「Contactless = 非接触」をテーマにしたグローバルアワード「YouFab2020」全受賞作品発表!

コロナ禍の社会で「人と人の間にあるもの」に問いを投げかける、12作品が受賞

ロフトワーク

株式会社ロフトワーク(東京都渋谷区)とFabCafe Globalが主催・運営する、YouFab Global Creative Awards 2020(通称 YouFab)」は、最終審査結果を発表しました。グランプリは、ロンドンを拠点に活動するデザイナー Scarlett Yang氏の作品「Decomposition of Materiality」に決定、ほか11点の受賞作品を選出しました。

受賞結果発表メインイメージ受賞結果発表メインイメージ

YouFabは、「Fab」の文脈に根ざしながら、クリエイターと社会が出会うグローバルネットワークを育くむアワードです。第9回目を迎えるYouFabのテーマは、『Contactless(by default)』。2020年はパンデミックの影響により、都市封鎖やソーシャルディスタンスを全世界が同時に経験し、社会の仕組みやライフスタイルの大きな変化を余儀なくされる年となりました。

 

アワードでは、「Contactless = 非接触」が前提となった世界で、私たちの社会に人間性、身体性、あるいは「リアルな体験」をどのように設計・デザインできるのか、直近の未来の問いに対しての具体物を世界中から募りました。

またJR 東日本主催による特別賞として、「NewHere賞」を設置。「コロナ以降の移動の可能性」をテーマに作品を募集し、デバイスやプロダクト、アイデアプロトタイプなど、時代の状況に素早く反応したデザインや、思想が反映された多様なジャンルの作品が集まりました。

審査は、若林恵氏(審査委員長)、DJ・アクティビストのKampire Bahana氏、ファッションデザイナーSteve Tidball氏、文化人類学者の小川さやか氏によって行われ、受賞作品が選出されました。
 
審査員長・若林恵氏よりコメント (一部抜粋)

今回のYouFabアワードのために『Contactless(by default)』というお題を設定した際に、自分が想定していたのは、あくまでも主人公が「人」であるような作品やプロジェクトだった。つまり、人がどうやってパンデミックによってつくられた「距離」を乗り越えることができるのか、といったことがテーマだろうと思っていたのだ。ところが、応募作品を眺め、審査会を経るなかで、その見立てが間違いであることに気がつくことなった。主人公は、人ではなく、むしろ人と人との間にある「距離」、もしくは、その距離を構成している「間(ま)」、それ自体だったのだ。
グランプリ作品、準グランプリ作品はもとより、最終選考に残った作品の多くは、それぞれのやり方で、「人と人の間にあるもの」を問題にしていた。人と人の間にあるのは、例えば、飛び交う飛沫であり、静寂であり、グローバル規模のサプライチェーンを経てつくられたわたしやあなたの服だったりする。これまでは意識することのなかった「間」の時空が、これらの作品/プロジェクトを通して、得体のしれない生き物のように立ち上がってくるスリルを今回の審査では味わうこととなった。それも、各作品を鋭く読み解き、それぞれに隠された雄弁さに目を開いてくださった審査員のお三方の洞察なくして、それも確固たる実感とはならなかったはずだ。 (全文は上記受賞結果ページよりご確認ください)。


受賞作品紹介
■Grand Prize|グランプリ

作品名:Decomposition of Materiality
作家名:Scarlett Yang (イギリス)

「Decomposition of Materiality(マテリアリティの分解)」は、生体材料がある条件にさらされると、成長、分解、形態の変化を起こす生態系のシュミレーションを思索(スペキュレーション)するプロジェクト。素材は藻の抽出物と、カイコの繭からとれるタンパク質(セリシン)から編み出されている。持続可能性に重点を置き、3D テクノロジーを利用してテキスタイルの形状のモデルを生成し、鋳造用の型をデジタルで製造し、衣服のテキスタイルを展示した。既存のファッションセクターの持続不可能な性質とは対照的に、廃棄物を意識的に最小限に抑えるのにも役立つ。このプロジェクトでは自然と技術両方の力を利用して、自然界の生命体の美しさを表現しており、物質の生涯の過程というコンセプトを通じて見る者に問題提起し、持続性のあるファッションの新たな方向性を示唆している。

■First Prize|準グランプリ

作品名:Cartes des Silences - Paris habituelle / confinée
作家名:Clémence Althabegoïty(フランス)

「静寂の地図 - いつものパリ/封鎖状態」は、パリ市街の音を可視化したもの。一連の動く地図は、パリとその郊外の色々な場所の音のレベルを表示する。2020 年の衛生面での危機に関連した最初の都市封鎖の、前後の音のレベルを比較している。データが示しているのは、昼と夜両方のデシベルレベルにおける「通常の」年間の平均(2019 年に測定)と「封鎖状態の」平均である。(この都市封鎖は3月17 日から5 月11 日まで行われた。)この作品が目指すのは、パリにおける騒音汚染と、最初の都市封鎖がそれにどのような影響を与えたかを明らかにすることである。パリ都市部の環境の中で、静かな区域がいかに珍しいかが、これらの地図によって暴かれている。動く画像は都市部の環境において音がどのように空間に満ちるかに焦点を置いており、都市の状況において静かな空間を見つける上での、思索的な一つの見解である。

■JR東日本特別賞「NewHere Prize」

作品名:City Glider - Next Gen Footwear

作家名:Phua Wei Qiang Frederick(シンガポール)







■JR東日本特別賞「NewHere Honorable Mention」


作品名:S.O.S-Solution Of School-urban plug-in!!
作家名:吳芷瑄(Jhih Shuan, Wu)(台湾)







■学生部門賞


作品名:Windows
作家名:Junxue Shao(アメリカ)





その他、全受賞作品は受賞作品ページより、ご覧ください。
https://www.youfab.info/2020/winners_jp.html?lang=ja


YouFab Gloabl Creative Awards2020概要
 

テーマ:Contactless(by default)
募集期間:2020 年 8 月 1 日(土)- 2020 年 10 月 31 日(土)12:00 ( 日本時間正午 )
応募総数:30ヶ国、185作品
審査員:若林恵氏(審査委員長)、Kampire Bahana氏、Steve Tidball氏、小川さやか氏
審査基準:イノベーティブであるかどうか/オーディエンスを意識しているか/体験の質・テーマの解釈/“Fab”の精神を持ち、オープンマインドであるかどうか
 

スペシャルパートナー
JR東日本(特別賞 / NewHere賞主催)
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公益財団法人江副記念リクルート財団

企画運営:株式会社ロフトワーク 
主催:
FabCafe Global 
パートナー:AWRD
 

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会社概要

株式会社ロフトワーク

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URL
https://loftwork.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア9F
電話番号
03-5459-5123
代表者名
諏訪 光洋
上場
未上場
資本金
2687万円
設立
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