【アキサポ空き家総研】 「中部エリア 空き家所有者に対する意識調査」

中部エリアでは、空き家を所有した経緯は「相続」が最も多く、約6割「相続」で空き家を取得した人の過半数が10年以上放置していることが明らかに

株式会社ジェクトワン

アキサポ空き家総研(運営:株式会社ジェクトワン、以下、ジェクトワン)は、全国で急増する空き家問題の解決に貢献すべく、空き家所有者に向けて実施した意識調査の結果や空き家問題の啓発に寄与する様々な情報、空き家に関する最新トピックをメディアの皆様に発信しています。
ジェクトワンでは、2021年2月に東京都、2021年11月に近畿エリア(2府5県)の空き家所有者を対象に、空き家に関する意識調査を実施してきました。今回は、中部エリア(9県)に空き家※を所有する人を対象に、その実態を把握すべく「中部エリア 空き家所有者に対する意識調査」(調査期間2022年2月18日~22日)を実施しました。本プレスリリースでは、空き家の所有実態や空き家活用の検討状況などから、中部エリアの空き家問題の特色やそれを解決する手がかりを考察するとともに、これまでに実施した東京都、近畿エリアの調査結果との比較分析を行います。
※誰も住んでいない、利用していない、借り手や売り手も探していない物件と定義
~【アキサポ空き家総研2022実施 中部エリア 空き家所有者に対する意識調査」サマリー
【1】 空き家の所有実態
‐ 中部エリアの空き家で最も多い物件形態は「一軒家」で、全体の8割以上(84.2%)を占め、
空き家を所有した経緯は「相続」が最も多く、約6割(60.8%)という結果に。
‐ 空き家を放置した年数が「10年以上」の所有者が46.9%と半数に近く、東京都・近畿エリアよりも高い結果に。
また、「相続」で空き家を取得した所有者の過半数(53.4%)が、「10年以上」放置していることが明らかに。
- 空き家を利用しない理由として「建物の古さ、状態の悪さ」が約6割(59.5%)と最も多く、東京都・近畿エリアよりも高い結果に。

【2】 空き家活用の検討状況について
- 貸す・売却するなど空き家活用を検討したことがある所有者の割合は45.7%。
また、空き家の放置年数が長くなるほど空き家活用の検討率が低くなることが明らかに。
‐ 空き家活用を公的機関・企業等に相談した割合が53.5%と、東京都・近畿エリアと比較して低い結果に。

3 空き家に関する法律・サービスの知識について
‐ 民間企業の空き家活用サービスについて、「知らない」と回答した所有者が80.1%、
東京都(72.2%)、近畿エリア(74.8%)に比べて最も高い結果に。
- 相続登記の認知率は7割を超え(73.0%)、一方で手続きが完了している所有者は27.7%にとどまった。
Topic】空き家の専門家に聞く!中部エリアの空き家事情と空き家活用のポイントとは
調査結果をもとに、ジェクトワンの地域コミュニティ事業部 ディレクター 清水 貴仁
中部エリアの特徴をふまえ、空き家活用について解説します。

【調査概要】
■ 調査方法:インターネット調査                ■ 調査時期 : 2022年2月18日~ 2022年2月22日
■ 調査地域:中部エリア(静岡県、愛知県、岐阜県、山梨県、長野県、新潟県、富山県、石川県、福井県)
■ 調査対象:中部エリア内に空き家(誰も住んでいない、利用していない、借り手や売り手も探していない物件)を所有しているオーナー
※複数空き家を所有している場合は、最も所有歴が長いものについて回答。
■ サンプル数:静岡県53名/愛知県109名/岐阜県29名/山梨県13名/長野県30名/新潟県32名/富山県16名
石川県17名/福井県12名  計311名

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<プロフィール>
株式会社ジェクトワン 取締役
地域コミュニティ事業部 ディレクター 清水 貴仁

2009年、株式会社ジェクトワン設立時より入社し、現在は地域コミュニティ事業部長として事業拡大に尽力。NPO法人空き家活用プロジェクトの理事長を兼任。
空き家アナリストとしてnote発信中。

専門家の観点からみる、今回の調査結果についての考察
今回実施した「中部エリア 空き家所有者に対する意識調査」では、今後の課題として、首都圏や近畿圏と異なる特徴が見えてきました。その特徴とは、ほとんどの空き家が一軒家であり、かつ空き家を取得した経緯は「相続」が約6割と最も多く、「相続」で取得した人の過半数が10年以上空き家を放置している点です。
一方、空き家を利用しない理由を見てみると、建物の老朽化を挙げた人が全体の約6割となりました。この数値は、必ずしも放置した年数には比例せず、空き家を所有してから「1年以上~5年未満」の人では67.9%という結果から、中部エリアでは空き家を所有した時点で、既に物件の状態があまり良くないケースがあることも考えられます。
加えて、「空き家の活用を全く検討したことがない」所有者や、「空き家を活用などして長く保とうと考えていない」所有者も多くいる点から、空き家が長期にわたり放置されており、なかなか解消されないという実情がうかがえます。その空き家の中には、よくない物件状態のまま放置され続け、すぐにでも活用に踏み切った方がいい空き家も数多く存在することが推察されます。
また、相続で空き家を取得した人の40.5%が「相続登記を知っているが手続きをしていない」、27.0%が「相続登記について知らない・わからない」と回答しており、20244月から施行される相続登記の義務化後も未登記状態が解消されるまでには時間がかかるだろうと推測しています。

