核融合による次世代クリーンエネルギー実用化をめざすHelical Fusion、最終実証装置用コイル製作マシンを新開発、スギノマシンの技術により完成

世界に先駆けたフュージョンエネルギー実現へ、最終実証装置「Helix HARUKA」組み立ての要を1936年創業の老舗産業機械メーカー、富山 スギノマシンとの協力で実現

株式会社Helical Fusion

フュージョン(核融合)エネルギー(*1)実用化を主導する「ヘリックス計画(Helix Program)」のもと、日本独自のヘリカル型核融合炉を開発する株式会社Helical Fusion(本社:東京都中央区、代表:田口昂哉、以下、「Helical Fusion」)は、株式会社スギノマシン(本社:富山県滑川市、代表取締役社長:杉野岳、以下、「スギノマシン」)との技術的な連携と開発により、最終実証装置「Helix HARUKA」の最重要コンポーネントの一つ「高温超伝導コイル」を製作するためのコイル製作マシンを完成させました。

完成した最終実証装置用コイル製作マシン(富山県滑川市のスギノマシン 早月事業所にて)

最終実証装置用コイル製作マシンの前にて、Helical Fusion 田口 昂哉 代表取締役CEO(写真左)とスギノマシン 杉野 岳 代表取締役社長(写真右)

■代表者からのコメント

Helical Fusion 田口 昂哉 代表取締役CEO

国内外で、日々フュージョンエネルギー産業創出のモメンタムが高まっている中、Helical Fusionは、日本各地のものづくりの力を誇る企業と連携し、世界初の正味発電可能な核融合炉の実用化を目指しています。富山県を代表する企業の一つであるスギノマシン様と弊社のR&Dチームは、早い段階から、前例のない取り組みに共に挑戦してきました。今回完成したコイル製作マシンはまさにその取り組みの一つの象徴と言えます。高度な技術力と、新たな領域へ踏み出す気概を兼ね備えたスギノマシン様のような仲間に支えていただけていることへの感謝とともに、Helical Fusionは、ヘリックス計画を力強く前進してまいります。

スギノマシン 杉野 岳 代表取締役社長

「技術で世の中に貢献すること」を存在意義と考えているスギノマシンにとって、将来の人類のエネルギー問題を左右する核融合発電に携わることは、ある意味必然と言えます。

核融合発電は、人類未踏の技術である以上、簡単な挑戦ではありませんが、熱意と決意と覚悟を持って挑まれているHelical Fusion様と共に、スギノマシンも創業以来90年間培ってきた技術・経験と、未来に向けた新しい発想を武器に、使命感を持って一つ一つ課題を確実にクリアしていきたいと思います。

■最終実証装置用コイル製作マシンの特長と目的

ヘリカル型核融合炉のらせん状のコイルとプラズマのイメージ

Helical Fusionが開発する「ヘリカル型核融合炉」は、らせん状のコイルが特徴です。
これにより、エネルギーを生み出すための核融合反応を起こす「プラズマ」を安定して閉じ込め、効率的な発電装置を実現することに適しています。

一方でらせん状のコイル製作の難しさは、ヘリカル型の長年の課題とされてきました。2025年10月、Helical Fusionはコイル製作を最適化できるよう、独自に開発した曲げやすく巻きやすい「高温超伝導ケーブル」の実証に成功し、実際に最終実証装置「Helix HARUKA」の製作に着手することを発表しました。

今回、その高温超伝導ケーブルをらせん状に巻きつけてコイルを製作するための装置が完成しました。Helical Fusionのアイデアを元に、スギノマシンの設計・開発力で実現された、世界唯一のマシンです。これにより、高性能なコイルを素早く効率的に製作することができ、今後のHelix HARUKA組み立てで重要な役割を果たす見込みです。


今後は、「Helix HARUKA」による実証を行う場所へ運び込み、2026年半ば頃をめどに、組み立てを進める予定です。


背景

■フュージョンエネルギー開発の意義

世界の人口は2050年までに約17億人増加すると予測(*2)され、生成AIの普及も背景とした世界的な電力需要の急増に対し、既存発電方法のみで応えることは厳しい見通しです。フュージョンエネルギーは、太陽の輝きと同じ原理を使ったCO2排出がなく効率性の高い発電方法であり、海水など から豊富に採取可能な水素の仲間を燃料として用いることからも、世界的な課題を抜本的に解決する技術として期待されています。核融合プラント建設および電力市場は2050年までに世界で数百兆円規模にまで成長するとの試算[2]もあり、今後自動車産業のように日本が世界をリードする巨大産業を創出できる可能性がある一方、国際的な開発競争も激化しています。

日本においては、2025年10月に高市早苗総理大臣が率いる新政権が発足し、「危機管理投資」や「経済安全保障」を成長戦略の核心と位置付け、所信表明演説では “次世代革新炉や核融合エネルギーの早期社会実装”が明記されました。同6月には 内閣府による「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」の改定により、2030年代の発電実証を目指すロードマップが提示されています。加えて、新政権が掲げる「重点投資対象17分野」にフュージョンエネルギー(核融合)が挙げられ、同11月には政府として1,000億円超の予算計上、うち600億円を民間プロジェクト向けに経済産業省が管轄する「フュージョンエネルギー室」が設置されるなど、政府としても民間企業への支援を具体化しています。

