去年に引き続きZ世代の起業意欲は4割超!YouTube・X・TikTokでの情報収集が主流に。
〜THE SEEDが東京と関西の学生に「起業」に関するアンケートを実施〜
シード投資家「THE SEED」(本社:東京都渋谷区、代表:廣澤 太紀、以下「THE SEED」)は、昨年度に続いて、東京と関西(大阪・京都)の大学生を対象に「起業に関するアンケート」を実施し、300名から回答を得ました。
【調査結果概要】
・起業したい理由は「使えるお金を増やしたい」が最多。昨年度と比較し、お金以外の理由も増加
・起業に関する情報収集は「YouTube・X・TikTok」と、SNSが主流
・起業に対するイメージは1位「失敗した時のリスク大」2位「莫大な資金が必要」3位「資金調達が難しい」
・最も求められている支援は1位「資金調達」2位「税務や法律関連の相談支援」3位「相談できる先輩経営者との接点」
・オンライン情報が起業意識に影響大。オフラインイベントならではの良さを感じるという声も
・起業やスタートアップを志す人がキャリア検討で関心のあるキーワードは「AI(人工知能)/ML(機械学習)」がトップ
【調査結果詳細】
◼️4割以上の学生が起業に興味あり。身近に起業家がいる人の方が起業意識が高い傾向
起業に興味があるか尋ねたところ、43.0%が「興味がある」と回答しました(n=300)。
<起業に興味があると回答/一部抜粋>
・20歳 東京 女性:自分で動き、成功させた方がやりがいを感じる
・19歳 大阪 女性:社会の役に立ちたいという漠然とした思いがある
・21歳 大阪 男性:仕事をしながら資金を貯めて、起業のことについて勉強したい
・21歳 東京 女性:資金集めと経営のあり方や従業員との関係などを現場で学んでからしたいと考えた
<起業に興味がないと回答/一部抜粋>
・20歳 京都 男性:起業するにはそれなりの技術とかが必要で、そのような能力はまだないと思う
・22歳 京都 女性:起業するための知識がない。人を雇って動かしていく自信がない
・19歳 東京 女性:現在お金を稼いでいるわけではないので、失敗したときが怖い
・19歳 東京 男性:起業のイメージが湧かず、怖い
また、家族や親戚、友人、知人に起業した人がいるか尋ねたところ、周りに起業した人がいる層の方が、起業意識が高い傾向にあることもわかりました(n=300)。
◼️YouTubeやXなど身近なSNSが起業意識を高めるきっかけに
起業に興味をもったきっかけを尋ねたところ、「YouTube」が35.7%で最も多く、「X(旧:Twitter)」が25.6%、「起業家の先輩や友人・知人からの影響」が23.3%と続きました。また、「TikTok」も17.1%の回答を得ており、SNSが学生の起業意識に大きな影響を与えていることがわかりました(n=129/起業意欲がある方)。
◼️起業に関する情報収集も上位は「YouTube・X・TikTok」と、SNSが主流
起業に関する情報はどのように得ているか尋ねたところ、「YouTube」が38.8%で最も多く、「X(旧:Twitter)」が23.3%、「TikTok」が20.9%と続きました。
起業に興味を持ったきっかけと同様に、YouTubeやSNSが情報源になっていることがわかりました(n=129/起業意欲がある方)。
◼️大学における起業サポートは「情報提供」のニーズが最も高く、実践的なサポートや教育機会の強化も求められる
在籍する大学に起業に関するサポートがあるか尋ねたところ、「情報提供」が27.3%で最も多く、「相談相手になる教員」が17.3%、「授業やゼミ」が16.3%と続きました。
また、どのようなサポートがほしいのか・強化してほしいのか尋ねたところ、「情報提供」が23.0%で最も多く、「授業やゼミ」が21.3%、「相談相手になる現役のプレイヤー(起業家/VCなど)」が18.0%と続きました。情報提供に対するニーズが高く、実践的なサポートや教育機会の強化も求められていることがわかりました(n=300)。
◼️起業したい理由は「使えるお金を増やしたい」が最多。昨年度と比較し、お金以外の理由も増加
