日本発の宇宙スタートアップ企業であるispaceの第三者割当増資の引き受けについて
栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、社長:江尻 裕彦、以下「当社」または「クリタ」)は、月面資源開発に取り組む日本発の宇宙スタートアップ企業である、株式会社ispace(本社:東京都中央区、代表取締役CEO & Founder:袴田 武史、以下「ispace」)による第三者割当増資を引き受け、同社へ約20億円(*1)の出資をすることを決定しましたので、お知らせいたします。
宇宙空間や月・火星において人類が生活や活動をするためには水は不可欠な物質です。さらに、地球から月面などに水を輸送するとなると膨大なコストが掛かることなどから、宇宙分野における水処理の重要性はますます高まっています。そのため、宇宙空間を移動する宇宙機の推薬となる液体酸素および液体水素を、月面に存在するレゴリス(*2)に含まれる氷や水から製造するためのプラントを月面に建設し運用することを視野にした動きが本格化しています。
当社は、ispaceが目指す長期ビジョンである、月と地球を一つのエコシステムとする経済圏の創出「Moon Valley 2040構想」に賛同し、同社の月面探査プログラム「HAKUTO-R」に対し、2023年11月にサポーティングカンパニーとして、また、2024年11月からはコーポレートパートナーとして参画(*3)し、同プログラムを支援してきました。また、本年3月には、ispaceの2027年以降に実施される月ミッションにおいて、当社が開発する月面水処理実証試験装置(以下「本水処理システム」)を、同社のランダー(月着陸船)にペイロード(*4)として搭載し、月面までの輸送を実施するための検討に関する基本合意書を締結(*5)しています。
このたびのispaceへの出資は、当社における2030年代の月面事業の確立を目指すための活動の一環です。今回の出資により、本水処理システムの月面輸送および実証試験に向けた検討や、月面での水資源の利活用に関する取り組みをより加速させていきます。そして、ispaceをはじめ、宇宙開発に携わるさまざまな官民との協業の強化を図っていきます。
ispaceの概要は、同社ウェブサイト(https://ispace-inc.com/jpn/)を参照ください。
クリタグループは、宇宙分野における水の回収・精製技術の開発や持続的な宇宙プラントの構築による、人類の宇宙へのチャレンジの一翼を担うことを目指していきます。また、宇宙分野における研究開発などで得られる知見を活用して、地球上における社会や産業の課題解決に寄与できるソリューションを創出・提供することにより、持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。
注)
*1: ispaceが実施する公募増資の発行価格等決定日(2025年10月15~20日)に1株当たりの発行価格が決定されるため、実際の出資総額は、20億円の範囲内で変動する可能性があります。
*2: レゴリスとは天体の表面に存在する堆積物の総称で、月面のレゴリスはきめ細かい砂のようなものであり、近年の観測によればこの中には氷や水が存在する可能性が示唆されている。
*3: 2024年11月12日付当社ニュースリリース「ispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」にコーポレートパートナーとして参画」参照。
*4: 宇宙船やロケットが運ぶ貨物や機器のことを指し、科学実験装置、通信機器、観測機器、探査車(ローバー)、衛星等が含まれる。
*5: 2025年3月10日付当社ニュースリリース「ispaceと月面水処理実証試験装置のペイロード輸送に関する基本合意書を締結」参照。
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