不登校生徒に「夜間中学」の選択肢を。NPOカタリバ、文科省の実証事業採択を受け不登校支援で夜間中学の活用を開始

認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都杉並区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)が取り組む不登校支援事業が、文部科学省が行う「夜間中学の設置促進・充実事業」に採択され、不登校生徒の支援に夜間中学を活用する実証事業を開始しましたのでお知らせします。この実証事業を通して、不登校の子どもたちへさらに多様な学びの選択肢を届けることを目指します。

■設置が推進される夜間中学。増加する不登校へ対応するための新たな選択肢に
 
 文部科学省による調査(*1)で、日本の小中学校における不登校の児童生徒をふくむ「長期欠席者」の数が約 41 万人(413,750 人、うち不登校児童生徒は約24万人)に上り、過去最多を更新したことが明らかになりました。一方で不登校の子どもたちをサポートする「教育支援センター」の設置は”努力義務”とされており、現状、全国の約 6 割の自治体にしか設置されていないなど公的支援が足りていない現状があります。
 
 その中で、文部科学省から不登校の子どもたちに対する支援策として夜間中学での受け入れも可能であるという通知(*2)が発信されました。夜間中学とは、元々第二次世界大戦後に生活のために働いていて義務教育を受けられなかった人のために設置されたもので、現在は何らかの理由で義務教育を受けていない人や、日本で義務教育を終了していない外国ルーツの方々が利用している、夜間に授業を行う学校のことです。
 
 前述の不登校児童生徒増加の状況下、長期的に不登校になっており一から学び直しが必要な子どもたちにとっては、少人数で手厚い学習サポートを受けながら学べること、また起立性調節障害の子どもたちなどにとっては学びの時間が適していることから、夜間中学は不登校支援において有効なのではないかと考えられています。香川県ではすでに夜間中学が不登校特例校に指定され不登校生徒の支援を行っている事例もあり、今後より一層活用が広がっていくことが期待されています。
 
 *1:文部科学省 令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
 https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf
 
 *2:文部科学省 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
 
 
 ■オフライン・オンライン両方で取り組んできた不登校支援。夜間中学の活用を開始し、さらなる選択肢を
 
 カタリバは2015年に島根県雲南市の教育支援センターで不登校の子どもたちへの支援事業をスタートしました。その後都内の放課後施設での支援や、オンラインを活用した不登校支援に取り組み、さまざまな事情で学校に行けない子どもたちへ、オフライン・オンラインの両輪で学びの場を届けてきました。
 
 そして今回、カタリバが取り組む不登校支援事業が、文部科学省が公募した「夜間中学の設置促進・充実事業」に採択され、足立区立第四中学校において夜間中学を活用した不登校支援の実証事業を開始します。この取り組みでは夜間中学に通う不登校の子どもたちに伴走すると共に、子どもたちを円滑に受け入れるための体制づくりを行います。不登校の子どもたちが一人ひとりにあった学びの場を選択できるように、これまで不登校支援事業で得たノウハウを活かして、夜間中学を活用した新たな学びの場を届けることを目指します。
 
 
 ■​取り組み内容の詳細 

<取り組み内容>

・カタリバが運営する居場所施設の中で夜間中学が適していると考えられる生徒や、教育委員会が紹介する生徒を夜間中学側に紹介
 ・夜間中学への登録など登校のための準備を支援
 ・紹介した生徒について個別支援計画コーディネーターが学びの計画を立てて該当生徒の学びに伴走
  

夜間中学で学ぶ生徒の様子夜間中学で学ぶ生徒の様子

現在約2名の生徒がこの取り組みを通じて夜間中学への登校を始めており、以下のような声もあがってきました。
 
 <夜間中学に通い始めた生徒のコメント>
 ・夜間中学に通う前はうまくやっていけるか不安でしたが、少人数なので先生に丁寧に勉強を教えてもらえて、問題が解けることで勉強が楽しいと思えるようになりました。
 ・学校に行けない中でも、学校には行った方がよいと思っていました。夜間中学は今の自分にとっては普通の中学校より行きやすく、学校に通えるようになってよかったです。
  


■認定特定非営利活動法人カタリバ
 
 どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。


<団体概要>
 設立   :2001年11月1日
 代表   :代表理事 今村久美
 本部所在地:東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F
 事業内容 : 高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(宮城県女川町・岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区・島根県雲南市)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区・全国)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
 URL   : https://www.katariba.or.jp/


  

■問い合わせ
 ・取材に関するお問合せ
 下記フォームへご入力ください。
 https://www.katariba.or.jp/report/
 (担当:カタリバ広報 山本)
 
 ・プログラムや夜間中学への応募に関するお問い合わせ
 以下アドレスにご連絡ください。
 a.base-staff@katariba.net
 (担当:夜間中学不登校支援事業 渡邊)
  

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会社概要

URL
https://www.katariba.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ203
電話番号
03-5327-5667
代表者名
今村久美
上場
未上場
資本金
-
設立
2001年11月