「iPS細胞で難病の子どもたちを救いたい」 1型糖尿病患者・家族支援のNPO法人から4大学へ合計2,000万円の助成
2月24日(木) 贈呈式・記者発表開催
全国の1型糖尿病患者・家族を支援する認定NPO法人日本IDDMネットワーク(理事長 井上龍夫、本部 佐賀市)は2022年2月24日(木)に東京大学 医科学研究所、京都大学iPS細胞研究所、大阪大学大学院医学系研究科、東京工業大学の「iPS細胞による「1型糖尿病の根治」につながる研究課題」4件に対し研究助成金贈呈式ならびに記者発表を開催いたします。
本研究資金の財源は、佐賀県庁への日本IDDMネットワーク指定ふるさと納税です。2021年2月12日~2021年7月31日にかけてクラウドファンディングを実施し、741名の方々から2,000万円を超える寄付をいただきました。
ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング
「iPS細胞で難病の子どもたちを救いたい~毎日の注射から解放するために~」
https://www.furusato-tax.jp/gcf/1176
当日は、オンラインで各出席者をつなぎ贈呈式を開催いたします。取材・報道各社におかれましては、オンラインによる質疑応答等に対応いたしますので、ぜひご出席いただきますようお願い申し上げます。
以下4件の研究に助成を行います。
〇研究課題名:
ヒトiPSC膵島オルガノイド大量製造工程の構築に向けた膵前駆細胞増幅法の確立
○研究代表者: 谷口 英樹(たにぐち ひでき) 東京大学 医科学研究所 幹細胞治療研究センター 教授
○助成額:700万円
【助成研究の内容】
ヒトiPS細胞からヒト膵β細胞の分化誘導技術は複数のグループが研究を進めていますが、機能的なヒト膵β細胞の「大量製造」は達成されていません。その理由として、膵内分泌前駆細胞(α細胞やβ細胞などの内分泌前駆細胞=ホルモンを分泌する細胞になる前の細胞)からヒト膵β細胞に分化する過程で増殖性が顕著に低下することが挙げられます。本研究では、膵内分泌前駆細胞の細胞増殖を活性化する技術を開発して膵β細胞の「大量製造」技術を確立し、ヒト膵島オルガノイド(血管構造を有する立体的なミニ臓器)を用いた臨床研究の実用化を目指します。
〇研究課題名:
異種動物胎仔の体内環境を用いたヒトiPS細胞からの膵臓の作製
○研究代表者: 長船 健二(おさふね けんじ)京都大学iPS細胞研究所 教授
○助成額:600万円
【助成研究の内容】
1型糖尿病に対する根治療法である膵臓移植におけるドナー臓器不足の問題解決のための研究です。
遺伝子を改良して膵臓を形成できないようにした動物の胎仔の本来膵臓が形成される部位に、ヒトiPS細胞から作製した胎児期の膵細胞を移植し、動物の体内でヒトiPS細胞から膵臓を作製する技術の確立を目指します。
〇研究課題名:
代謝特性を利用した新規膵臓β細胞分化方法の開発
○研究代表者: 白木 伸明 (しらき のぶあき)東京工業大学 生命理工学院 准教授
○助成額:500万円
【助成研究の内容】
膵β細胞は6段階を経てiPS細胞から作成されますが、各ステップごとに最適な細胞分化培養液が必要です。最近になり、細胞ごとにアミノ酸やミネラルなど培養液中の栄養素の使い方(代謝特性)が違うことが分かってきました。
そこで本研究では、iPS細胞からβ細胞を作成する際に経由する細胞ごとの栄養素の利用の違いを正確に把握することでその違いを利用したカスタム培養液を開発し、目的の細胞が必要とする栄養素を過不足なく供給します。このことによりインスリンを分泌する能力のさらに高い膵β細胞を高純度で作成することを目指します。
〇研究課題名:
ヒトiPS細胞を用いた膵β細胞分化における脂肪酸代謝の重要性解明と1型糖尿病再生医療への応用
○研究代表者: 佐々木 周伍(ささき しゅうご) 大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学糖尿病病態医療学 特任研究員
○助成額:200万円
【助成研究の内容】
iPS細胞やES細胞から膵β細胞を作製する際、最新の方法を用いても半分の細胞はきちんとβ細胞になりません。マウスを用いた研究で、脂肪酸がβ細胞の誕生・成熟にあたり重要である可能性を発見した本研究では、ヒトiPS細胞を用いて、膵β細胞の誕生・成熟に脂肪酸が重要であるかを詳細に解明します。さらに、その知見に基づいてiPS細胞から効率よくβ細胞を作製する方法を見つけ、安全で有効な新しい治療法を確立します。
