15億円調達のiCARE、生命保険領域/インシュアテックに新規参入
クラウド型健康管理システム Carely を開発・運営する iCARE (https://www.icare.jpn.com)は、Carely に蓄積する働くひとの健康データを活用して、インシュアランス(保険)とテクノロジー(技術)の融合であるインシュアテックに新規参入いたします。
新規参入の背景
日本では近年、健康増進型保険が注目を集めています。従来の保険は、加入時の健康状態に応じて保険料が決まる仕組みとなっていますが、健康増進型保険では加入後に健康に関する一定の基準をクリアすることで、保険料が割り引かれたり、払い戻される新しい仕組みです。この保険は、健康診断などの結果を活用して、個人の総合的な健康状態を年齢で表した「健康年齢」という指標を中心に設計されています。
そして社会的にも、健康意識が高まっています。内閣府が発表した『国民生活に関する世論調査2019 年』(https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-life/2-1.html)によると、対象数10,000名のうち、「悩みや不安を感じている」と答えた人が3,469人、そのうち「老後の生活設計についての悩みや不安」を挙げた人の割合が56.7%、「自分の健康についての悩みや不安」を挙げた人の割合が54.2%、「家族の健康についての悩みや不安」を挙げた人の割合が42.4%という結果でした。2020年に発生したコロナ禍においては、これらの悩みや不安がさらに増幅していると予想されます。
また、政府も健康増進に向けた対策を進めています。生活習慣病該当者やその予備軍を選定する特定健康診査の実施、および特定保健指導の実施が義務付けられた健康増進法は、今年4月に改正され、望まない受動喫煙の防止対策が強化されています。経済産業省では、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を公表する健康経営顕彰制度を2015年からスタートさせています。
こうした中で生まれた健康増進型保険ですが、2020年2月掲載の一般社団法人JA共済総合研究所『健康増進型保険の動向 −2018年10月以降−』(https://www.jkri.or.jp/PDF/2020/Rep167kumazawa.pdf)によると、健康増進型保険によって生命保険会社の契約実績は芳しいわけではありません。健康増進や保険料の低減という明確なメリットがあり、社会的な注目も集まっているにもかかわらず、なぜこのような状況になっているのでしょうか?
健康増進型保険には、アドバンス(健康の促進)とエビデンス(健康である証拠)という2つの乗り越えるべき壁があります。健康増進のために運動や食事改善に取り組み続けるアドバンスの側面で苦労する人が多い一方で、それらの結果を可視化して管理し続けるエビデンスの側面についても、その面倒さゆえに継続を困難にさせます。
これからの健康増進型保険における課題は、アドバンスに取り組み続ける工夫が必要になる傍らで、被保険者の大半が感じる「めんどくさい」というエビデンスの壁を乗り越える仕組みが必要になります。
iCARE が解決できること
iCARE が提供する健康管理システム Carely は、労働安全衛生法によって企業に義務付けられている健康管理を効率化するクラウドサービスです。利用する企業は、健康診断・ストレスチェック・長時間労働管理といった健康管理を効率的に実施することができ、それらの結果もシステムの中で自動的に管理されることとなります。また、従業員は自分の健康状態をマイページからいつでも閲覧することができます。
iCARE が生命保険領域に参入するにあたり、Carely を活用する企業に属する従業員が、毎年行う法令遵守の結果を健康増進型保険のエビデンスとして、簡単に活用できるような仕組みを整備していきます。具体的には、自身が加入している健康増進型保険のエビデンスとして Carely に入力された健康データを自動的に活用できたり、該当する健康状態の集団を対象に適正な保険商品の勧誘をするセミナーを開催するといった内容です。
健康増進型保険は、契約者にとっては保険料負担の軽減、被保険者にとっては継続的に健康で居続けられることのインセンティブ、生命保険会社にとっては良質な被保険者の母集団の形成、これら3つが同時に達成される三方良しの保険です。
iCARE は今後、我々が持つ働くひとの活きた健康データを活用して、誰もが取り組みやすい新しいカタチの健康増進型保険を提供するインシュアテック事業を目指してまいります。
今後の構想
すでに複数の生命保険会社ともコンタクトを取り、代理店契約締結を進めながら、構想の実現に向けてスタートしております。
また、現在の健康増進型保険におけるエビデンスとして主流になっている健康診断結果のみならず、現代社会では無視できない精神疾患の予防機会となるストレスチェックや、勤務時のタイムリーな健康状態を示す労働時間などの結果も組み入れることで、現在の「健康年齢」よりさらに精度の高い指標を新たに策定することも視野に入れています。そして、その指標を中核に据えた保険商品の開発にもチャレンジしてまいります。
今後展開していく iCARE のインシュアテック事業に、ぜひご期待ください。
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【iCAREについて】
社 名 株式会社iCARE
所在地 東京都渋谷区円山町10番18号 マイキャッスル渋谷JP201
設 立 2011年6月
資本金 24億8,724万円(資本剰余金含む)
提供サービス 健康管理システム Carely
健康経営プラットフォーム Carely Place
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