東京海上ディーアールとコーピー、AIリスクマネジメントで戦略的提携

―安全で信頼性の高いAI活用の実現に貢献―

東京海上ディーアール株式会社(代表取締役社長:水野 一幸 以下、「TdR」)と、株式会社コーピー (代表取締役:山元 浩平 以下、「コーピー」)は、日本企業によるAI活用の推進支援を目的とした戦略的業務提携を2025年7月より開始します。

本提携により、TdRのAIガバナンス関連知見とコーピーの先進的AI技術を融合し、企業が直面するAI開発・提供・利用に関する課題の解決に貢献します。

1.背景

近年、企業におけるAI技術の活用が急速に進む中、AIシステムの安全性や信頼性の確保が重要な課題となっています。特に、EU AI Act(EU AI規制法)をはじめとするAI関連規制に関する議論が進む中、2025年5月には日本においても「AI推進法」が成立するなど、国内外でAIの適切な利活用に関する機運が高まっています。企業はAI製品・AIサービスの設計・開発・運用において、説明可能性や透明性の確保が求められるようになっています。

このような状況を踏まえ、AIガバナンス構築・リスクアセスメントソリューションを提供するTdRとAIの安全性・説明可能性・透明性を向上させるソリューションを提供するコーピーは、日本企業のAI活用促進に貢献するために戦略的業務提携を開始しました。

2.業務提携の概要

本提携では、コーピーが持つXAI(説明可能AI)技術とQAAI(AI向け品質検証)技術を活用し、以下の3つの価値を企業に提供します。

  1. AIモデル開発コストの削減:効率的な開発プロセスと品質検証により、開発期間短縮とコスト削減を実現

  2. AIサービスの障害リスク低減:高度な品質検証により、運用時の予期せぬ障害を未然に防止

  3. 説明責任の充足:AIの判断根拠を可視化し、ステークホルダーへの説明責任を果たすための支援

コーピーの最先端AI技術と、TdRのAIガバナンス・リスクコンサルティングの知見を融合することで、特にミッションクリティカルな領域でのAI導入課題を解決し、企業のイノベーティブなAI利活用を促進します。

3.コーピーと連携して提供するソリューションとその優位性

(1) 第三者AI品質検証サービス

コーピーの「第三者AI品質検証サービス」は、企業が開発・運用するAIシステムの品質を客観的に検証し、具体的な改善提案を行うサービスです。このサービスでは、コーピーの独自XAI(説明可能AI)技術とQAAI(AI向け品質検証)技術を活用し、AIモデルの性能評価、バイアス検出、脆弱性分析、堅牢性テストを行います。

図表1 第三者AI品質検証サービスの流れ

EU AI Act(EU AI規制法)では、一部のAIシステムの適合性、正確性、堅牢性、透明性について第三者評価の結果を文書化することが義務付けられています。本サービスは、こうしたグローバル規制に対応するための足がかりとなるソリューションです。     今後、他の国や地域でも同様の規制対応が求められる可能性が高く、早期に準拠体制を整えることで、法規制への対応力や信頼性といった観点で競争優位性を確保できます。

(2) 説明可能AI(XAI)ソリューション

コーピーの「説明可能AI(XAI)ソリューション」は、AIの判断根拠を可視化する革新的サービスです。独自のPost-hoc XAI技術(既存のAIモデルに後から説明を付与する技術)により、AIの意思決定プロセスを透明化します。

主な特徴

  • AIモデルの内部構造が不明でも入出力データから判断根拠を可視化

  • 表データ、画像データ、テキストデータなど多様なデータ形式に対応

  • 既存のAIシステムに後付けで適用可能

ソリューションの期待効果

説明責任の充足

AIを活用した意思決定プロセスの透明性を確保し、ステークホルダーへの説明責任を果たすことができます。特に金融、医療など高い説明責任が求められる分野で効果を発揮します。

不具合修正の迅速化

AIモデル運用中に予測精度が低下した場合、特定の入力値がモデル出力にどう影響するかを可視化することで、原因を素早く特定し、的確な修正や再学習を実現します。これによりAI品質の維持が可能になります。

