AIは「導入」だけでは成果につながらない【secondz AI活用レポート Vol.1】

公的調査で見る日本企業のAI活用:利用は広がるも、効果の中心は「効率化」

secondz digital株式会社

secondz digital株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:板井 龍也、以下 当社)は、企業のAI活用の現状と課題を公開データから読み解く「secondz AI活用レポート」を開始します。第1回となる本レポートでは、総務省、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)、PwC Japanが2026年に公表した調査結果を中心に整理しました。

各調査からは、生成AIの業務利用が広がる一方で、AIの効果は業務の効率化が中心で、売上や顧客価値の向上にまでつながっている企業はまだ少ないことが分かります。また、効果を上げている企業には、AIを業務プロセスに組み込み、運用する体制を整えているという傾向が見られます。AIを導入するだけでは成果にはつながりにくく、「導入した後」の取り組みが差を生んでいると言えます。

・生成AIを1つ以上の業務で利用している日本企業は86.4%に増加(総務省)

・AI導入の具体的な効果は「業務の効率化・迅速化」が91.6%。「売上や利益の向上」は3.9%にとどまる(IPA)

・生成AIの効果が「期待を大きく上回った」日本企業は9%で、6カ国中最も低い(PwC Japan)

・効果を大きく上げている企業には、AIを業務プロセスに正式に組み込み、内製で運用できる体制を持つ傾向がある(PwC Japan)

1.生成AIの利用は広がった

総務省「令和8年版 情報通信白書」によると、生成AIを1つ以上の業務で利用している日本企業は86.4%で、前年度の55.2%から大きく伸びました。利用率は米国(90.9%)やドイツ(91.6%)と大きな差がなく、「使っているかどうか」という点では、日本企業は海外と肩を並べつつあります。

2.しかし、効果の中心は「効率化」にとどまる

IPA「DX動向2026」によると、AI導入による具体的な効果として「業務が効率化したり迅速化した」を挙げた企業は91.6%でした。一方、「顧客満足度が向上した」は4.5%、「売上や利益が向上した」は3.9%にとどまっています。AIは業務の効率化には役立っているものの、売上や顧客への価値にまでつながっている例はまだ少ない状況です。

PwC Japan「生成AIに関する実態調査2026 春」でも、生成AIの効果が「期待を大きく上回った」と答えた日本企業は9%で、6カ国の中で最も低い水準でした(米国38%、英国32%)。

3.差を生むのは「導入した後」の取り組み

海外でも、導入したAIが成果に結びつかない例は少なくありません。S&P Global Market Intelligenceの2025年の調査(北米・欧州)では、PoC(試験導入)の平均46%が本番運用に至る前に打ち切られていました。

PwC Japanの同調査では、効果が期待を大きく上回った企業の特徴として、経営に近い推進体制があること、AIを業務プロセスに正式に組み込んでいること、内製で運用できる体制を整えていることなどが挙げられています。

また、総務省の白書では、日本企業はこうした「導入した後」の環境づくりで海外と差があることが示されています(総務省 令和8年版 情報通信白書より)。

・生成AIの業務利用率:日本 86.4%/米国 90.9%、ドイツ 91.6%

・生成AIによる業務変革に組織的な取り組みがない※:日本 27.0%/米国 1.4%

・AIが社内データを参照できる仕組みを整備:日本 24.5%/米国 57.2%、中国 73.0%

・活用スキルを学ぶ環境がある:日本 39.9%/米国 62.7%、中国 71.7%

※この項目のみ、数値が低いほど取り組みが進んでいることを示します。

利用率では大きな差がない一方、AIを業務に組み込むための体制やデータ、人材育成の面では差が見られます。こうした「導入した後」の取り組みが、成果の差につながっていると考えられます。

当社の見解

当社はこれまで、企業の現場でAIの実装と定着を支援してきました。その経験からも、成果が出るかどうかは、どのAIツールを選ぶかよりも、AIを日々の業務の流れにどう組み込むかで決まると考えています。

たとえばアサヒ飲料株式会社とは、営業提案資料の作成を自動化するシステムを共同で開発しました。新しいツールを別に導入するのではなく、営業担当者が使い慣れたPowerPointの「アドイン」という形にこだわり、提案資料作成の主要工程を自動化しました。日常的なPowerPoint作業の延長で提案資料が仕上がる仕組みです。

その結果、月間約90時間の「考える時間」を創出しました(アンケート調査結果)。生まれた時間は、取引先のカテゴリー課題を深く掘り下げ、カテゴリー成長の戦略を考えることに充てられています。

導入事例の詳細:https://secondz.digital/case/asahiinryo01/

事業開発責任者のコメント

「AIの導入が広がった今、企業の競争力を左右するのは『AIを使っているか』ではなく、『業務や事業成果をどう変えられたか』だと考えています。私たちが企業のAI実装を支援する中で重視しているのは、AIを既存の業務プロセスにどう組み込み、必要なデータとどう連携させ、人とAIの役割をどう設計するかという点です。さらに、効率化によって生まれた時間を顧客理解や提案品質の向上といった付加価値の高い活動につなげ、その成果を継続的に検証・改善していくことが重要です。AIを単なる効率化の手段から、企業の持続的な競争力へと転換するための視点を、本レポートを通じて発信していきたいと考えています。」(secondz digital株式会社 宮薗 翼)

「secondz AI活用レポート」について

企業のAI活用の現状と課題を、公的機関や調査会社が公表したデータから読み解き、定期的に発信するレポートです。今後は当社独自のアンケート調査も交えながら、AI活用を成果につなげるための論点をお届けします。

参照データ

・令和8年版 情報通信白書(総務省、2026年7月) 対象:日本・米国・ドイツ・中国の企業

・DX動向2026(IPA、2026年7月) 対象:国内企業1,799社(2026年4〜6月)

・生成AIに関する実態調査2026 春(PwC Japan、2026年6月) 対象:売上高500億円以上の企業の課長職以上。日本932名を含む6カ国(2026年2月)

・Voice of the Enterprise: AI & Machine Learning(S&P Global Market Intelligence、2025年) 対象:北米・欧州の1,000人超

※本レポートは上記の公表データを当社が整理・解説したものです。各数値の詳細は、各調査の公表資料をご確認ください。

会社概要

会社名:secondz digital株式会社(セカンズデジタル)

所在地:〒221-0056 横浜市神奈川区金港町5-14 クアドリフォリオ8F

代表者:代表取締役 板井 龍也

事業内容:AI戦略コンサルティング / AIエージェント設計・構築支援 / AI導入・業務定着支援

URL:https://secondz.digital

本件に関するお問い合わせ:rieko.oda@secondz.digital

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secondz digital株式会社

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業種
情報通信
本社所在地
横浜市神奈川区金港町5-14 クアドリフォリオ 8階
電話番号
-
代表者名
板井龍也
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年11月