起業してみたいと思う理由を尋ねたところ、「使えるお金を増やしたい」が34.1%で最も多く、「ビジネスに関心がある」が33.3%、「自分のスキルやアイデアを活かしたい」が29.5%と続きました(n=129/起業意欲がある方)。
使えるお金を増やしたい:34.1%
ビジネスに関心がある:33.3%
自分のスキルやアイデアを活かしたい:29.5%
純粋に憧れがある:24.8%
社会貢献がしたい:21.7%
資産家になりたい:18.6%
尊敬できる経営者・起業家に出会った:17.8%
最新のテクノロジーを社会実装したい:14.7%
会社員を続ける自信がない:10.9%
世の中を変える素質が自分にはあると思う:7.8%
モテたい:2.3%
昨年度の調査では、「使えるお金を増やしたい」が47.6%で最も多く、「資産家になりたい」が34.1%と続いていました。今年の結果を見ると、お金以外の理由で起業に興味を持つ人が増えていることが明らかになりました。
◼️起業に対するイメージは1位「失敗した時のリスク大」2位「莫大な資金が必要」3位「資金調達が難しい」
起業についてどのようなイメージを持っているか尋ねたところ、「失敗した時のリスクが大きい」が48.7%で最も多く、「莫大な資金が必要」が34.7%、「資金調達が難しい」が33.7%と続き、起業時の大変さや資金集めの難しさをイメージする人が多くいることがわかりました(n=300)。
失敗した時のリスク大きい:48.7%
莫大な資金が必要:34.7%
資金調達が難しい:33.7%
自分の経験や能力が生かせる:29.7%
専門的な経験や知識が必要:26.7%
好きなだけ仕事ができる:23.7%
とにかく忙しい:23.3%
自分の価値が上がる:19.3%
桁違いの資産を得られる:16.3%
社会貢献ができる:14.7%
◼️最も起業のハードルになりそうなことは「ビジネスの基礎知識不足」「資金調達」「自己資金」など
起業するにあたり、どのようなことがハードルになると思うか尋ねたところ、「ビジネスの基礎知識が少ない」が48.7%で最も多く、「資金調達」が39.0%、「自己資金」が35.3%と続きました(n=300)。
ビジネスの基礎知識が少ない:48.7%
資金調達:39.0%
自己資金:35.3%
ネットワーク不足:23.7%
人材不足:23.7%
相談できる相手がいない:21.7%
学業との両立:20.3%
事務所や店舗の確保:19.0%
親など周囲からの反対:11.0%
ハードルはない:7.7%
◼️最も求められている支援は1位「資金調達」2位「税務や法律関連の相談支援」3位「相談できる先輩経営者との接点」
起業する際に、どのような支援があったらいいか尋ねたところ、「資金調達の支援」が46.7%で最も多く、「税務や法律関連の相談支援」が39.0%、「相談できる先輩経営者との接点」が30.3%と続きました(n=300)。
資金調達の支援:46.7%
税務や法律関連の相談支援:39.0%
相談できる先輩経営者との接点:30.3%
切磋琢磨できる同世代の起業家との接点:28.3%
技術や知識向上の機会:27.7%
共同創業者を探す支援:26.7%
申請関係の支援:24.7%
プログラミングなどのスキル獲得支援:24.0%
◼️起業の意向がある人の方が、起業やスタートアップに関するイベントに参加している傾向に
起業の意向がある人とそうでない人を比較したところ、起業の意向がある人の方が起業やスタートアップに関するイベントに参加していることがわかりました(n=300)。
◼️オンライン情報が起業意識に影響大。オフラインイベントならではの良さを感じるという声も
オンラインとオフラインでの情報収集のどちらが起業意識により影響を与えたと感じるか尋ねたところ、手軽に調べることができるオンラインに影響を受ける人が多いことがわかりました(n=300)。
オンライン(SNS、Web記事、動画など):41.9%
オフライン(イベント、セミナー、起業家との接点など):20.9%
どちらも同程度:16.3%
どちらも特に影響はない:20.9%
<オフラインの方が影響があると感じる理由/一部抜粋>