(3) 説明可能性・透明性に配慮したフルカスタムAI導入支援

コーピーのQAAI(AI向け品質検証)技術及びPost-hoc XAI技術(既存のAIモデルに後から説明を付与する技術)を活用し、ミッションクリティカル領域における豊富なAIシステム開発・導入実績を有しています。この経験を活かし、モビリティ・製造業・ヘルスケアなど様々な分野における業務効率改善のためのフルカスタムAIシステムの企画立案、要件定義、開発、運用をトータルでサポートします。

業界別導入実績

導入分野

導入したAIシステム例

製造業

外観検査 / 作業者解析 / 設備異常検知、予防保全 / 作業計画最適化など

モビリティ

(自動運転車向け)

車両周辺認識AI / 自車速度・位置・深度推定AI / 自動パーキングシステム /自動運転AI用学習仮想環境 など

モビリティ

(MaaS)

ドライバーの状態認識AI / 忘れもの検知 / 配車最適化 / 交通ネットワーク解析 / マルチモーダルな動画検索 など

物流

梱包・出荷検品工程解析 / 倉庫施設の搬出入可視化 / 自動配車 など

建設

施設の空調電気代の最適化 / 配管内部調査 / 建設現場の検査 など

図表2 コーピーのAIシステム開発・導入実績

4.コーピーとの戦略的提携による相乗効果

本提携では、両社の専門性を融合させることで、お客様のAIガバナンス施策に実効性をもたらします。

TdRは、お客様固有の業種特性や企業文化を踏まえ、AIの開発・提供・利用プロセス全般における透明性と信頼性を確保するための組織態勢構築、規程類整備、業務プロセス設計を支援します。これに呼応する形で、コーピーは最先端のXAI技術とQAAI技術を駆使し、AIの判断根拠の可視化と品質検証を通じて、AIシステムの透明性を技術的側面から確立します。

この戦略的連携により、企業はAIガバナンスの理念を具体化するだけではなく、その理念に忠実なAIシステムの実装と運用を実現できるようになります。AIガバナンス態勢の構築からガバナンス施策実行のための技術導入までをシームレスに提供することで、規制対応と事業価値創出を両立した「透明性と信頼性を兼ね備えた安全なAI活用」への道筋を確かなものとします。

■      コーピー(Corpy&Co.)について

日本とフランスをベースに「先端AI技術で人命を救い、平等を拡張する」ことをミッションに、失敗の許されないミッションクリティカル領域におけるAI導入を目指し、サービスを展開している東京大学・仏Inria発AIスタートアップです。AIの実運用で必須となる品質保証に焦点を当て、XAI(説明可能AI)技術を用いた説明性向上や、QAAI(AI向け品質検証)技術を用いた実環境における頑健性・脆弱性検証などを行う包括的アルゴリズムの開発とソリューション提供を行っています。

また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「AIセーフティ強化に関する研究開発」事業において、生成AIを適切に管理・利用するために必要となるAIセーフティ基準の策定・普及とAIセーフティ評価・管理技術の開発に取り組んでいます。

      会社名:株式会社コーピー(Corpy & Co., Inc.)

      設 立:2017年 3月

      本社所在地:東京都千代田区神田神保町1-44-11

      代表取締役: 山元 浩平

       ウェブサイト:https://corpy.co.jp/

東京海上ディーアール株式会社について

     東京海上ディーアールは、東京海上日動火災保険株式会社をはじめとする東京海上グループの企業です。一世紀以上に及ぶ東京海上のノウハウをもとに1996年に誕生しました。企業を取り巻く様々なリスクに対し、高度で実践的なコンサルティングや新たなソリューションを提供することで、リスク・不確実性に強い社会の発展に貢献します。近年の「AIセキュリティ」の重要性の急速な高まりや企業におけるAIガバナンスの強化の必要性を背景に、安全で信頼性の高いAI運用を実現するためのAIガバナンス総合コンサルティングサービスを提供しています。

      会社名:東京海上ディーアール株式会社

      設 立:1996年 8月

      本社所在地:東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー23F

      代表取締役社長: 水野 一幸

       ウェブサイト:https://www.tokio-dr.jp/

左から水野一幸(TdR代表取締役社長)、山元浩平(コーピー代表取締役)[敬称略]

以上

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会社概要

URL
https://www.tokio-dr.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー23F
電話番号
-
代表者名
水野 一幸
上場
未上場
資本金
-
設立
1996年08月