三和建設、後継者不足に悩む電気工事業M&Aから10年~中小建設業が向き合う2025年問題~
三和建設株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:森本 尚孝)は、最初のM&A先である株式会社小川電設(兵庫県尼崎市、代表取締役 社長 是津 宏樹)の全株式を取得してから10年を迎えました。10年の時を経て、三和建設と小川電設のM&Aは、両社のシナジーを最大限に引き出し、業界全体が抱える課題解決にも寄与しています。
■M&Aの背景
三和建設は創業77年目の中堅ゼネコンです。現社長の森本は、幼年期より建設業を営む父を間近で見て育ち、建設業界に対する強い思いを抱いてきました。間近に見えるからこそ、良い面も課題もはっきりと認識し、社長就任後は複数の社内制度の刷新を手がけてきました。しかし、社内の課題をクリアしても社会全体が直面する2025年問題は、建設業においても深刻な影響を及ぼします。森本は、将来的に多くの作業者や技術者が引退し、若手の担い手が著しく不足することに危機感をいだきました。それは採用強化施策だけでは解決しません。そこで、若者の育成と業界の未来を見据えた解決策として、M&Aを決断
しました。
■中小企業の経営者不足
2025年までに中小企業・小規模事業者の経営者約245万人が70歳を超える中、約127万人は後継者がまだ決まっていません※。建設業も同様です。森本は、この状況が続けば建築の質が低下し、業界全体の存続が危ぶまれると考えました。そんな中、創業者が還暦を迎え後継者問題に直面していた電気工事会社、株式会社小川電設と出会います。2014年、三和建設は小川電設の全株式を取得し、初のM&Aを実施しました。
■M&Aの成長
2年後の2016年5月、三和建設で24年間にわたりキャリアを積んだ社員が、創業社長(現会長)より代表のバトンを受け継ぎました。それから10年、総合建設業である三和建設は、小川電設との連携を通じて、電気設備工事の専門性を高め、施工品質の向上を実現しました。これにより、電気設備と建築工事の一体的な施工が可能となり、複雑なプロジェクトでも迅速かつ的確に対応できるようになりました。
また、両社間での人材交流を活発化させ、スキルシェアを進めることで、社員の専門性と多様性が向上しました。
このように、M&Aは単なる事業拡大に留まらず、両社の強みを掛け合わせ、新たな価値を創造することに成功しました。小川電設の電気設備工事は、三和建設が得意とするブランディング事業との親和性から、売上を30%増加させるなど、大きな成長を遂げています。
■新たなステージへ
10年間で6社のM&Aを行い、三和建設は単なる建設会社から、多様な事業を展開する企業グループへと進化を遂げました。各社の社長には、三和建設で豊富な経験を積んだ社員を登用し、経営幹部の育成にも力を注いでいます。これにより、グループ全体の組織力を強化し、さらなる成長を目指しています。
会社ごとに異なるお客さまやビジネスモデルを持つ多様なグループ企業同士が、情報交換や人材交流を通じて、新たな価値を創造し、シナジーを生み出しています。この効果により、業務プロセスを改善し、より効率的で高品質なサービスの提供が可能となりました。
2025年問題や後継者問題が深刻化する建設業界において、三和建設のM&A戦略は、業界の持続可能性を高める一つの解決策を示しています。今後も、M&Aを積極的に推進し、専門性の高い技術をグループ内に蓄積することで、建物を通じて”人が活きる”機能と空間を創造してまいります。
【M&A等によりグループ化した企業】
2014年8月 株式会社小川電設(電気工事業)
2020年7月 株式会社コアー建築工房(木造住宅メーカー)
2020年9月 Agec株式会社(コンストラクション・マネジメント)
2022年1月 株式会社潮設備コンサルタント(建設設備設計)
2022年9月 森塗装工業株式会社(塗装工事)
2023年4月 三共空調株式会社(クリーン・環境機器の設計・製作)
■会社概要
商号 : 三和建設株式会社
代表者 : 代表取締役社⻑ 森本 尚孝
所在地 : 〒532-0013 ⼤阪府⼤阪市淀川区⽊川⻄2丁⽬2番5号
設⽴ : 1947年5⽉
事業内容 : 総合建設業
資本⾦ : ⼀億円
URL : https://www.sgc-web.co.jp/
※中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題(2019年版)」より
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