・18歳 大阪 男性:目の前で生で話を聞く方が印象深かった
・20歳 大阪 女性:対面でお話することでより具体的に身近に感じることができ、その場で質問もしやすい
<オンラインの方が影響があると感じる理由/一部抜粋>
・21歳 東京 女性:身の回りにはいない実業家の声が聞けるから
・21歳 大阪 男性:コロナ明けもオンラインのイベントが増加していると感じるから
◼️約4割が、AIはキャリアにチャンスをもたらすと感じている
AIは自身のキャリアにどのような影響があると考えているか尋ねたところ、「AIがスキルや可能性を拡張し、新しいチャンスが生まれる」が39.7%で最も多く、「AIに人間の仕事を取って代わられる脅威を感じる」が27.3%、「AIを活用して新しいビジネスを立ち上げるチャンスがある」が22.0%と続き、可能性やビジネスのチャンスに感じている人が多いことがわかりました(n=300)。
AIがスキルや可能性を拡張し、新しいチャンスが生まれる:39.7%
AIに人間の仕事を取って代わられる脅威を感じる:27.3%
AIを活用して新しいビジネスを立ち上げるチャンスがある:22.0%
影響はないと考えている:31.7%
また、スタートアップへの就職や起業に興味のある人とそうでない人とを比較した場合、スタートアップや起業に興味のある人の方が、AIに対してポジティブな印象を持っていることがわかりました。
◼️キャリア検討で関心のあるキーワード、起業を志す人も、スタートアップを志す人も「AI(人工知能)/ML(機械学習)」がそれぞれトップ
◼️THE SEED 代表 廣澤 太紀 コメント
今回の調査では、Z世代の学生の起業意識に関して、昨年と大きな変化は見られなかったものの、依然として4割以上が起業に強い関心を示していることがわかりました。
SNSは引き続き主要な情報源として大きな役割を果たしており、YouTubeやTikTokなどを通じた情報収集が多くの学生に支持されています。オンラインで手軽に情報収集ができる点が、多くの学生の起業意欲を高める一方、オフラインイベントに参加した学生からは、リアルな体験や起業家との直接交流がより深い学びやモチベーション向上につながるとの声も多く寄せられました。このことから、オンラインとオフライン双方を活用することが、さらに起業意識を強めるための有効な手段であると考えられます。
また、学生からは「情報提供」や「授業・ゼミ」といった実践的なサポートを求める声も多く、こうした支援が起業の第一歩を後押しする重要な要素であることも明らかになりました。THE SEEDは、これからも若い才能が起業にチャレンジしやすい環境づくりを推進し、彼らの成長を支援してまいります。
◼️大学にて起業教育に取り組む教員からのコメント
THE SEEDが連携する各大学の教員より、それぞれの視点、経験から今回の調査結果に対するコメントをいただきました。
・大阪公立大学 大学院経営学研究科・商学部グローバルビジネス専攻 教授 二宮 麻里氏
私が接する学生の大半は、「起業するかどうか」よりも「学生時代に何かチャレンジしたい」と言っていて、そのチャレンジについての相談を受けることが多いです。ただ、学生の多くは慎重で、アイデアの段階で止まってしまうことが少なくありません。一方で、実際にチャレンジをした学生は、チャレンジすることの意義を感じ、次のステップへと進んでいきます。
こうしたチャレンジ自体は、まだ市場規模や収益化について十分に考えられていないため、「社会人」から批判を受けることが多く、これは非常に残念だと感じています。大事なのは「チャレンジする情熱」であり、それを支える環境です。学生は、これまでの経験を基にビジネスアイデアを育む傾向があるため、グローバルな先端情報に触れる機会が必要です。また、ビジネスを本格化させようとしている学生を育て、次のステージに引き上げるような仕組みや「場」も重要だと考えています。
・関西学院大学 社会連携・インキュベーション推進センター/院内講師(国際学部・理学部)
最近、主に1〜2年生の学生から次のような初期段階の相談が多く寄せられています。
