アークエッジ・スペース、JAXA「低軌道測位衛星システム(Dedicated LEO PNT)に関する要素技術及び関連するシステムの検討」の事業者として選定
~既存GNSSを補完する頑健な衛星測位システムの構築に係る検討を本格化~
超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用まで総合的なソリューション提供を行う株式会社アークエッジ・スペース(本社:東京都江東区、代表取締役 CEO:福代孝良、以下「アークエッジ・スペース」)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する「低軌道測位衛星システム(Dedicated LEO PNT)の要素技術及び関連するシステムの検討」の事業者として選定され、今般、2025年9月8日付で契約を締結し、本事業を開始しましたことをお知らせします。
低軌道測位衛星システム(以下「LEO PNT」※1)は、高度約20,000kmの軌道を周回する従来のGNSS(Global Navigation Satellite System)に比べて低い、高度500~1,200kmの低軌道を周回する小型衛星コンステレーションによって、高強度、高精度の測位情報をグローバルに提供することが期待されるシステムです。
※1 LEO:Low Earth Orbit、地球低軌道
PNT:Positioning(位置)、Navigation(航法)、Timing(時刻決定)
従来のGNSSは、地球表面に到達する信号強度の弱さから各種干渉の影響を受けやすく、特に近年はジャミング(妨害)やスプーフィング(欺瞞)等の脅威が顕在化してきています。LEO PNTの高強度の測位信号は、これを補完するものとして期待されています。
本事業は、昨年度実施したJAXA「低軌道測位衛星システム(LEO PNT)に関するFeasibility Study(その1)」(実施期間:2024年10月~2025年3月)に引き続き、GNSSとは独立に地上のユーザに対して「頑健な」位置・時刻情報(PNTサービス)を代替的に提供する低軌道測位衛星システムに関し、その要素技術及び関連するシステムについて検討を深めるものです。
本事業は特に、resilient GNSS-independent alternative PNT services(メインサービス)として、GNSSが妨害や干渉を受け利用できない場合でも継続的に運用可能な設計や、C1帯(5010-5030MHz)とC2-4帯(5030-5250MHz)を含むC帯、S帯、L帯の使用を含む「頑健な」LEO PNT信号の送信(測距信号及び航法メッセージ送信)を考慮することが特徴となっています。
■事業概要
名称:低軌道測位衛星システム(Dedicated LEO PNT)の要素技術及び関連するシステムの検討
目的:地上のユーザに対してGNSSとは独立に「頑健な」位置・時刻情報(PNTサービス)を代替的に提供する低軌道測位衛星システムの要素技術及び関連するシステムの検討を実施し、LEO PNTによる alternative PNT の基盤を獲得する。
事業内容:
・LEO PNTシステム(GNSS-independent)の要素技術の検討・整理
・LEO PNTシステム(GNSS-independent)の信号設計
・LEO PNTシステム(GNSS-independent)の信号受信技術の検討
・システム検討 他
事業期間:2025年9月~2026年3月
参考URL:https://stage.tksc.jaxa.jp/compe/zui/zuikaku/FY2025-0121.pdf
■低軌道測位衛星システム(LEO PNT)の主な特長
【高強度】
LEO PNTは、地表面からの高度が低い低軌道の衛星システムであるため、高強度の測位情報を配信可能です。信号の減衰や妨害に強いため、より確実な測位情報の利用が期待されます。

【高精度】
LEO PNTは、地球上の測位信号受信機から衛星を見た視線方向ベクトルの変化が大きいため、測位情報の収束時間が速く、高精度の測位が可能です。次世代の高度自動化社会(例:自動運転、自動農業等)に資する新たな測位サービスへの活用が期待されます。

【グローバル】
LEO PNTの衛星は、地球の低軌道を周回するように移動するため、新たな測位サービスをグロ
ーバルに展開することが可能です。MADOCA-PPPなど現在準天頂衛星に基づいているサービスの提供エリアの拡大も期待されています。

アークエッジ・スペースは、LEO PNTの高強度、高精度の測位情報が生み出すグローバルな 高度自動化社会の実現に向けた取り組みを推進し、より安全で豊かな未来の実現に貢献します。
■アークエッジ・スペースについて
アークエッジ・スペースは、超小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用まで総合的なソリューション提供を行う宇宙スタートアップ企業です。
“衛星を通じて、人々により安全で豊かな未来を”実現することを目指し、今後は地球観測、船舶向け衛星通信(衛星VDES)、光通信、低軌道衛星測位等に対応した超小型衛星コンステレーションの構築を実現するとともに、月面活動にむけた衛星インフラ構築や深宇宙探査など、多様なミッションニーズに対応する宇宙の開発利用を推進します。
本社所在地 :東京都江東区有明一丁目3番33号ドーム有明ヘッドクォーター3階
代表取締役CEO :福代 孝良(ふくよ たかよし)
設立 :2018年7月
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