4社連合 国内用レンタルパレットを用いた荷主間の輸出入マッチング
~国内パレット循環利用スキームを国際物流に拡大適用、9月より日中間で開始2024年問題・CO2排出の課題解決へ~
株式会社ファイントゥデイ(本社:東京都港区、代表取締役 社長 兼 CEO:小森哲郎、以下「ファイントゥデイ」)、ケンビューの日本法人であるJNTLコンシューマーヘルス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役ヴァイスプレジデント:川村真樹、以下「ケンビュー」)、丸紅ロジスティクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:五島洋一郎、以下「丸紅ロジスティクス」)、日本パレットレンタル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:二村篤志、以下「JPR」)は4社協働で、製品の物流において荷役、輸送、保管等に使用する国内用レンタルパレットを用いた、2荷主の日本・中国間の輸出入マッチングを行い、当該国内用レンタルパレットを海外でも循環利用する「パレットラウンドユース」を開始します。7月から試行運用を行い、安定的なオペレーションを継続できる目途が立ったため、9月より本格運用へ移行します。
日本国内では製品メーカー・卸売・小売など業態を超えたレンタルパレットの循環利用スキームが確立されています。本件は海外との輸出入において、海外用パレットへの製品積み替えを行わずに国内用のレンタルパレットを循環利用するスキームであり、当該国内用パレットを介して2荷主間の製品輸出入をマッチングさせた、効率的な国際物流に資するものです。
また2024年問題の解決への貢献として、ファイントゥデイの中国輸出時における海外用パレットへの製品積み替え作業が不要となり、最大5,000時間*1のトラックドライバーの荷待ち時間削減につながる可能性があります。さらにこの4社連合の取り組みによって、ファイントゥデイにおける海外用使い捨てパレットの廃棄取り止め、およびケンビューにおける日本への輸出のための空パレット事前輸送の解消を実現し、CO2排出量の削減にも貢献します。
今後は中国以外の他国間においても本件パレットラウンドユーススキームを拡大し、また商材・物量・輸送エリア等の親和性が高い企業の参画を呼びかけ連合化する等の、パレットによる企業・業界をまたいだ、さらなるサプライチェーン最適化を実現してまいります。
■本件仕組み
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ヘアケアブランド「TSUBAKI」等を扱う日用品メーカーのファイントゥデイが中国へ製品を輸出する際、日本国内の物流で使用しているJPRのレンタルパレットに積載し海上輸送します。
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中国にてファイントゥデイ製品の荷降ろし後、空パレットは新設したJPRデポ(丸紅ロジスティクス現地法人が運営)に一時保管されます。そしてリステリン®等を扱うコンシューマーヘルスメーカーのケンビューが日本へ製品を輸入する際、その需要に応じてJPRデポからパレットが都度供給され、製品積載の上日本へ海上輸送します。
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日本への輸入後、ケンビュー製品はJPRのレンタルパレットに積載されたままの状態で各得意先向けに出荷されます。
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各得意先での荷降ろし後、空になったパレットは再び日本国内および中国との輸出入時に循環利用されます。
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ファイントゥデイ製品の中国への輸出、ケンビュー製品の日本への輸入における各種物流手配は丸紅ロジスティクスが主に担います。
【国内用レンタルパレットの日中間ラウンドユース概要図】
■本件特徴、および取り組みに至る社会的背景
本件特徴は、国内で最も流通枚数の多い*2 JPRの国内用レンタルパレットの循環利用を、4社連合で海外にも拡大適用するという新規性にあります。
JPRレンタルパレットは、国内の主要卸売業・小売業物流センターへの製品輸送に使用された後、空パレットの回収をJPRがまとめて行う共同回収システムで運用されています。今般の取り組みでは、ケンビュー製品の日本への輸入時にJPRの国内用レンタルパレットを用い、当該パレットは国内の共同回収システムにシームレスにつながり、積み替え作業を行うことなく得意先向けの出荷に使用されます。このため空パレットの事前回送が解消されます。またファイントゥデイ製品の輸出時も、国内用レンタルパレットに積載したまま海上輸送します。
従来、ファイントゥデイにおいては、海外輸出品は完成品倉庫にて輸出用の使い捨てパレットに積み替える作業、およびこれに伴う荷崩れ防止のためのフィルムの巻き直し作業を行っていました。
