【改正下水道法・現場認知の実態調査】 法改正の内容を「知っている」下水道担当者は7割以上 一方で現場は「財源不足」「職員不足」で対策は道半ば
〜広域化・統廃合の時代、処理継続体制の確保が急務であることが明らかに〜
2025年1月28日、埼玉県八潮市で大規模な道路陥没事故が発生しました(※1)。この事故に加え、下水道施設の老朽化や職員数の減少といった課題を背景に提出された「下水道法等の一部を改正する法律案」が、2026年7月15日に参議院本会議で可決・成立しました(※2)。改正法には、施設の安全性を評価する診断基準の法制化、維持管理状況の公表の義務化、計画的な改築の推進、都道府県による広域連携推進計画の制度化などが盛り込まれています(※3)。
広域化・共同化は今回の法改正で初めて始まったものではなく、国は以前から全国の自治体に取り組みを求めてきました。すでに2022年度末までに、全47都道府県で「広域化・共同化計画」が策定されています。今回の改正は、こうした従来の取り組みをさらに後押しするもので、都道府県が定める「広域連携推進計画」の制度が新たに設けられました(※4)。
こうした背景から、仮設水処理プラントのレンタルなどを手がけるセイスイ工業株式会社(本社:千葉市若葉区、代表取締役:井本 謙一、以下 セイスイ工業、https://seisui-kk.com)は、全国の自治体で下水道事業(計画・整備・維持管理など)に携わる職員108名を対象に、「下水道法改正と老朽化対策・広域化に関する実態調査」を実施しました。本調査では、法改正の認知度、老朽化対策の課題、広域化・共同化や施設の統廃合に向けた動き、改修・更新工事中の下水処理の継続に対する不安、仮設水処理設備など一時的な処理手段の活用意向を尋ねています。その結果を、以下のとおりお知らせします。
※1|国土交通省|「埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえた緊急点検結果等を公表します ~下水道管路に起因する道路陥没事故の未然防止に向けて~」|2025年2月14日|https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo13_hh_000629.html
※2|参議院|第221回国会 議案情報「下水道法等の一部を改正する法律案」|2026年7月15日現在|https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/221/meisai/m221080221038.htm
※3|国土交通省|「『下水道法等の一部を改正する法律案』を閣議決定 ~強靱で持続可能な下水道の実現及び安全かつ円滑な道路交通の確保に向けて~」|2026年3月27日|https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo13_hh_000722.html
※4|国土交通省|「広域連携の推進」|https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000495.html

-
01|自治体職員の7割以上が「2026年の下水道法改正」を認知、経年劣化を課題視する層も87.0%に上る
-
02|広域化・統廃合は59.2%が「実施・検討中」、老朽化の具体課題は「職員数不足」(56.4%)が首位
-
03|79.7%が工事中の処理継続を不安視、75.0%が仮設水処理設備の活用に前向き
■調査概要
-
調査名称:下水道法改正と老朽化対策・広域化に関する実態調査
-
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
-
調査期間:2026年7月21日〜同年7月22日
-
有効回答:全国の自治体で下水道事業(計画・整備・維持管理など)に携わる職員108名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「セイスイ工業株式会社」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■自治体職員の7割以上が、2026年の下水道法改正の内容を認知
「Q1. あなたは、2026年の下水道法等の改正について、内容をどの程度知っていますか。」(n=108)と質問したところ、「内容まで詳しく知っている」が23.1%、「概要を知っている」が49.1%という回答となりました。

-
内容まで詳しく知っている:23.1%
-
概要を知っている:49.1%
-
聞いたことはあるが、内容は知らない:21.3%
-
知らない:4.6%
-
答えられない:1.9%
■下水道の老朽化を「課題」と感じる自治体職員は87.0%、「非常に感じる」も44.4%に上る
「Q2. あなたは、お勤め先の自治体において、下水道管路や処理施設の老朽化が課題になっていると感じますか。」(n=108)と質問したところ、「非常に感じる」が44.4%、「やや感じる」が42.6%という回答となりました。

-
非常に感じる:44.4%
-
やや感じる:42.6%
-
あまり感じない:10.2%
-
全く感じない:0.9%
-
わからない/答えられない:1.9%
■老朽化の具体課題、「職員数不足」(56.4%)が首位、「財源不足」「点検・調査の遅れ」(各55.3%)が続く
「Q3. Q2で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方にお聞きします。下水道の老朽化に関して、具体的にどのような課題を感じていますか。(複数回答)」(n=94)と質問したところ、「下水道を担当する職員数が不足していること」が56.4%、「改築・更新に必要な財源が不足していること」が55.3%、「点検・調査が計画どおりに進まないこと」が55.3%という回答となりました。

