2016年春の花粉飛散予測(第1報)~花粉の飛散数は、前シーズン並みか上回る地域も~
一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:繩野 克彦)は、2015年10月7日(水)に全国・都道府県別の2016年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第1報)を前シーズン比、例年比に分けて発表します。また、詳細な情報を、「2016年春の花粉総飛散数 予測資料」として販売します。
本予測は、今夏の気象条件などを基に作成しました。今後、花芽調査などのデータを加え、内容を更新していく予定です。
【2016年春の花粉飛散予測のポイント(2015.10.7発表)】
●前シーズン比
・上回る地域:東海地方、近畿地方、四国地方、九州地方
・前シーズン並みの地域:関東甲信地方、中国地方
・下回る地域:北海道、東北地方、北陸地方
※前シーズン:2015年
●例年比
・例年並みか上回る地域:東北地方
・例年並みか下回る地域:東北地方以外
※例年:2006~2015年の平均値
1.全国の概況
(1)概要
前シーズン比 :花粉飛散数は前シーズン並みか上回る地域が多い
例年比 :東北地方を除き全国的に例年並みか少ない地域が多い
前シーズンは、2015年春のスギおよびヒノキの花粉(北海道はシラカバ)の総飛散数が西日本を中心に少なく、東北地方では多くなりました。
2016年春の花粉飛散予測は、四国地方と九州地方では前シーズン比で約1.5倍の飛散数となる見込みです。また東海地方、近畿地方でも前シーズンより花粉がやや多く飛ぶ予測となっています。関東地方や中国地方ではほぼ前シーズン並みで、北海道や東北地方、北陸地方ではやや少ない見込みです。
一方、例年比でみると、東北地方が例年並み以上の飛散で、そのほかの地域では例年並みか下回る見込みです。
花粉の飛散数は夏の気象条件が大きく影響し、気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数は多くなるといわれています。
2015年の夏は、北・東日本と西日本で天候が分かれました。
<気温>
7月下旬から8月上旬にかけて、太平洋高気圧の張り出しが強まった東北地方、関東甲信地方で高くなりました。一方、前線や台風、南からの湿った空気の影響を受けやすかった近畿地方から西のエリアでは低く、西日本は2年連続の冷夏となりました。気温の高い時期と低い時期があった北陸地方、東海地方では平年並みとなりました。
<日照時間>
北海道や東北地方、北陸地方、関東甲信地方はほぼ平年並みで、東海地方から西のエリアでは少なく、西日本太平洋側では特に少なくなりました。
<降水量>
北海道や東北地方、北陸地方は平年並みか少なく、そのほかの地域では平年並みか多く、西日本太平洋側ではかなり多くなりました。
(3)2016年春の花粉飛散予測
2016年は前シーズンと比べると、西日本では、ほとんどの地域で花粉飛散数が多くなるでしょう。東北地方では、やや少なくなる見込みです。
一方、例年と比べると東北地方では高温・多照・少雨などの花芽が多く形成される気象条件が揃うために花粉の飛散数は多くなる予測となっています。そのほかの地域では、花芽が形成される夏の気象条件が揃わず、花粉の飛散数は例年より少なく、非常に少ない地域もある見込みです。
なお、東京では前シーズン並み、前シーズン飛散数の少なかった大阪は、およそ2倍近くになる予想です。
【北海道】
■花粉種別
シラカバ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや少ない(80%)
・例年比(地方平均値)
非常に少ない(40%)
■2015年夏の気象
気温 :平年並
日照時間:平年並
降水量 :平年並
【東北】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや少ない(80%)
・例年比(地方平均値)
やや多い(120%)
■2015年夏の気象
気温 :高い
日照時間:平年並
降水量 :少ない
【関東甲信】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
前シーズン並 (100%)
・例年比(地方平均値)
やや少ない(80%)
■2015年夏の気象
気温 :高い
日照時間:平年並
降水量 :多い
【北陸】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや少ない(80%)
・例年比(地方平均値)
やや少ない(80%)
■2015年夏の気象
気温 :平年並
日照時間:平年並
降水量 :かなり少ない
【東海】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや多い(130%)
・例年比(地方平均値)
少ない(60%)
■2015年夏の気象
気温 :平年並
日照時間:少ない
降水量 :かなり多い
【近畿】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや多い(120%)
・例年比(地方平均値)
やや少ない(80%)
■2015年夏の気象
気温 :低い
日照時間:少ない
降水量 :かなり多い
【中国】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
前シーズン並(90%)
・例年比(地方平均値)
少ない(50%)
■2015年夏の気象
気温 :低い
日照時間:少ない
降水量 :平年並
【四国】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
多い(150%)
・例年比(地方平均値)
非常に少ない(40%)
■2015年夏の気象
気温 :低い
日照時間:かなり少ない
降水量 :かなり多い
【九州】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
多い(160%)
・例年比(地方平均値)
非常に少ない(40%)
■2015年夏の気象
気温 :低い
日照時間:かなり少ない
降水量 :かなり多い
※言葉の説明
【飛散数に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
前シーズン :2015年シーズン飛散数
例年 :過去10年(2006~2015年)の平均値
【2015年夏の気象に関する言葉の説明】
平年:1981~2010年の平均値
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日本気象協会は、1950年の設立以来、60年以上にわたり、広域予報にとどまらない、より生活に身近な都道府県単位の気象予報やピンポイントの気象予報を、各メディアや自社メディアを通して発表している民間の団体です。国内の民間事業者としては最大の規模で、全国に支社や支店、事業所があり、天気予報のエキスパートである気象予報士278名(2015年7月現在)が多面的に業務に関わり、気象予報の業務に関しては24時間365日体制で最新の情報を発信しております。
