株式会社Scalar、ScalarDB 3.16をリリース。遠隔レプリケーション機構やデータレイクハウス製品への対応等を追加

株式会社Scalar

株式会社Scalar(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:深津航、代表取締役CTO:山田浩之)は、複数・異種のデータベースを仮想的に統合し、トランザクション処理と分析処理を両立するUniversal HTAP(Hybrid Transactional/Analytical Processing)エンジンScalarDBの最新版となるバージョン3.16をリリースしました。

本バージョンでは、ScalarDB管理下のデータベースを遠隔地に複製する遠隔レプリケーション機構を追加しました。これにより、大規模災害等でプライマリのデータセンターが停止しても、セカンダリ拠点で業務を継続可能となり、事業継続性(BCP)と可用性の大幅な向上が可能となりました。ScalarDBはクラウドやデータベースに依存しない仕組みのため、プライマリとセカンダリで異なるクラウドやデータベースの組み合わせが可能であり、災害対策において柔軟性が高いシステム構成を実現できます。さらに、データ分析基盤であるScalarDB Analyticsにおいて、代表的なデータレイクハウス製品であるDatabricksおよびSnowflakeへの対応を新たに追加しました。これにより、企業が保有する構造化・半構造化データを含む幅広いデータソースを横断的に活用できるようになり、リアルタイムな意思決定支援から高度な分析までが可能となりました。

ScalarDBは、金融・流通・製造業などミッションクリティカルな分野から、迅速な意思決定が求められるビジネス分析領域まで、業種・用途を問わず多様なニーズに応える次世代のデータ基盤として進化を続けています。 

ScalarDB 3.16の新機能概要

本バージョンでは、以下を始めとする機能追加や機能拡張が行われています。

遠隔レプリケーション機構の追加

ScalarDB 3.16では、プライマリのデータセンターとは別に、セカンダリ拠点へのデータベースのニアリアルタイムな複製(レプリケーション)が可能となりました*。

本レプリケーション機構は、RPO(目標復旧時点)0秒を実現し、RTO(目標復旧時間)も、ハードウェア構成に応じて数秒程度まで短縮することが可能です。

これにより、万が一大規模災害等によりプライマリ拠点が停止した場合でも、即座にセカンダリ拠点で業務を継続することができ、ScalarDBを活用した事業における事業継続性(BCP)とシステムの可用性を飛躍的に向上させることが可能です。加えて、ScalarDBはクラウドやデータベースに依存しない仕組みのため、プライマリとセカンダリで異なるクラウドやデータベースの組み合わせが可能であり、災害対策において柔軟性が高いシステム構成を実現できます。例えば、AWS 東京リージョンをプライマリとし、Microsoft Azure 西日本リージョンをセカンダリとして、遠隔レプリケーション構成を構築することができます。

この機能強化により、ScalarDBは、金融・流通・製造業などのミッションクリティカルな業務システムにも安心してご活用いただけるようになりました。

*遠隔レプリケーション機構は現在Private Previewとして提供されています。

Databricks、Snowflake、IBM Db2 への対応を追加

従来のScalarDB Analyticsは、主に業務で用いられるオペレーショナルデータベースを対象に、トランザクション処理と分析処理を提供してきました。ScalarDB 3.16では、データレイクハウス製品の代表格であるDatabricksおよびSnowflakeへの対応を新たに追加しました。

これにより、オペレーショナルデータベース上の構造化データに加えて、データレイクハウスに蓄積された半構造化データなども含む多様なデータソースを横断的に活用可能となりました。リアルタイムな意思決定支援から中長期的な高度分析まで、ScalarDBを用いたデータ活用の幅を一層広げることが可能となります。

さらに、IBM Db2への対応も追加されました。これにより、IBM Db2が活用されている金融業界や、メインフレーム環境で稼働する基幹業務システムにも対応可能となり、より広範な企業システムへの適用が見込まれます。

トランザクション処理性能の大幅な高速化

従来のScalarDBは、さまざまな種類のデータベースに対応するために、データベースを抽象化し、その抽象化層の上でトランザクション処理を実行していました。これにより、下位のデータベースの実装に依存しない一貫したトランザクション処理が可能である一方で、処理効率の面では必ずしも最適ではありませんでした。

ScalarDB 3.16では、この抽象化層に、各データベースの処理特性を考慮した実行の仕組みを新たに導入しました。これにより、トランザクション処理の一部を下位のデータベースに「プッシュダウン(積極的な処理移譲)」することが可能となり、処理の多くの部分をデータベース側で完結させることが可能になりました。

これにより、ScalarDBにおけるトランザクション処理のオーバーヘッドを大幅に削減し、処理性能の飛躍的な向上を実現しています。

Read Committed 分離のサポート化

従来のScalarDBは、トランザクションの分離レベルとして、スナップショット分離(Snapshot Isolation)および厳密な直列化可能分離(Strict Serializable)をサポートしていました。 今回のバージョン3.16では、新たに「Read Committed」分離を追加し、選択可能な分離レベルを拡充しました。

これにより、特に読み出し処理が多いワークロードにおいて、トランザクション性能のさらなる高速化が期待できます。ユースケースや業務特性に応じて、データの整合性(正確性)と処理性能の最適なバランスを柔軟に選択できるため、より幅広い業務シナリオでの活用が可能になります。

ScalarDB Analytics の従量課金(Pay-As-You-Go)による提供

これまでScalarDB Analyticsは、BYOL(Bring Your Own License)形式のみでの提供でしたが、ScalarDB 3.16より、AWS Marketplaceにおける「従量課金(Pay-As-You-Go)」にも対応いたしました。

これにより、利用したCPUリソースに応じて時間単位での課金が可能となり、用途や予算に応じて柔軟に導入・拡張いただけます。クラウドネイティブな活用が進む中で、ScalarDB Analyticsをより手軽にご利用いただける選択肢が広がりました。

今後の展望

今後は、より幅広いユースケースへの対応を目指し、データ資産の統一的な管理を可能にするカタログ機能の強化や、認証・認可におけるロールの導入、さらにSQLにおける集約処理やビューなど、高度なクエリ機能の拡充を進めてまいります。

これにより、エンタープライズ全体でのデータガバナンスと活用の高度化を支援し、より多くの業務領域での導入と価値創出が期待されます。


【ScalarDBについて】

詳細は以下を参照ください。 

【株式会社Scalarについて】

株式会社Scalarは、「データマネジメントの未来を創る」をミッションとし、東京とサンフランシスコに拠点を持つ、2017年設立の日本発グローバルスタートアップです。複数・異種のデータベースを仮想的に統合し、トランザクションや分析問合せを実現するUniversal HTAP エンジン「ScalarDB」と、データの真正性の課題を解決するデータ改ざん検知ソフトウエア「ScalarDL」の開発・販売をしています。詳細はウェブサイトをご覧ください。

※ 記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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会社概要

株式会社Scalar

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URL
https://scalar-labs.com/ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区袋町5番1号 Faro神楽坂209
電話番号
-
代表者名
深津航
上場
未上場
資本金
21億円
設立
2017年12月