「やりたいことが多すぎて何から始めればいいか分からない」「情報が多すぎてどれを信じればいいか分からない」「起業に興味があるが、最初の一歩が踏み出せない」といった悩みです。
起業支援においては、信頼できる情報源の選定が不可欠です。大学や公的機関、信頼性の高い専門家や企業からの情報はもちろん、成功した起業家や失敗を乗り越えた方々と直接お話しできる経験が、特に価値を持ちます。
また、学生の起業を支えるには、大学を超えたコミュニティの形成も重要な役割を果たします。現在、行政や企業、大学が主催するアントレプレナーシップ関連のプログラムやイベントが数多く開催されていますが、どれに参加すべきか迷う学生も少なくありません。すべてに参加するのではなく、自分の目標に関連したものに集中するようアドバイスしていますが、最終的には同世代からの口コミや参加者同士の紹介が参加理由になることが多いです。
そのため、学生同士が自由に情報を交換し、イベントの体験を共有できるコミュニティの環境整備が、より豊かな起業支援につながると考えています。
【調査概要】
調査名称:起業に関するアンケート
調査機関:Freeasy
調査対象:東京と関西(大阪・京都)の大学生
調査方法:Webアンケート
調査日:2024年10月4日〜2024年10月5日
有効回答数:300件
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります
◼️調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「THE SEEDの調査によると」「THE SEED調べ」など
◼代表プロフィール:廣澤 太紀(Hirozawa Daiki)
1992年生まれ 大阪府出身。2015年シードVCに入社。新規投資先発掘や投資先支援に従事。2018年9月 独立し、シードファンド「THE SEED」を設立。2021年3月 2号ファンドの設立を発表。2024年3月に3号ファンドの設立を発表。現在、約34億円を運用。
プレシード、シードステージでの投資実行を行う。「スマートコーヒースタンド root C」、サイエンス・テクノロジーからの農業支援により、農業界が抱える課題にアプローチするAGRI SMILEやVR/AR事業など、現在約50社へ創業投資。
Facebook:https://www.facebook.com/Daiki.Hirozawa
X(旧Twitter):https://x.com/HirozawaDaiki
◼THE SEEDについて
2018年に設立されたシードファンド、「THE SEED」は2024年3月3号ファンドの設立を発表し、現在、約34億円を運用しています。同ファンドは、20代の若手起業家を支援し、創業出資を行っています。具体的な投資先としては、「スマートコーヒースタンド root C」やバイオスティミュラント資材の研究開発や農業技術のSaaSサービスを展開するAGRI SMILE、VR/AR事業などがあります。投資対象は主に、日本を中心とするプレシード、シードラウンドのIT系スタートアップで、EC、CtoC、ブロックチェーン関連事業、AR/VR、ゲーム関連事業などが含まれており、現在までに約50社に対して創業投資を行っています。
◼シード投資家「THE SEED」概要
ファンド名:THE SEED
代表者:廣澤 太紀
投資対象:日本を中心とするシードラウンドのIT系スタートアップ。EC、CtoC、ブロックチェーン関連事業、AR/VR、ゲーム関連事業等など。
ファンドブログ:https://theseed.vc/magazine
投資相談の面談について:https://theseed.vc/theseedtalk
スタートアップ関西:https://startupkansai.com/
BANK SUMMIT:https://bank-summit.com/
THE FUTURE X:https://thefuture.tokyo/
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