYFOの主張に同意したことは好意的に受け止めています。

■ YFOによる非公開化がされることで事業基盤が維持できなくなるとの懸念により東洋建設の経営陣がYFOによる買収提案に反対を表明したことは、「決定的に欠陥がある」(decidedly flawed)ものであり、株主は、東洋建設の取締役会が2022年時点においてYFOの買収提案に反対したことの合理性について懸念を持つべきである。

■ 「東洋建設の当時の業績及び昨年提案がなされたインフロニアHDによる買収提案を取締役会が支持していた事実を考慮すると、YFOの買収提案は、昨年時点で、株主にとって比較的魅力的な価値と優れた選択肢を示すものであったと合理的に考えることができる。」

■ 「取締役会が昨年、YFOの買収提案の潜在的な価値を矮小化して決定を下したと考えられることは、取締役会がより優れた対抗提案をどの程度真剣に検討していたのかということについて大きな懸念を抱かせるものである。東洋建設の取締役会がYFOの買収提案に反対する理由として、公表資料の中で上記懸念をいまだに挙げているという事実は、取締役会が本当に株主の利益のために行動し、今後株主価値の最大化を目指していくかについて、引き続き疑問を投げかけるものである。

 

【グラス・ルイスの結論における誤り】

 東洋建設の現任取締役会に対する上記の深刻な懸念についてのグラス・ルイスの指摘は正当なものですが、結論においては、これらの懸念にもかかわらず会社提案への賛成を推奨し、YFOが提案する役員候補者に対して反対の推奨をしています。これらの結論は、下記のとおり、重要な事実関係を前提として考慮しておらず、誤ったものであると考えます。

 

グラス・ルイスのYFO提案への反対推奨として明示する唯一の根拠は、YFOが買収提案の買付価格を引き上げなかったことです

■ しかしながら、YFOが指摘するまでもなく、株主利益のために買付価格についての交渉を行い、価格引き上げの努力をする義務は、株主価値を最大化することについて株主から負託を受けている取締役会にあります

■ それにもかかわらず、株主利益の最大化を図るべき立場にある東洋建設の現任の取締役会は、YFO提案が提出されてから過去13か月間に亘って株主のために真摯に検討する義務すら実質的に怠り、それどころか、より買付価格の低いインフロニアHDによる買収を実現させるために、YFOによる対抗提案を撤回するよう求め、むろんYFOに対し買付価格の引き上げるよう交渉を持ち掛けたことなどは一度もありません

■ 東洋建設の現任の取締役会は、YFOの買収提案が真摯な提案であったことを認めており、YFOと買付価格等についての交渉を行うべきであったのは明らかであったにもかかわらず、株主のために誠実に交渉を行わないばかりか、様々なガバナンス上の重大な問題点を露呈させたことが、YFOが東洋建設の取締役会の再編のための株主提案を行わざるを得なかった理由です。詳細は、「Rebuid TOYO: 東洋建設のリーダーシップの再構築に向けて」の3章、4章を参照ください。

■ このように、今回のグラス・ルイスの議決権行使の推奨は、東洋建設の取締役会が本来果たすべき対応を行わなかったことの責任を誤ってYFOに転嫁するものであり、本末転倒で不適切といえます。

■  東洋建設の取締役会は、いまだに、インフロニアHDによる公開買付けが不成立となったことから「in play(身売りを決めた状況)」の状況ではないなどといった誤った認識を有しており、YFOは、真に独立した取締役が選出されない限り、東洋建設が誠意をもってYFOや他の対抗提案者との買収提案に関する交渉を真摯に試みることは今後もないと考えています。

■ YFOが提案する取締役候補者が東洋建設の取締役会の過半数を占めることとなった際には、株主価値を最大化するため、あらゆる戦略的代替案を検討することが期待され、その一環として、YFOに対し買付価格の引き上げ交渉を行うことや適切なマーケットチェックを行うこと等も当然に期待されます。YFOとしても、当然ながら、再編が実現し健全化された取締役会から、企業価値向上の為の十分な情報開示に基づく、価格引き上げ交渉の申し出があれば、真摯に検討する予定です

 