-
下水道を担当する職員数が不足していること:56.4%
-
改築・更新に必要な財源が不足していること:55.3%
-
点検・調査が計画どおりに進まないこと:55.3%
-
技術やノウハウの承継が進んでいないこと:43.6%
-
更新工事の期間中も下水処理を止められないこと:38.3%
-
管路・施設の劣化状況の全体把握が難しいこと:28.7%
-
委託できる民間事業者の確保が難しいこと:16.0%
-
その他:1.1%わからない/答えられない:0.0%
■「予算を確保できない」「破裂事故が起きている」といった具体的な声も
「Q4. Q3で「わからない/答えられない」以外を回答した方にお聞きします。Q3で回答した以外に、下水道の老朽化に関して感じている課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=94)と質問したところ、75件の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
-
改修への理解が取れず、予算を確保できない。
-
つまりや錆が浮いてくる。近所ではよく破裂事故など起きている。
-
老朽化してるのに、傷つきにくい構造と見えないからこそ、工事が後回しになってしまうこと。
-
内面被覆工法が主流だが、これができる業者が限られる。
-
人員不足に尽きる。契約発注しても不調に終わる工事が多くなった。
■広域化・統廃合、約6割が「実施・推進」または「具体的に検討」の段階に
「Q5. あなたのお勤め先の自治体では、下水道事業の広域化・共同化や、処理施設の統廃合・ダウンサイジング(規模の適正化)に向けた動きがありますか。」(n=108)と質問したところ、「すでに実施・推進している」が15.7%、「具体的に検討している」が43.5%という回答となりました。

-
すでに実施・推進している:15.7%
-
具体的に検討している:43.5%
-
情報収集や庁内での話題になっている段階である:25.9%
-
特に動きはない:13.9%
-
わからない/答えられない:0.9%
■改修・更新工事期間中の処理継続を不安視する自治体職員は、8割弱を占める
「Q6. あなたは、老朽化対策や広域化・統廃合に伴う改修・更新工事の期間中に、下水処理を止めずに継続できるかどうかについて、不安を感じますか。」(n=108)と質問したところ、「非常に感じる」が24.1%、「やや感じる」が55.6%という回答となりました。

-
非常に感じる:24.1%
-
やや感じる:55.6%
-
あまり感じない:12.0%
-
全く感じない:7.4%
-
わからない/答えられない:0.9%
■処理継続不安の理由、「大雨・台風による流入増」が60.5%で最多
「Q7. Q6で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方にお聞きします。改修・更新工事の期間中に、下水処理を止めずに継続できるかどうかについて、不安を感じる理由を教えてください。(複数回答)」(n=86)と質問したところ、「大雨や台風による流入増に対応できない恐れがあるから」が60.5%、「仮設対応まで含めた予算を確保できる見通しがないから」が52.3%、「仮設・代替手段に関する情報が少ないから」が41.9%という回答となりました。

-
大雨や台風による流入増に対応できない恐れがあるから:60.5%
-
仮設対応まで含めた予算を確保できる見通しがないから:52.3%
-
仮設・代替手段に関する情報が少ないから:41.9%
-
工事期間中の処理能力の確保が難しいから:31.4%
-
庁内に前例やノウハウが少なく判断しづらいから:22.1%
-
住民生活への影響が大きいから:22.1%
-
その他:0.0%
-
わからない/答えられない:1.2%
■「バイパス工事の予算が少ない」「まとまった工事ができない」といった不安の声も
「Q8. Q7で「わからない/答えられない」以外を回答した方にお聞きします。Q7で回答した以外に、下水処理を止めずに継続できるかどうかについて不安を感じる理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=85)と質問したところ、66件の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
-
工事を行うに当たってバイパス等の工事を行うことに予算が少ないこと。
-
連日暑いのでまとまった工事ができず完成が遅れる。
-
補助金で十分な措置が確保できない点。
-
生活に密着しているが故に止めることは難しい。とはいえ、新しい管を入れるという工事をすればそれだけコストがかかるので悩ましい。
-
代替経路に不足が予想される。
■自治体職員の75.0%が、仮設水処理設備のような一時的な処理手段の活用に前向き
「Q9. あなたは、下水処理を止められない改修・更新工事や緊急時への備えとして、仮設水処理設備のような一時的な処理手段を活用したいと思いますか。」(n=108)と質問したところ、「非常にそう思う」が25.0%、「ややそう思う」が50.0%という回答となりました。

-
非常にそう思う:25.0%
-
ややそう思う:50.0%
-
あまりそう思わない:14.8%
-
全くそう思わない:6.5%
-
わからない/答えられない:3.7%
■「管路の大規模な修繕・敷設替えの期間中」(71.6%)が突出、「災害時」(44.4%)も上位
「Q10. Q9で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。仮設水処理設備のような一時的な処理手段を、どのような場面で活用したいと思いますか。(複数回答)」(n=81)と質問したところ、「管路の大規模な修繕・敷設替えの期間中」が71.6%、「台風・豪雨などの災害で処理が滞ったとき」が44.4%、「処理施設の改築・更新工事の期間中」が43.2%という回答となりました。

