柱や梁の少ない複合用途の超高層ビルを実現する「K-ARCSⓇ」構法を開発

最適な構造、耐震・制震技術の組み合わせにより、安全かつ自由度の高い空間を提供

鹿島

 鹿島(社長:天野裕正)は、開放的な居室空間を提供しながら、より高い安全性を確保した超高層建物を実現する「K-ARCS」(カークス®)※1構法を開発しました。
 K-ARCS構法は、強度と靭性に優れたCFT構造と、高耐力・高靭性を兼ね備えた超高層鉄筋コンクリート造技術「HiRC®工法」(ハイアールシー工法)を組み合わせ、さらに制震装置「HiDAX®」(ハイダックス)※2 を搭載するものです。建物の用途に応じた最適な構成の混合構造により、従来の耐震・制震架構よりも柱・梁を減らすことができ、単一構造では困難だった自由度の高い開放的な空間の提供が可能となります。
 このたびK-ARCS構法を、浜松町二丁目地区市街地再開発組合(理事長:長井裕久、東京都港区)が進める「浜松町二丁目地区第一種市街地再開発事業」(東京都港区)に初めて採用しました。

※1 Kajima Advanced RC-Steel mixed structure

※2 High DAmping system in the neXt generation

K-ARCS構法の構造原理K-ARCS構法の構造原理

  • 開発の背景

 建物には一般的に、業務用途の場合にはロングスパンが実現できる鉄骨系、住居用途の場合には居住性に優れた鉄筋コンクリート(RC)系など、用途ごとに適切な構造形式が存在します。一方、近年は都市の高度利用に伴い、建物の高層化とともに、同一建物内に様々な用途が混在する、用途の積層化が進んでいます。建物内に多用途が積層すると、建物全体として最適な構造形式の選定が困難な場合があり、その解決策が求められていました。


  • K-ARCS構法の特長

 K-ARCS構法は、下層階のCFT構造、上層階のRC構造およびその接続部で構成されます。異なる構造の接続部には当社独自の技術を採用しています。
 本構法の特長は以下のとおりです。


1. 超高層の住宅系と業務系の複合用途に対して、自由度の高い空間を実現
 下層階は、CFT構造にHiDAXによる制震性能を加えることにより、高い強度・耐震性を備えた土台の役割を担います。上層階は、HiRC工法によるRC構造とすることで、住戸間の十分な遮音性、躯体の耐久性、強風時の揺れを抑える安全性などが向上し、住居用途に適した環境を提供します。従来のRC造の超高層住宅に比べて、CFT造による高い耐震性とHiDAXによる建物全体の揺れの大幅な低減により、柱や梁の本数を少なくでき、自由度の高い居室空間を実現できます。

K-ARCS構法によって低減できる柱・梁K-ARCS構法によって低減できる柱・梁


2. 地震時の揺れ幅を大幅に低減および後揺れ時間も大幅に短縮
 HiDAXは、CFT造建物の地震時の揺れを制御することに有利な制震装置です。超高層建物にK-ARCS構法を導入することで、従来の耐震架構と比べ、地震発生時の揺れ幅を最大約30%低減、後揺れの時間を約50%短縮することができます。
 さらに、HiDAXは微小な揺れの状態から減衰効果を発揮するため、台風時の強風による揺れにも有効です。

制震装置HiDAX制震装置HiDAX

HiDAXによる揺れの制御効果HiDAXによる揺れの制御効果


  • 今後の展開

 今後、さらなる需要が見込まれる超高層複合用途建物には、高い耐震安全性だけでなく、居住性や事業継続性を重視した安心性、さらには自由度の高い空間の創出が求められます。鹿島は、K-ARCS構法の提供により、これらお客様のニーズに応えてまいります。


  • 工事概要

工事名称: 浜松町二丁目地区第一種市街地再開発事業
工事場所: 東京都港区浜松町二丁目200番(地番)
発注者: 浜松町二丁目地区市街地再開発組合
設計者: 鹿島建設株式会社 一級建築士事務所
施工者: 鹿島建設株式会社 東京建築支店
建物用途: 共同住宅、事務所、公益施設、地下鉄施設、飲食店舗、物販店舗
構造: RC造+CFT造一部S造、地上46階、地下2階
工期: 2021年2月~2024年11月(第1期引渡し)・2026年12月(全体引渡し)(予定)

完成予想イメージ完成予想イメージ

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会社概要

鹿島建設株式会社

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URL
https://www.kajima.co.jp/welcome-j.html
業種
建設業
本社所在地
東京都港区元赤坂 1-3-1
電話番号
-
代表者名
天野 裕正
上場
東証プライム
資本金
814億円
設立
-