【株主の皆様にご理解いただきたい点】

 株主の皆様が議決権を行うに際しては、以下の点を慎重にご検討いただきますよう、お願い申し上げます。

■  グラス・ルイスは、YFO及びYFOが提案する役員候補者との面談を行っていません。YFOは、YFOが提案する役員候補者と、ISS及び多くの大株主の皆様との面談を設定してきましたが、そのフィードバックとしては非常に肯定的なものでした。YFOが提案する役員候補者と面談を行ったISS及び多数の大株主の皆様からは、YFOが提案する役員候補者は独立性が高く、株主価値の最大化を追求しており、YFOの意向に追従するものではないとの結論を得ていますYFOの推薦する役員候補者は、東洋建設の現任の経営陣が推薦する役員候補者と比較して、差し迫った変革を必要とする取締役会に、経営意思決定機能・成長戦略実効性のアップグレードとガバナンスの健全化をもたらす経歴と実績、そして優れた資質を有しており、YFO及びその他の第三者からの買収提案に対して可能な限り高い買付価格となるように交渉することや、独立した公開会社のまま株主価値最大化を図る可能性の検討をすることを含め、一般株主の皆様のために最善を尽くす意思を有しています

■ また、グラス・ルイスは、東洋建設の中期経営計画が、特にその実績に照らして、極めて非現実的であるという事実を無視しています。ISSは、YFOが提案する取締役候補者の過半数への賛成を推奨する中で、「東洋建設の経営基盤は悪化しており、厳しい事業環境又は執行の問題(あるいはその両方)のどちらかを示唆するものである。いずれにしても、中期経営計画において願望的な目標を掲げることについては信頼性に欠ける。」と述べています。ISSはさらに、「経営陣の新しい中期計画の基礎となる仮定が開示されていない」こと、及び中期経営計画が「(その願望的な目標が)どのように達成されるかを詳述していない」こと、「ほとんど根拠のないものであり、過去の経営陣の経営成績と比較しても非現実的な成長を示し、実行可能性については考慮されていない」ことを強調しています。

■ グラス・ルイスは、東洋建設の直近の新たな取締役体制の発表が、表面的な体制変更に過ぎないということを認識していません。東洋建設の取締役会は、YFOの買収提案より30%も買付価格が低いインフロニアHDの買収提案への応募を株主に推奨したにもかかわらず、YFO社の買付価格は不十分であると判断しました。株主利益の最大化を図るべき立場にある東洋建設の取締役会は、YFOと買付価格の交渉を行おうとはしませんでした。それどころか、より買付価格の低いインフロニアHDによる買収を実現させるために、YFOの買収提案を撤回するよう求めました。会社提案人事は、このようにYFOの買収提案を真摯に検討してこなかったプロセスを主導してきた武澤氏と藪下氏が、株主への説明責任を果たすことなく東洋建設の方針に大きな影響力を維持できる新しい肩書(相談役及び顧問)のもとで自らの立場の維持することを許すものです。新たな会社提案人事の役員指名プロセスも、この両氏と、経営陣の不適切なプロセスを容認してきた社外取締役3名で構成された役員指名・報酬委員会が主導しており、新たに挙げられた会社提案の社外取締役候補者には経営陣からの独立性は期待できません。なにより、東洋建設の取締役会は、いまだに、「ガバナンス上の問題はない」との見解を有しており、東洋建設の取締役会が真に企業価値・株主価値の最大化に向けて正しく動機付けられ、株主のための行動を行うことは期待できません。

 

 取締役会が会社及び株主の最善の利益のために行動することを確実にするためには、経営をアップグレードし、成長に基づく事業変革を実行可能とする取締役と、実効的な経営監督を可能とする真に独立した取締役を含む、取締役会の再構築が必要です。株主の皆様におかれましては、新たな取締役会の経営規律が正常化され、株主価値を最大化するためのあらゆる選択肢を検討することができるよう、YFOが提案する全役員候補者に賛成し、会社提案の役員候補者の一部に反対いただきますよう、お願い申し上げます。

 

以上


 〈本件に関するお問い合わせ先〉
広報事務局
PRエージェント:ボックスグローバル・ジャパン株式会社
TEL: 03-6204-4337 担当田邊・久原
EMAIL: yfo.inquiry@voxglobalasia.com

株主様窓口:Innisfree M&A Incorporated
TEL(株主様窓口(英語)):+1-412-232-3651
TEL(金融機関・機関投資家様窓口(英語)):+44-7506-004-047, +1-212-750-5833


会社概要

合同会社Yamauchi-No.10 Family Office

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URL
-
業種
金融・保険業
本社所在地
東京都港区六本木6-2-35 4階
電話番号
-
代表者名
山内万丈
上場
未上場
資本金
1万円
設立
2020年06月