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本予測は、今夏の気象条件などを基に作成しました。今後、花芽調査などのデータを加え、内容を更新していく予定です。
【2016年春の花粉飛散予測のポイント(2015.10.7発表)】
●前シーズン比
・上回る地域:東海地方、近畿地方、四国地方、九州地方
・前シーズン並みの地域:関東甲信地方、中国地方
・下回る地域:北海道、東北地方、北陸地方
※前シーズン:2015年
●例年比
・例年並みか上回る地域:東北地方
・例年並みか下回る地域:東北地方以外
※例年:2006~2015年の平均値
1.全国の概況
(1)概要
前シーズン比 :花粉飛散数は前シーズン並みか上回る地域が多い
例年比 :東北地方を除き全国的に例年並みか少ない地域が多い
前シーズンは、2015年春のスギおよびヒノキの花粉(北海道はシラカバ)の総飛散数が西日本を中心に少なく、東北地方では多くなりました。
2016年春の花粉飛散予測は、四国地方と九州地方では前シーズン比で約1.5倍の飛散数となる見込みです。また東海地方、近畿地方でも前シーズンより花粉がやや多く飛ぶ予測となっています。関東地方や中国地方ではほぼ前シーズン並みで、北海道や東北地方、北陸地方ではやや少ない見込みです。
一方、例年比でみると、東北地方が例年並み以上の飛散で、そのほかの地域では例年並みか下回る見込みです。
(2)2015年夏の天候
花粉の飛散数は夏の気象条件が大きく影響し、気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数は多くなるといわれています。
2015年の夏は、北・東日本と西日本で天候が分かれました。
<気温>
7月下旬から8月上旬にかけて、太平洋高気圧の張り出しが強まった東北地方、関東甲信地方で高くなりました。一方、前線や台風、南からの湿った空気の影響を受けやすかった近畿地方から西のエリアでは低く、西日本は2年連続の冷夏となりました。気温の高い時期と低い時期があった北陸地方、東海地方では平年並みとなりました。
<日照時間>
北海道や東北地方、北陸地方、関東甲信地方はほぼ平年並みで、東海地方から西のエリアでは少なく、西日本太平洋側では特に少なくなりました。
<降水量>
北海道や東北地方、北陸地方は平年並みか少なく、そのほかの地域では平年並みか多く、西日本太平洋側ではかなり多くなりました。
(3)2016年春の花粉飛散予測
2016年は前シーズンと比べると、西日本では、ほとんどの地域で花粉飛散数が多くなるでしょう。東北地方では、やや少なくなる見込みです。
一方、例年と比べると東北地方では高温・多照・少雨などの花芽が多く形成される気象条件が揃うために花粉の飛散数は多くなる予測となっています。そのほかの地域では、花芽が形成される夏の気象条件が揃わず、花粉の飛散数は例年より少なく、非常に少ない地域もある見込みです。
なお、東京では前シーズン並み、前シーズン飛散数の少なかった大阪は、およそ2倍近くになる予想です。
2.地方の概況
【北海道】
■花粉種別
シラカバ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや少ない(80%)
・例年比(地方平均値)
非常に少ない(40%)
■2015年夏の気象
気温 :平年並
日照時間:平年並
降水量 :平年並
【東北】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや少ない(80%)
・例年比(地方平均値)
やや多い(120%)
■2015年夏の気象
気温 :高い
日照時間:平年並
降水量 :少ない
【関東甲信】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
前シーズン並 (100%)
・例年比(地方平均値)
やや少ない(80%)
■2015年夏の気象
気温 :高い
日照時間:平年並
降水量 :多い
【北陸】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや少ない(80%)
・例年比(地方平均値)
やや少ない(80%)
■2015年夏の気象
気温 :平年並
日照時間:平年並
降水量 :かなり少ない
【東海】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや多い(130%)
・例年比(地方平均値)
少ない(60%)
■2015年夏の気象
気温 :平年並
日照時間:少ない
降水量 :かなり多い
【近畿】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
やや多い(120%)
・例年比(地方平均値)
やや少ない(80%)
■2015年夏の気象
気温 :低い
日照時間:少ない
降水量 :かなり多い
【中国】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
前シーズン並(90%)
・例年比(地方平均値)
少ない(50%)
■2015年夏の気象
気温 :低い
日照時間:少ない
降水量 :平年並
【四国】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
多い(150%)
・例年比(地方平均値)
非常に少ない(40%)
■2015年夏の気象
気温 :低い
日照時間:かなり少ない
降水量 :かなり多い
【九州】
■花粉種別
スギ、ヒノキ
■飛散数
・前シーズン比(地方平均値)
多い(160%)
・例年比(地方平均値)
非常に少ない(40%)
■2015年夏の気象
気温 :低い
日照時間:かなり少ない
降水量 :かなり多い
※言葉の説明
【飛散数に関する言葉の説明】
非常に多い :前シーズン (例年)の200%以上
多い :前シーズン (例年)の150%以上200%未満
やや多い :前シーズン (例年)の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン (例年)の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン (例年)の70%以上90%未満
少ない :前シーズン (例年)の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン (例年)の50%未満
前シーズン :2015年シーズン飛散数
例年 :過去10年(2006~2015年)の平均値
【2015年夏の気象に関する言葉の説明】
平年:1981~2010年の平均値
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日本気象協会は、1950年の設立以来、60年以上にわたり、広域予報にとどまらない、より生活に身近な都道府県単位の気象予報やピンポイントの気象予報を、各メディアや自社メディアを通して発表している民間の団体です。国内の民間事業者としては最大の規模で、全国に支社や支店、事業所があり、天気予報のエキスパートである気象予報士278名(2015年7月現在)が多面的に業務に関わり、気象予報の業務に関しては24時間365日体制で最新の情報を発信しております。
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