中部エリアの空き家の特徴から考えられるおすすめの空き家活用方法
郊外や地方の一軒家の空き家や、建物が古い/あまり状態のよくない空き家の活用ポイント
地方の空き家の活用方法について、当社でも日々検討していますが、今回、活用方法の一例として、『他拠点生活の場』という事例を紹介いたします。
昨今、多様性という言葉をよく耳にしますが、住まい方にも定住するという選択肢以外のものが出てきています。働き方に、リモートワークやワーケーションがあるように、住まい方の一つに定期的に拠点を変え、様々な交流を楽しみながら生活していく、『他拠点生活という方法があります。他拠点生活を好む人は、色々なところに住んでみたいというニーズがあり、空き家はこのようなニーズとの相性がとても良いのです。実際に、当社でも空き家を『他拠点生活の場』として活用した事例もございます。
地方だからと空き家活用を諦めるのではなく、あらゆるニーズを探り、ニーズに合わせた活用方法を見出すことで、空き家の持つ可能性を引き出し、ひいてはそれが日本全国の空き家問題の解消につながると考えています。
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2022年度実施 「中部エリア 空き家所有者に対する意識調査」

1】 空き家の所有実態
Q.所有している空き家はどのような形態ですか?(n=311名)

所有している空き家の物件形態を尋ねると、「一軒家」が全体の8割以上(84.2%)を占め、東京都(49.0%)、近畿エリア(79.0%)と比較すると、中部エリアが最も「一軒家」の割合が高い結果となりました。

Q.空き家はどのような経緯で所有しましたか?(n=311名)

空き家を所有した経緯は「相続」が約6割(60.8%)と最も高く、近畿エリア(62.9%)と同等の結果となりました。一方、東京都内では、「相続」で空き家を所有した割合は33.1%と低く、東京都内と地方では主となる入手経緯が異なることがわかります。
Q.所有している空き家を利用しなくなって、どのくらい経過しましたか?(n=311名)

所有している空き家を利用しなくなってからどのくらい経過したかを尋ねたところ、「10年以上」放置していると回答した人の割合が46.9%と半数近くになり、東京都(40.1%)、近畿エリア(41.6%)と比較すると最も高い結果となりました。また、「10年以上」放置している人を空き家の所有経緯別でみると、所有者自身の意志で購入した人(36.2%)よりも、相続した人(53.4%)の方が高い割合となり、過半数となることがわかりました

Q.所有している空き家を利用していない、または借り手や売り手を探していない理由はなんですかn=311名)

空き家を利用しない理由として「建物の古さ、状態の悪さ」が約6割(59.5%)と最も多く、東京都・近畿エリアよりも高い結果になり、とくに東京都(43.4%)とは15pt以上の差がつきました。

空き家を放置した年数別でみると、「建物の古さ、状態の悪さ」と回答した割合が「10年以上」放置した人では54.8%であるのに対し、「1年以上~5年未満」の人が67.9%となっており、中部エリアでは空き家を所有した時点で既に物件の状態があまり良くないケースがあることもうかがえます。

Q.空き家活用などのメンテナンス次第で、所有している空き家を保ちたいと思いますかn=311名)

空き家を維持する意欲について、中部エリアでは、「所有している空き家を保ちたいと思う」が6割を超え、大半の人は空き家を維持する意欲があることがわかります。一方で、「所有している空き家を保ちたいと思わない」と回答した人が36.7%と、近畿エリア(31.9%)と比較して5ptほど高い割合であることから、空き家を維持する意欲が近畿エリアよりも若干低いことがうかがえます。

また、中部エリアで「所有している空き家を保ちたいと思わない」と回答した人の結果を、空き家放置した年数別でみると、放置年数が1年以上~5年未満の人は14.8%5年以上~10年未満の人は33.3%10年以上の人は50.0という結果となりました。このことから、放置年数が長くなるほど空き家を維持する意欲は下がっていき、とくに「10年以上」放置している人の2人に1人は空き家を維持したくないと考えていることがわかりました。この放置年数別の傾向は、近畿エリアでも同様にみられました。

2】 空き家活用の検討状況
Q.所有している空き家を人に貸すことや、売却することを検討したことはありますか?(n=311名)

所有する空き家を貸すことや売却することを検討したことがあるか尋ねたところ、「少しでも検討したことがある」と回答した人の割合が5割未満(45.7%)と半数を下回りました。他のエリアの空き家活用の検討率についても、東京都(44.7%)、近畿エリア(47.4%)と4割台にとどまっており、空き家所有者の空き家活用の検討率は半数に満たないことが明らかになりました。

