長崎大を中心とする国内初の「乳幼児の頭蓋変形」に関する大規模研究が2024年度科学研究費助成事業として採択、研究の更なる発展が期待されます
2023年5月に開始した「乳幼児の頭蓋変形に関する研究」が2024年度の科研費基盤研究(B)として採択、国からの助成を受け研究がさらに進展することが期待されます。
研究の概要
長崎大学を中心とする研究グループが五島の全ての出生児および在住児を対象とした乳幼児頭蓋変形に関する研究を行っています。約5年に渡る本研究の目的は、日本の乳幼児の頭の形状に関する実態を明らかにし、頭蓋変形の要因・影響・予後を解析し、乳幼児の発育支援に役立てることにあります。
<研究グループ>
●長崎大学(https://www.nagasaki-u.ac.jp/)
●長崎県五島中央病院(https://www.gotocyuoh-hospital.jp/)
●東京医療保健大学(https://www.thcu.ac.jp/)
●自治医科大学附属さいたま医療センター(https://www.jichi.ac.jp/center/)
●0歳からの頭のかたちクリニック(https://baby-helmet.com/)
●株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(https://japanmedicalcompany.co.jp/)
<研究開始時のプレスリリース>
https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/news/news3977.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000046445.html
研究内容
本研究は、乳幼児の各時期(4か月、1歳半、3歳)の頭の形について、2023年5月から約5年計画で調査を開始しています。五島での乳幼児の健康診査時に合わせて頭の3Dスキャン測定を行うことで、国内初の乳幼児の頭蓋形状に関する追跡調査が実現しました。
簡易なスクリーニングを実施するとともに、頭の形とゆがみの要因等について探索しています。
さらに、今回の研究は、世界で初めて日本人を対象とした頭蓋変形の実態を明らかにすることが期待されます。これまでの研究では、欧米人を対象としたものが多く、日本では頭蓋変形の疑いを養育者や医師が感じた場合にのみ頭の形の診察が行われてきたため、日本人の頭蓋変形の頻度や重症度に関する情報は不十分でした。
この研究で五島の出生児及び在住児を追跡調査することによって、日本人を対象とした頭蓋変形の頻度や重症度だけでなく、健康診査児に行われることから発達研究へも活かせる新たな知見が得られることが期待されます。
科研費採択に関し、長崎大学 教授 江藤宏美先生よりコメント
長崎大学 生命医科学域保健学系リプロダクティブヘルス分野教授 江藤宏美先生
<本研究の概要や意義など>
新生児・乳児の頭の形や頭囲発育は、その後の児の運動発達と密接な関係があり、重要な意味をもっています。その一方で新生児の頭蓋骨は柔らかく、出生前後から乳児期早期に頭蓋変形を引き起こすリスク要因があると考えられます。
また頭蓋変形は単なる整容上の問題ではなく、頭蓋縫合早期癒合症との鑑別が必要です。また、海外では、乳児の運動発達の障害との関連も指摘されています。しかし、日本では頭蓋変形は医療者の中でもあまり認知されておらず、位置的頭蓋変形は自然に治癒すると指導されることが多いのが現状です。
上記の前提を踏まえ、本研究は以下を目的としています。
①日本人を対象とした乳幼児の頭蓋変形(斜頭)の頻度を明らかにする。
②乳幼児の成長に伴う頭蓋変形(斜頭)率の推移について、コホート研究を行う。
③頭蓋変形予防の介入研究を行い、介入による頭蓋変形低減の効果について明らかにする。
今回の研究によって、日本の頭蓋変形の頻度を示すとともに、頭蓋変形に着目することによって頭蓋縫合早期癒合症の早期発見、位置的頭蓋変形の予防の必要性について提言したいと考えています。医療者が子どもの頭蓋変形に注視することの重要さと改善の必要性に気付くこと、また、子どもの頭蓋変形に悩むお母さまや保護者の方たちに変形改善の方策を示すことを目指して、研究室および五島プロジェクトメンバー一同が取り組んでいます。
<これまでの当社との共同研究の所感>
本邦におけるヘルメット治療のリーディングカンパニーであるジャパン・メディカル・カンパニーからの子どもの頭の形を正確に測定するための技術提供や、分析等の細やかなサポート、心より感謝しています。
また今回のプロジェクトメンバーであるジャパン・メディカル・カンパニーの鈴木さんの活躍が無ければ、新しい研究が立ち上がらなかったとチーム一同、改めて御礼申し上げたいと思います。