-
管路の大規模な修繕・敷設替えの期間中:71.6%
-
台風・豪雨などの災害で処理が滞ったとき:44.4%
-
処理施設の改築・更新工事の期間中:43.2%
-
処理場の統合・ダウンサイジング工事の期間中:39.5%
-
施設の故障・事故で処理が滞ったとき:37.0%
-
処理能力が一時的に不足したとき:22.2%
-
その他:1.2%
-
わからない/答えられない:0.0%
■まとめ
今回は、全国の自治体で下水道事業(計画・整備・維持管理など)に携わる職員108名を対象に、下水道法改正と老朽化対策・広域化に関する実態調査を実施しました。その結果、自治体職員の72.2%が2026年の下水道法改正を認知する一方、改修・更新工事の期間中に下水処理を止めずに継続できるかについて79.7%が不安を実感していることが明らかになりました。
まず、下水道の老朽化を「非常に感じる」「やや感じる」とする自治体職員は87.0%に上り、その具体課題としては「下水道を担当する職員数が不足」(56.4%)を筆頭に、「改築・更新に必要な財源が不足」「点検・調査が計画どおりに進まない」(各55.3%)といった人材・予算面の逼迫が浮かび上がりました。こうした課題に対し、広域化・共同化や施設の統廃合・ダウンサイジングに「すでに実施・推進」(15.7%)または「具体的に検討」(43.5%)で臨む自治体は合わせて59.2%と、再編に向けた動きが着実に広がりつつあります。もっとも、その再編を支える工事期間中の処理継続には根強い不安が残り、理由としては「大雨や台風による流入増に対応できない恐れ」(60.5%)が最多で、「仮設対応まで含めた予算を確保できる見通しがない」(52.3%)が続きました。この不安を背景に、仮設水処理設備のような一時的な処理手段の活用意向は75.0%に達し、なかでも「管路の大規模な修繕・敷設替えの期間中」(71.6%)での活用ニーズが突出しています。
本調査から、2026年の下水道法改正を契機に、自治体では老朽化対策や広域化・統廃合への動きが進む一方で、現場は「職員・財源の不足」と「工事期間中の処理継続」という構造的な課題に直面する実態が浮かび上がりました。とりわけ、改修・更新工事や施設の統廃合は下水処理を止められないなかで進めざるを得ず、豪雨・災害時の流入増や予算・ノウハウの制約が現場の負荷を高めています。仮設水処理設備の活用に前向きな声が広がる背景には、こうした現場のリアルが反映されていると考えられ、法改正で推進される「バックアップ確保」を日々の運営にどう組み込むかが、これからの自治体下水道事業の一つの分水嶺となりそうです。
■セイスイ工業なら、改修・更新工事中や緊急時にも下水処理を止めないための仮設水処理体制を構築

全国2,650件の実績をもとに、レンタル用水処理機器を組み合わせた仮設水処理プラントで処理継続を支援
セイスイ工業では、全国2,650件の排水・汚泥処理実績をもとに、本設設備でも使用されている水処理機器を組み合わせた仮設水処理プラントをレンタルしています。
下水処理場の改修・更新工事、管路の大規模な修繕・敷設替え、処理施設の統廃合・ダウンサイジング、設備の故障、台風・豪雨などの災害時に、既存設備を停止できない場合の代替処理や、一時的な処理能力の確保に対応します。
改修・更新工事や緊急時の処理継続に関して、こんなお困りごとはありませんか?
-
改修・更新工事中も下水処理を止めることができない
-
工事期間中の処理能力や代替処理方法を確保したい
-
大雨や台風による一時的な流入量の増加に備えたい
-
施設の故障や事故発生時に早急な処理体制を整えたい
-
仮設水処理設備の規模、処理方法、必要な予算がわからない
セイスイ工業は、現場の水量や水質、処理期間、設置スペースなどの条件に応じて、必要な水処理機器を選定し、仮設水処理プラントを構築します。下水処理場の機能を維持しながら改修・更新工事を進めるためのバックアップ設備として、計画段階から設置、運転、撤去まで支援します。
■会社概要
会社名:セイスイ工業株式会社
設立:1974年4月
代表取締役:井本 謙一
所在地:千葉県千葉市若葉区上泉町424-18 ちばリサーチパーク内
事業内容:
-
排水、汚泥処理のプランニング
-
排水、汚泥処理プラントのレンタル
-
デカンタ型遠心分離機のレンタル
-
各種水処理機器のレンタル
-
【NETIS】土木泥水再利用システム(震災対応)
-
【NETIS】汚染土壌分級システム(震災対応)
-
株式会社IHI ビジネスパートナー
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- 電気・ガス・資源・エネルギー環境・エコ・リサイクル
- ダウンロード