関連:【助成総額2000万円】ふるさと納税で託されたご寄付を財源に、iPS細胞による「1型糖尿病の根治」につながる研究課題を募集
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000038819.html
【1型糖尿病とは】
原因不明で突然、小児期に多く発症し、現在の医学水準では発症すると生涯に渡って毎日4~5回の注射又はポンプによるインスリン補充がないと数日で死に至る難病。一般に糖尿病として認知され、糖尿病患者の大半を占める2型糖尿病に対し、国内での患者数は約10〜14万人、年間発症率は10万人当たり2人程度と希少な病であるため患者と家族の精神的、経済的負担は大きい。
【日本IDDMネットワークとは】
日本IDDMネットワークは、インスリン補充が必須な患者とその家族一人ひとりが希望を持って生きられる社会を実現することを目指しています。その当面のゴールは、1型糖尿病を「治らない」病気から「治る」病気にすることですが、究極の目標は“1型糖尿病の根絶(=治療+根絶+予防)”です。
日本IDDMネットワークでは、2005年の1型糖尿病研究基金設立後、これまで107件、5億3250万円
(本研究助成を含む)の研究費助成を行っています。
当基金は、患者・家族自らが「不治の病を治る病にする」、「不可能を可能にする」挑戦に賛同いただいた方々からの当法人への直接の寄付並びに“佐賀県庁への「日本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税”など、日本全国の方々からのご支援で成り立っています。
ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング
「iPS細胞で難病の子どもたちを救いたい~毎日の注射から解放するために~」
https://www.furusato-tax.jp/gcf/1176
当日は、オンラインで各出席者をつなぎ贈呈式を開催いたします。取材・報道各社におかれましては、オンラインによる質疑応答等に対応いたしますので、ぜひご出席いただきますようお願い申し上げます。
【iPS細胞による「1型糖尿病の根治につながる研究課題」4件への助成金贈呈式】 開催日時 2022年2月24日(木) 13:30~14:30 ・助成金の贈呈 ・研究概要の説明 ・報道機関を対象とした質疑応答 出席者 谷口 英樹(たにぐち ひでき) 東京大学 医科学研究所 幹細胞治療研究センター 教授 長船 健二(おさふね けんじ)京都大学iPS細胞研究所 教授 白木 伸明 (しらき のぶあき)東京工業大学 生命理工学院 准教授 佐々木 周伍(ささき しゅうご) 大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学糖尿病病態医療学 特任研究員 井上 龍夫(いのうえ たつお)認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク理事長 会場 オンライン(ZOOM ウェビナー) ※新型コロナウイルス感染予防のためオンラインで各出席者をつなぎ、助成金贈呈式を開催いたします。 取材・報道各社におかれましては、オンラインにて質疑応答等に対応いたしますので、ぜひご出席いただきますようお願い申し上げます。 ※事前登録が必要となりますので、下記【取材案内】よりお申込みをお願いします。 |
【助成研究について】
以下4件の研究に助成を行います。
〇研究課題名:
ヒトiPSC膵島オルガノイド大量製造工程の構築に向けた膵前駆細胞増幅法の確立
○研究代表者: 谷口 英樹(たにぐち ひでき) 東京大学 医科学研究所 幹細胞治療研究センター 教授
○助成額:700万円
【助成研究の内容】
ヒトiPS細胞からヒト膵β細胞の分化誘導技術は複数のグループが研究を進めていますが、機能的なヒト膵β細胞の「大量製造」は達成されていません。その理由として、膵内分泌前駆細胞(α細胞やβ細胞などの内分泌前駆細胞=ホルモンを分泌する細胞になる前の細胞)からヒト膵β細胞に分化する過程で増殖性が顕著に低下することが挙げられます。本研究では、膵内分泌前駆細胞の細胞増殖を活性化する技術を開発して膵β細胞の「大量製造」技術を確立し、ヒト膵島オルガノイド(血管構造を有する立体的なミニ臓器)を用いた臨床研究の実用化を目指します。