当該作業には1パレットあたり最大5分程度を要し、年間約60,000枚分の作業時間が、港へ輸送するトラックへの荷待ちにつながる可能性があることから、トラックドライバーの時間拘束という2024年問題の観点で課題がありました。加えて、輸出用の使い捨てパレットは輸出先現地で廃棄処分しており、環境負荷低減の対策が急務でした。
またケンビューにおいては、製品を日本へ輸入するため、空の国内用レンタルパレットを事前に日本から中国現地へ海上輸送していました。これは輸送コスト面に加えCO2排出面でも課題がありました。
国際物流におけるパレットの効率的活用については、政府公表の「総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)」においても、環境への負荷低減等につながるリターナブル物流容器の普及促進が唱えられています*3。かかる背景のもと、4社協働による、2荷主間の輸出入をマッチングさせた効率的なパレット循環利用という新規取り組みに至りました。
■期待する効果
本件は、国内用レンタルパレットを介して2荷主間の製品輸出入をマッチングさせた、効率的な国際物流に資するもので、個社では成しえなかった効果の実現を目指すものです。
また2024年問題の解決への貢献として、ファイントゥデイの中国輸出時における年間約60,000枚分の海外用使い捨てパレットへの製品積み替え作業が不要となり、最大5,000時間*1のトラックドライバーの荷待ち時間削減につながる可能性があります。さらにこの4社連合の取り組みによって、ファイントゥデイの輸出用使い捨てパレットの廃棄取り止め、およびケンビューの空パレット事前輸送解消を実現し、CO2排出量の削減にも貢献します。
■今後の展望
今後は中国以外の他国間においても本件パレットラウンドユースのスキームを拡大し、また商材・物量・輸送エリア等の親和性が高い企業の参画を呼びかけ連合化する等の、パレットによる企業・業界をまたいだ、さらなるサプライチェーン最適化を実現してまいります。
■各社コメント
ファイントゥデイ:
ファイントゥデイは、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」というパーパス(わたしたちの存在意義)のもと、創業以来、事業運営とESGの推進を両輪とした経営を追求しています。その中でも、気候変動問題への対応は重要な経営課題の一つとして位置付けており、本件スキームは、環境負荷低減と、より効率的な物流による収益性向上を両立するものです。
当社は今後も、サステナビリティに資する様々な取り組みを推進することで社会課題の解決に貢献し、持続的な企業価値の向上を実現してまいります。
<関連URL>サステナビリティへの取り組み:https://www.finetoday.com/jp/sustainability/
ケンビュー:
ケンビューの環境・社会・ガバナンス(ESG)戦略であるHealthy Lives Missionは、人と地球のウェルビーイングを追求することを目的としています。このミッションにおいて、気候変動問題への対応は、当社が生み出す影響を管理し、地球の健康と資源を守るために、重点的に取り組んでいる9つの優先課題のひとつです。この分野における目標とコミットメントには、温室効果ガス排出量の削減や、事業およびバリューチェーン全体における再生可能エネルギーの利用拡大が含まれます。
<関連URL> https://www.kenvue.com/ja-jp/our-commitments/enrich-a-healthy-planet
丸紅ロジスティクス:
物流業界を取り巻く環境変化(2024年問題、人手不足、脱炭素、コスト上昇)に対応すべく、物流の共同化に取り組んでおります。荷主様個社では難しい複数荷主様とのマッチング、シェアリングを物流事業者として実現し、持続可能なサプライチェーンを提供してまいります。
<関連URL>https://www.marubeni-logi.com/
日本パレットレンタル:
日本では物流2024年問題への対応にあたり、国際間輸送でもレンタルパレットをご利用いただく企業様が増えています。
今回の取り組みは、日中の両国間でそれぞれ発荷主となる企業様が同じレンタルパレットを利用し、国際間でレンタルパレットの循環を二社間で実現した画期的なケースになります。
これにより空パレットの輸送量が削減され、環境負荷の低減(CO2排出量削減)に貢献できます。また、輸出入時のパレットの積替えが不要になることで物流現場の作業負荷軽減、車両待機時間の削減にも繋がります。当社は今後とも「モノの流れを最適化するサービスカンパニー」として社会に貢献してまいります。
<関連URL>https://www.jpr.co.jp
*1 国内用レンタルパレットから輸出用使い捨てパレットへの積み替え、およびこれに伴う荷崩れ防止のためのフィルムの巻き直し作業に、従来パレット1枚あたり最大5分程度を要しており、年間約60,000枚分の作業時間を算出したもの
*2 JPRのレンタルパレット保有枚数は約1,170万枚(2023年度末)であり、一般社団法人日本パレット協会「年度別レンタルパレット保有数量(枚)」に記載されたレンタルパレット総数約2,773万枚(2023年度 木製平パレット・プラスチック製平パレットの合計)に占める国内シェアは約42%
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