■Helical Fusionについて

2021年に、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所における核融合に関する研究成果を活用して創業した、ヘリカル型核融合炉によるフュージョンエネルギーの実用化を目指す企業です。日本独自の核融合炉形式である「ヘリカル方式」は、これまでの国立大学や公的研究機関における約70年にわたる研究開発の結果、商用発電所に最も適した性質を備えた方式であることが示されています。その知見を生かして実用化を進める世界で唯一の企業として、「ヘリックス計画(Helix Program)」を進めています。ヘリックス計画では、2020年代中をめどに二大開発要素「高温超伝導マグネット」「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を完了し、2030年代中には、最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証、および発電初号機「Helix KANATA」による世界初の実用発電を達成する計画です。

ヘリックス計画(Helix Program)詳細

Helical Fusionが2030年代に「実用発電」を計画する発電初号機「Helix KANATA」のイメージ

・ベースロード電源を担える「実用発電」を確実にとらえるためのヘリックス計画

Helical Fusionは、核融合炉を発電所として商用利用するためには、核融合反応を起こすことはもちろん、①正味発電(プラントの外に電力を供給できる)、②定常運転(24時間365日運転可能な安定性)、③保守性(メンテナンスが可能)という「商用核融合炉の三要件」をすべて満たす必要があると考えます。ヘリックス計画では、この三要件を「今ある技術」で実現します。その鍵となるのが、スギノマシンのように、世界に誇る日本のものづくり企業の存在です。

「実用発電」を達成するための商用核融合炉の三要件

ヘリックス計画のタイムライン

・Helix Programパートナリングプロジェクト

Helical Fusionは、「フュージョンエネルギー産業」全体を日本から創造することを目指しています。その実現のため、ものづくりから小売業まで、エネルギーを支え・つくり・使う、全ての営みに関わる産業パートナーの力を合わせ、日本発でフュージョンエネルギー産業を築き上げていきます。そのために、Helical Fusionの計画に賛同する日本全国・全分野のパートナーとの連携を拡大し、一刻も早い実現を目指すのが「Helix Programパートナリングプロジェクト」です。
2025年7月から、日本各地でパートナーを募るイベントを開始しています。

Helix Programパートナリングプロジェクトのイメージ

■スギノマシンについて

1936年創業、富山県滑川市に本社を置き、高い技術力と新たな領域へ挑戦する文化を元に、産業機械を中心とした幅広い事業を手掛けています。日本のローカル都市に根差しながら、世界のニッチ市場でトップを取っていく「グローカルニッチリーダー」戦略で、「切る、洗う、削る、磨く、砕く、解(ほぐ)す」の6つの「超技術」を駆使し、自動車、航空機、インフラ、エネルギーから医薬品、食品など幅広い産業に商品を届けています。

・原子力および核融合の関連事業の歩み

スギノマシンではこれまで90年の歴史の中で、エネルギー効率の維持に欠かせない熱交換器やボイラーなどの製造・メンテナンスのための拡管工具などのツールや装置を製作してきました。エネルギー市場に携わる中で、原子力発電所等での保守・メンテナンスに関するさまざまなご要望を受け、これまで多くの機器を提供してきました。その技術やノウハウを生かし、核融合関連施設向けの装置やツールの開発を進めています。

・原子力および核融合に関わる強み

スギノマシンの強みは、お客様のご要望を具現化する技術力、原子力関連機器を長く提供し続けてきた歴史と、確かな品質です。

これまで、スギノマシンはお客様が要望されることに対して、経験と知見に基づいた技術力で実現してきました。特に人が立ち入ることができない環境下で遠隔で作業する機器を多く提供してきました。また、高い品質が求められる原子力業界に50年以上携わってきたことから、お客様に満足していただける品質を確立しております。

今後発展する核融合において、スギノマシンの技術力、歴史および品質は貢献できると考えています。

・ヘリックス計画への貢献

本プロジェクトにおいて、スギノマシンは、高温超伝導ケーブルをらせん状に巻き付ける「最終実証装置用コイル製作マシン」の設計、製作を担当しました。

ヘリカル型核融合炉の特徴である「らせん状のコイル」を作り上げる工程は、作業性の難易度が高く、本プロジェクトの成功のカギを握るポイントの一つです。

URL:https://www.sugino.com/

*1核融合(フュージョン)エネルギーとは太陽の輝きと同じ原理を地上で再現することで得られるエネルギー。二酸化炭素(CO2)排出がなく、海水などから豊富に採取可能な水素の仲間を燃料として用いること、原理的に暴走が起こらないことから安全性を確保しやすいことなどから、世界的なエネルギーの課題を抜本的に解決する技術として期待されている。

*2 国際エネルギー機関(IEA)年次報告書 「2023年版世界エネルギー見通し」(World Energy Outlook 2023)

*3 FusionX/Helixos report Global Fusion Market Analysis: Electricity, Supply Chain & Construction

本件に関するお問い合わせ先

■プロジェクト全般、最終実証装置用コイル製作マシンについて

株式会社Helical Fusion 広報担当  E-mail :contact@helicalfusion.com

■スギノマシンについて

株式会社スギノマシン プラント機器事業本部 

PE技術統括部PE技術部 PE設計二課 及川 TEL:(076)477-2514

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会社概要

株式会社Helical Fusion

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URL
https://www.helicalfusion.com/
業種
電気・ガス業
本社所在地
東京都中央区銀座 1-12-4 N&E BLD. 6F
電話番号
-
代表者名
田口 昂哉
上場
未上場
資本金
-
設立
2021年10月