五島列島の雇用創出にもつながっている本共同研究。ジャパン・メディカル・カンパニーの「未来を創る」という志に共感するとともに、これからも、五島列島、長崎県、日本、そして世界の子どもたちのすこやかな未来のために、協働して進めていけることを光栄に思います。
当社プロジェクトメンバー 開発部 鈴木 友恵よりコメント
国内でのヘルメット治療で特に課題に感じていたのが、日本人における頭蓋変形についてのエビデンスが少ないこと、また医療従事者を含め子どもに関わる人の頭蓋変形に対する認知が低いことでした。
本研究は五島列島の福江島で、島内の多くの新生児のお産に立ち会われた助産の先生をはじめとする方々と、ご家族のご協力により、データを集めることができています。
本研究を通して、長崎大学の江藤先生をはじめとする研究メンバーの方々だけでなく、五島の温かい方々と関わることができています。また頭蓋健診の豊富な経験をもち、小児の発達研究に携わっておられる研究グループの先生方と協議を重ねながら、様々な切り口でのデータ解析を進めています。
長期間にわたる頭蓋変形の要因・影響・予後の調査が今後の日本国内における適正な頭蓋健診治療の礎となることを確信し、またその研究に携われることを誇りに思います。
・株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーについて
ジャパン・メディカル・カンパニーは、最先端の3Dプリンティング技術を用いて、医療のカタチを革新するものづくりベンチャー企業です。赤ちゃんの“頭のゆがみ“を矯正するヘルメット「Qurum (クルム)」「Aimet(アイメット)」の開発、製造、販売を行っております。
ヘルメットを用いた累計症例数は13,000症例(※注)以上の実績があり、ヘルメット治療のさらなる認知拡⼤を図るとともに、頭蓋形状矯正という概念そのものと疾病啓発の普及に取り組んでまいります。
※注:2024年3月 当社調べ
■社名:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー
■設⽴:2018年5⽉
■代表取締役CEO:⼤野秀晃
■事業内容:医療機器の開発・製造・販売、医療雑品の開発・製造・販売
■URL:https://japanmedicalcompany.co.jp
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーのプレスリリース⼀覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/46445
・赤ちゃんの頭のかたち相談室について
お子さまの頭のかたちに不安を感じている方のために、頭のかたちに関するしっかりとした情報を得られる場所、また少しでも頭のかたちに不安や違和感を感じたら気軽に相談できるお問い合わせ場所として、本サイトをオープン。年間5,000件(※注)の頭のかたちに関するご相談をいただいております。
■赤ちゃんの頭のかたち相談室公式サイト:https://babyhelmet.jp/
※注:2024年3月 当社調べ
・赤ちゃんの頭のかたち測定アプリについて
通常は赤ちゃんの頭のかたちの測定は医療機関にて専用の3Dスキャナーで行いますが、「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」を使った測定の結果は参考計測数値としても幅広くご活用いただけます。無料で使用できる「赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ」は、スマホで写真を撮るだけで赤ちゃんの頭のかたちを簡単に計測することができます。累計20万ダウンロード(※注)を超えアプリの精度も向上しており、医師の論文発表等にもアプリデータが使用されています。アプリは日本頭蓋健診治療研究会の理事を中心とする医師監修の下に開発されており、病院の診察の際にも役立つ事がございます。ぜひダウンロードしご活用ください。
※注:2024年3月 ジャパン・メディカル・カンパニー調べ
「赤ちゃんの頭のかたち測定」アプリ
【iOS版】
【Android版】
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.japanmedicalcompany.aimet&pli=1
※本アプリは医療機器ではなく、いかなる種類の代わりとなるものではありません。頭のゆがみに関する医学的な質問については、かかりつけの医師、または専門医にご相談ください。
・本リリースに関するお問い合わせ・ご質問はこちら
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー 社長室 柳本 瑞穂
TEL:03-5829-8342 / choice@japanmedicalcompany.co.jp
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