第一園芸、コロナ禍における2020年の生花業界の変化をレポート
店頭では明るく元気な色合いの花が人気に/明るい花の代表「ヒマワリ」は取引単価が約10%上昇
花と緑に関する事業を展開する第一園芸株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:伊藤昇、三井不動産グループ)は、コロナ禍における2020年の生花業界の変化をまとめました。引きこもり需要で好調だった「育てることができる鉢花」ではなく、「切り花」にフォーカスを当てていきます。
【本資料のポイント】 ■イベント中止の影響で花の需要は激減。特に、3月~5月の取扱数量は過去3年平均に比べ約3,300万本減少、取り扱い金額も約41億円減少。 ■しかし、生産者のリスク回避で流通量が増えたヒマワリは、前年同時期と比べ取引単価が約10%上昇。 ■店頭でも、「くすんだシックな色合い」の花の人気から、「明るく元気な色合い」の花に人気がシフト。 ■ロスフラワーを活用し生産者を支え、かつ、消費者の日常に癒しを与える取り組みを官民が展開。 |
■コロナ禍が花業界に与えた影響
日本の花業界は物日、いわゆるイベントで成り立っています。新型コロナウイルスの感染拡大が加速した3月の卒業式・送別会シーズンをはじめ、結婚式やお別れ会など、年間を通して花を消費する機会が大量に奪われました。特に、3月~5月の取扱数量は過去3年平均に比べ約3,300万本減少、取り扱い金額も約41億円減少となり、結婚式や大切な方を見送るためのお別れ会で供えられる純白の花たちの多くは行き場を失ってしまいました(農林水産省「花きの現状について」2020年11月)。
これらの花は、毎年花屋が確実に購入するため、当日のセリ購入ではなく事前の予約販売で入手することが多く、これまで生産者は比較的高額で販売することができました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で数々のイベントがキャンセルになったことで、生産者がイベント時期を狙って咲かせた花は長期保存ができず、需要がなければ捨てるしかありませんでした。
■生産者のリスク回避が生んだヒマワリ人気 取引単価は前の年と比べ約10%上昇
このような状況から、リスクを避け、種まきから収穫までの回収が早い草花系にシフトする生産者も多くいました。バラのように、高価で売れるものの花を咲かせるのに時間がかかる花は、せっかく咲かせても売れないリスクがあるため敬遠されるようになり、種まきから最短45日で開花するヒマワリなど、回収が早くスタンダードな花を生産者が多く出荷されました。その結果、一般的にも認知があり、明るい花の代表のようなヒマワリが市場での流通を伸ばし、全体的に生花の相場は落ちる中、ヒマワリは昨年並みに需要があり、取引単価も昨年同時期と比べ約10%上がりました。
■第一園芸 生花仕入担当 山下 瞬
明るい色合いの花は店頭でも人気に
コロナ前の店頭では、グレーがかったくすんだシックな色合いで、乾いた質感の花が人気でしたが、コロナ後は、ヒマワリに代表されるような明るい色合いのみずみずしい花も人気となりました。「早く出荷でき、かつ、売れ筋である明るい色合いの草花を育てたい」という生産者の事情もさることながら、明るくフレッシュな花を見て「不安を払拭したい」という、コロナ禍を生きる消費者の潜在意識にマッチしたからだと私たちは考えています。
■花の需要拡大に向けた取り組み
コロナ禍で大量のロスフラワーが生まれたことから、生産者を支えるために、官民問わず花の需要拡大に向けて様々な取り組みを行ってきました。イベントに向けた花の需要回復にはまだ時間がかかりそうですが、第一園芸では、この機会に日常的に花を楽しむ習慣を広め、コロナ禍での不安な気持ちを花で癒せるよう、今後も様々な取り組みを進めていきます。
■第一園芸の取り組み
【フラワー エール プロジェクト】
ブライダル需要の激減によるフラワーロスが問題となっている今、花農家の応援、そして地域貢献への一助となることを願って三井不動産グループで連携し合い、ロスフラワーを使ってホテルをデコレーションするほか、個人でもロスフラワーを購入できるプロジェクト。
https://corp.gardenhotels.co.jp/campaign/flower-yell/
【『life with flower』プロジェクト】
オフィスに小さな花畑が出現。出勤時、好きな花をピックアップして仕事中はデスクに飾って癒される。コロナ禍で在宅ワークが増える中でも業務の都合上、出社しなければならないワーカーの業務時間や空間の質を向上させることで「オフィスの価値」を感じてもらい、出社するメリットを創出することを目的としたテストイベント。
https://www.daiichi-engei.jp/news/20201203-2/
■第一園芸株式会社 概要
所在地:東京都品川区勝島1丁目5番21号 三井物産グローバルロジスティクス勝島20号館
代表者:代表取締役社長 伊藤昇
創業:1898年(設立1951年)
資本金:4億8千万円
株主:三井不動産株式会社(100%)
URL: https://www.daiichi-engei.jp/
■三井不動産グループのSDGsへの貢献について
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。
※なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における2つの目標に貢献しています。
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/
目標12 つくる責任 つかう責任
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
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