〇研究課題名:
異種動物胎仔の体内環境を用いたヒトiPS細胞からの膵臓の作製
○研究代表者: 長船 健二(おさふね けんじ)京都大学iPS細胞研究所 教授
○助成額:600万円
【助成研究の内容】
1型糖尿病に対する根治療法である膵臓移植におけるドナー臓器不足の問題解決のための研究です。
遺伝子を改良して膵臓を形成できないようにした動物の胎仔の本来膵臓が形成される部位に、ヒトiPS細胞から作製した胎児期の膵細胞を移植し、動物の体内でヒトiPS細胞から膵臓を作製する技術の確立を目指します。
〇研究課題名:
代謝特性を利用した新規膵臓β細胞分化方法の開発
○研究代表者: 白木 伸明 (しらき のぶあき)東京工業大学 生命理工学院 准教授
○助成額:500万円
【助成研究の内容】
膵β細胞は6段階を経てiPS細胞から作成されますが、各ステップごとに最適な細胞分化培養液が必要です。最近になり、細胞ごとにアミノ酸やミネラルなど培養液中の栄養素の使い方(代謝特性)が違うことが分かってきました。
そこで本研究では、iPS細胞からβ細胞を作成する際に経由する細胞ごとの栄養素の利用の違いを正確に把握することでその違いを利用したカスタム培養液を開発し、目的の細胞が必要とする栄養素を過不足なく供給します。このことによりインスリンを分泌する能力のさらに高い膵β細胞を高純度で作成することを目指します。
〇研究課題名:
ヒトiPS細胞を用いた膵β細胞分化における脂肪酸代謝の重要性解明と1型糖尿病再生医療への応用
○研究代表者: 佐々木 周伍(ささき しゅうご) 大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学糖尿病病態医療学 特任研究員
○助成額:200万円
【助成研究の内容】
iPS細胞やES細胞から膵β細胞を作製する際、最新の方法を用いても半分の細胞はきちんとβ細胞になりません。マウスを用いた研究で、脂肪酸がβ細胞の誕生・成熟にあたり重要である可能性を発見した本研究では、ヒトiPS細胞を用いて、膵β細胞の誕生・成熟に脂肪酸が重要であるかを詳細に解明します。さらに、その知見に基づいてiPS細胞から効率よくβ細胞を作製する方法を見つけ、安全で有効な新しい治療法を確立します。
関連:【助成総額2000万円】ふるさと納税で託されたご寄付を財源に、iPS細胞による「1型糖尿病の根治」につながる研究課題を募集
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000038819.html
【1型糖尿病とは】
原因不明で突然、小児期に多く発症し、現在の医学水準では発症すると生涯に渡って毎日4~5回の注射又はポンプによるインスリン補充がないと数日で死に至る難病。一般に糖尿病として認知され、糖尿病患者の大半を占める2型糖尿病に対し、国内での患者数は約10〜14万人、年間発症率は10万人当たり2人程度と希少な病であるため患者と家族の精神的、経済的負担は大きい。
【日本IDDMネットワークとは】
日本IDDMネットワークは、インスリン補充が必須な患者とその家族一人ひとりが希望を持って生きられる社会を実現することを目指しています。その当面のゴールは、1型糖尿病を「治らない」病気から「治る」病気にすることですが、究極の目標は“1型糖尿病の根絶(=治療+根絶+予防)”です。
日本IDDMネットワークでは、2005年の1型糖尿病研究基金設立後、これまで107件、5億3250万円
(本研究助成を含む)の研究費助成を行っています。
当基金は、患者・家族自らが「不治の病を治る病にする」、「不可能を可能にする」挑戦に賛同いただいた方々からの当法人への直接の寄付並びに“佐賀県庁への「日本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税”など、日本全国の方々からのご支援で成り立っています。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像