高容量セラミックパッケージ型全固体電池を製品化
約2倍(*1)のエネルギー密度を実現し、105°Cの環境下で10年間使用可能(*2)
マクセル株式会社(取締役社長:中村 啓次/以下、マクセル)は、硫化物系固体電解質を使用したセラミックパッケージ型の全固体電池(以下、セラミックパッケージ型全固体電池)の高エネルギー密度化に成功し、このたび約2倍(*1)のエネルギー密度をもつセラミックパッケージ型全固体電池(以下、高容量セラミックパッケージ型全固体電池)を新たに開発、製品化しました。
高容量セラミックパッケージ型全固体電池は、2021年3月に発表したセラミックパッケージ型全固体電池の容量や出力特性および耐熱性などの諸特性を維持したまま、構造とプロセスに関する新技術を採用することにより約2倍(*1)のエネルギー密度を実現しました。FA機器メーカーやインフラ用機器メーカーなどからの要望に応え、体積1/2の小型化を実現しています。
セラミックパッケージ型全固体電池は従来のリチウムイオン電池では難しかった250°C環境下での信頼性を確保(*3)し、リフローはんだ付けによる表面実装を可能としています。より小型化や大容量化に対応(*1)できるようになったことから、表面実装が求められる市場と併せ、滅菌処理が必要な医療機器市場、FA機器や車載機器などの市場にも展開していきます。
高容量セラミックパッケージ型全固体電池(PSB401010H)は、2023年春に京都事業所へ導入する量産設備で生産する予定です。
■高容量セラミックパッケージ型全固体電池の主な特長
1. 約2倍(*1)のエネルギー密度で小型高容量化を実現
2. 105°Cの環境下で10年間使用可能(*2)な耐熱性を実現
3. リフローはんだ(最大温度が約250°C)による基板への表面実装が可能
マクセルは長年にわたり、リチウムイオン電池やマイクロ電池の開発と製造を行ってきました。そこで培ったアナログコア技術(*4)および他社との協業による技術を融合し、新たに開発したプロセス技術を加えることで高性能かつ高信頼性を有する全固体電池を開発(*5)しています。国内にあるマイクロ電池やリチウムイオン電池の工場、設備、製造技術およびノウハウを活用することにより、高容量セラミックパッケージ型全固体電池のすみやかな量産移行を計画しています。
今後の社会課題解決には、高い信頼性や安全性とともに、高耐熱で長寿命な性能をもつ二次電池が求められると考えており、硫化物系固体電解質やセラミックパッケージは耐熱性と信頼性を大幅に向上できる重要な技術と捉えています。マクセルは現在、高容量セラミックパッケージ型全固体電池にとどまらず、さらなる大容量化や高エネルギー密度化の開発も並行しており、幅広い分野においてメンテナンスフリー社会の実現に貢献できるものと考えています。
マクセルは今後も長寿命化や幅広い温度範囲に対応する技術の向上を図り、高性能電池の継続的な製品化を通して社会課題の解決に貢献していきます。
*1 約2倍、より小型化や大容量化に対応:セラミックパッケージ型全固体電池PSB401515Lとの比較。2021年3月30日発表リリース
「世界初 基板への表面実装に対応した硫化物系全固体電池を開発」 https://ssl4.eir-parts.net/doc/6810/ir_material21/156723/00.pdf
*2 105°Cの環境下で10年間使用可能:各種評価や分析および解析による当社の寿命予測結果
*3 アナログコア技術:素材の加工や成形といった分野で、マクセルが独自に磨き、伝承してきたDNAともいえる技術。競争力の源泉であり、マクセルのモノづくりに欠かせない混合分散、精密塗布、高精度成形の3つの技術の総称
https://www.maxell.co.jp/corporate/analogcore.html
*4 250°C環境下での信頼性を確保:最大温度250°Cでのリフローによって容量や負荷特性などの基本特性に劣化は見られない
*5 高性能かつ高信頼性を有する全固体電池を開発:長寿命、高耐熱、高出力、大容量の4つの軸で開発中
■「全固体電池」Webページ
https://biz.maxell.com/ja/rechargeable_batteries/allsolidstate.html
■お客様お問い合わせ先
マクセル株式会社 営業統括本部 開発営業部
メールアドレス:marketing_sales@maxell.co.jp
お問い合わせフォーム:
https://biz.maxell.com/ja/rechargeable_batteries/inquiry_form_input1.html
以上
【添付資料】
■高容量セラミックパッケージ型全固体電池の外観
■高容量セラミックパッケージ型全固体電池の仕様
*1 最大電流(mA):1秒間放電後に1.8V以上を維持できる最大電流値
*2 10年間連続使用可能な上限温度(°C):各種評価や分析および解析による当社の寿命予測によって導いた10年間連続使用可能な上限温度
※ 仕様は予告なしに変更することがあります。
以上
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