国連「難民に関するグローバル・コンパクト」採択に向けて
日本のNGOが公式協議にオブザーバー参加します
難民の数が戦後最大の6500万人にまで膨れ上がった中※、国連では、今年9月の総会で難民保護の国際的行動計画である「難民に関するグローバル・コンパクト」(Global Compact on Refugees;以下GCR)の採択を目指して現在、公式協議を行っています。1979年から世界各国で難民支援を実施している日本生まれの国際NGO・AAR Japan[難民を助ける会]は、5月8日から10日にかけて開催される第4回公式協議(於:ジュネーブ)に、オブザーバーとして参加します。
※難民、国内避難民、難民申請中など含め、強制的に移動を余儀なくされた方々全体の数
※難民、国内避難民、難民申請中など含め、強制的に移動を余儀なくされた方々全体の数
難民グローバル・コンパクト(GCR)の策定は、2016年9月の国連総会で採択された難民と移民の保護を促進するための「ニューヨーク宣言」に基づき、行われているものです。これまで準備会合やテーマ別会合等が実施され、この2018年初頭からは政府間交渉が開始されました。2月からは毎月、ジュネーブで公式協議が開かれています。
■難民グローバル・コンパクトを支援の現場に即したものに
AARは、1970年代のインドシナ難民支援に始まり、現在も世界15ヵ国で難民支援、地雷対策等を行っています。2016年時点での世界の難民受け入れ数上位5ヵ国中3ヵ国(トルコ、パキスタン、ウガンダ)でも活動をしており、さらに現在はバングラデシュでミャンマー避難民の支援も行っています。
全世界の難民の84%は開発途上国・中進国が受け入れており、360万のシリア難民が暮らすトルコ、わずか3ヵ月間で60万を超える避難民が一気に流入したバングラデシュなど、その負担は一ヵ国で対処できる限界を超えています。AARがこれらの国で支援の対象としているのは、障がいのある方や高齢者、寡婦世帯、子どもなど、特に脆弱性の高い方々であり、難民発生時の緊急対応、母国への帰還や避難先での定住支援まで、それぞれの段階と個別のニーズにあわせた支援を提供しています。膨れ上がるニーズや滞在の長期化、その一方での資金不足やドナー(資金提供元)の意思決定の遅れなど、現場では様々な課題に直面しています。
私たちは、現在協議されているグローバル・コンパクトに大きな期待を持つとともに、この施策が支援活動をより効果的に遂行するのを後押しするものになるよう、難民の方々が尊厳を持って生きられることに寄与できるものになるよう願っています。きたる5月8日~10日の公式協議には、AARは国連経済社会理事会(ECOSOC)の特殊協議資格をもつ団体として、理事・支援事業部長の名取郁子を派遣します。オブザーバーとして協議を視聴するとともにその進捗を日本の社会に伝え、国内外の関係者に現場に即した提言を行ってまいります。
■AAR Japan[難民を助ける会]とは
政治・宗教・思想に偏らずに活動する、国連に公認・登録された国際NGOです。1979年、インドシナ難民支援をきっかけに発足し、以来38年間、60を超える国・地域で支援を実施。現在はバングラデシュでのミャンマー避難民支援、トルコでのシリア難民支援、ウガンダ・ケニアでの南スーダン難民支援をはじめとする難民支援やシリア国内での人道支援、障がい者支援、地雷・不発弾対策等を中心に取り組んでいます。1997年AARが参画する地雷禁止国際キャンペーンは、ノーベル平和賞を共同受賞しました。
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