真正極楽寺・奈良国立博物館・凸版印刷、繡仏の微細な質感を再現
真正極楽寺が所蔵する「刺繡當麻曼荼羅」の刺繡糸の微細な凹凸までデジタル化し、光源の変化で表情がかわる繡仏の美しさをVRアプリで公開
■ 真正極楽寺が所蔵する「刺繡當麻曼荼羅」のデジタルアーカイブについて
・日本最大級の繡仏を高精細デジタル撮影
日本最大級となる4.12m×3.99mの「刺繡當麻曼荼羅」を真正極楽寺の本堂にかけ、凸版印刷の高精細デジタルアーカイブ技術を用いて、約38億画素におよぶ高精細かつ映像規格BT.2020(※1)の色域基準に準拠した広色域なデジタル画像を取得。繡仏を描く刺繡糸の1本1本まで鑑賞可能にしました。
・刺繡糸の微細な凹凸の質感を取得
「刺繡當麻曼荼羅」に対して照明方向を変えて複数の写真を撮影し、その得られた画像から入射光と反射光の方向・強度の関係を解析することで、対象物の微細な凹凸などといった質感特性をデータ化しました。この質感データを活用することにより、自由な照明位置から照らされた刺繡の見え方をCGで再現できます。
■繡仏の複雑な質感を再現した VRコンテンツ『刺繡當麻曼荼羅』
タブレット端末用VRコンテンツ『刺繡當麻曼荼羅』は、取得したデジタルアーカイブデータを活用し、光源の変化によって表情がかわる刺繡糸の光沢感を再現。光のあたり方で刺糸一本一本の輝きが変わる芸術性の高い繡仏を、タブレットを操作することによって間近で鑑賞できます。保存上の観点などから公開日数が制限されている貴重な文化財の新しい鑑賞手法です。
■修理完成記念特別展「糸のみほとけ-国宝綴織當麻曼荼羅と繡仏-」について
場 所 | 奈良国立博物館 特別展会場内 |
上映日時 | 2018年7月14日(土)~8月26日(日) 午前9時30分~午後6時(入館は閉館30分前まで) 毎週金・土曜日と8月5日(日)から15日(水)は午後7時まで 休館日 毎週月曜日※7月16日・8月13日は開館 |
観覧料金 | 一般1,500円/高大生1,000円/小中生500円 |
■ 真正極楽寺について
真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)は、比叡山延暦寺を本山とする天台宗のお寺で、真正極楽寺という名前は「極楽寺という寺は多いけれど、こここそが正真正銘の極楽の寺である」という意味です。一般には「真如堂」と呼ばれていますが、それはもともと本堂の呼び名でした。今から、約1千年前の永観2年(984)、比叡山の戒算上人が、比叡山常行堂のご本尊阿弥陀如来(慈覚大師作)を東三條院(藤原詮子。円融天皇の女御・一條天皇の御母)の離宮があった現在の地に移して安置したのが始まりです。
■ 凸版印刷のデジタルアーカイブへの取り組み
凸版印刷は人類のかけがえのない資産である文化財の姿を後世へ継承するため文化財のデジタルアーカイブに取り組んでいます。印刷テクノロジーでこれまで培ってきた高精細デジタル撮影、色彩計測に加え、立体形状計測といった技術を背景に、文化財専用の大型オルソスキャナーなど独自の装置開発も推進しています。これまでに国宝「鑑真和上坐像」(唐招提寺所蔵)、国宝「檜図屛風」(東京国立博物館所蔵)など、国内外の数々の貴重な文化財のデジタルアーカイブに取り組んでいます。
さらに、国宝「洛中洛外図屛風」(東京国立博物館所蔵)や重要文化財「東征伝絵巻」(唐招提寺所蔵)など文化財の高品位複製やVR作品の製作など、デジタルアーカイブデータのさまざまな表現手法の開発を推進しています。
URL: http://www.toppan-vr.jp/bunka/
※1 BT.2020
4K・8K解像度の超高精細画質テレビ(UHDTV)が満たすべき仕様についての国際規格。自然界に存在する物体色の99.9%を再現する色域基準。
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以 上
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