また、空き家を放置した年数別でみると、放置年数が「1年以上~5年未満」の人は67.9%、「5年以上~10年未満」の人は52.9%、「10年以上」の人は31.5%と、放置年数が長くなるほど空き家活用の検討率が低くなりました。

空き家を人にすことや、売却することを検討した際公的機関に相談した人

空き家を貸すことや、売却することを検討した際、誰に相談したかを尋ねたところ、「公的機関・企業等」に相談した人の割合が53.3%と、東京都(65.9%)、近畿エリア(59.2%)と比較すると最も低い結果となりました。
※空き家を人に貸すこと、または売却を検討したことがある人ベース

また、相談相手として公的機関・企業等を選んだ人に相談した際の不満について尋ねたところ、「リフォームや解体費用が高かった」と回答した人が23.7%と、東京都(16.9%)、近畿エリア(16.1%)と比べて最も高い結果となりました。

Q.空き家を人に貸すことや、活用することを検討する場合に、相談したい不動産会社を教えてください。(n=311名)

空き家を活用する際に、相談したいと思う不動産会社について尋ねたところ、中部エリアでは「全国チェーン、大手不動産会社」(13.8%)よりも、「地域密着型の不動産会社」に相談したい人の割合が44.4%と高く、また、近畿エリア(37.7%)よりも「地域密着型の不動産会社」を選ぶ傾向にあることがわかりました。

中部エリアでは、近畿エリア(「全国チェーンや大手不動産会社」に相談したい人の割合 23.9%、「地域密着型の不動産会社」に相談したい人の割合 37.7%)と比較して、「全国チェーンや大手不動産会社」に相談したい人の割合が13.8%と低く、「地域密着型の不動産会社」に相談したい人が44.4%と高いことから、地域に対してより理解のある人に相談したいということが考えられます。

3】 空き家に関する法律・サービスの知識について
Q.「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律があることをご存じですか?(n=311名)

空き家対策特別措置法の認知度をエリア別で見ると、近畿エリア49.7%、続いて、中部エリア42.4%、東京都40.4%の順となりました。この結果から、空き家に関する法律や知識の認知率は、エリアによって差が生じることがうかがえます。

Q.相続登記」という手続きがあることをご存じですか?(n=311名)

相続登記について知っているかを尋ねたところ、「知っている」と回答した人は7割を超えました(73.0%)。一方で、「手続きは完了している」と回答した人は全体の3割以下(27.7%)にとどまり、「申請前(手続きの準備をしている)または申請中(手続きは完了してない)」(4.9%)も除くと、「知っているが手続きをしていない」と回答した人が全体の40.5%となり、相続登記を知っている人の半数以上が申請をしていないこともわかりました。

Q.空き家に借り手や買い手を探すための民間企業のサービスでご存じですか(n=311名)

民間企業の空き家活用サービスについて、「知らない」と回答した人が8割(80.1%)を超え、東京都(72.2%)、近畿エリア(74.8%)に比べて最も高い結果になりました。

空き家を放置した年数別でみると、「10年以上」放置した人で民間企業の空き家活用サービスについて「知らない」と回答した人は92.5%と9割を超えました。中部エリアでは、空き家の放置年数が長いほど民間企業の空き家活用サービスに対して消極的であることがうかがえます。

<ご参考>
空き家活用サービス「アキサポ」とは
株式会社ジェクトワンが首都圏を中心に展開するサービスです。創業時より大切にしている物件の多様化(不動産それぞれの土地や周辺のニーズに合わせた活用方法)を最大限に活かした事業を目指し、2016年にスタートしました。
空き家を「アキサポ」が借り受け、「アキサポ」全額費用負担でリノベーション工事を行い、定期間転借するサービスです。地域にマッチした空き家活用を提案することで街の資源である空き家の再生を通じて地域コミュニティの活性化に貢献しております。
アキサポ公式HP:https://www.akisapo.jp/

【空き家所有者にとっての最大のメリット】
建物がバリューアップして戻ってくる
リノベーションを行い空き家の価値向上を高めます。 ※物件により諸条件等が異なります。
・リノベーション費用は「アキサポ」が全額負担
リノベーション設計や施工、工事管理もすべて「アキサポ」にお任せできます。

【サービスフロー】

また、「アキサポ」は全国の空き家問題を解決するべく、当社の空き家活用事業「アキサポ」にご賛同いただいた全国各地の不動産会社や工務店などの空き家活用事業者とライセンス契約を結び、現在10府県13社(※2022年1月末時点)とアキサポネットを形成し提携しております。「アキサポ」の事業スキームと、アキサポネットメンバーが持つ地域性を活かした専門的な知識を掛け合わせることで、空き家活用の多様性を高め、より地域に合った空き家活用のご提案が充実することを期待しております。
アキサポネット公式HPhttps://www.akisapo.jp/akisaponet/

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上場
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資本金
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設立
2009年01月