物流センター全体のマテハンをフィジカルAIへ進化させる搬送計画最適化AIエンジン「LogiRiSM」を、HMAX Industryのラインアップとして提供開始

各種マテハン機器の状態をリアルタイムに把握・予測・制御し、仕分け業務の生産性を従来比で約4倍に向上

株式会社 日立製作所

「LogiRiSM」の概念図

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、物流センター全体のマテハン*1機器をフィジカルAI*2へ進化させる搬送計画最適化AIエンジン「LogiRiSM(ロジリズム)」を、HMAX Industryのラインアップとして本日より提供開始しました。

 「LogiRiSM」は、自動倉庫や中量棚*3、パレット、AGV*4などの複数のマテハン機器の状態をリアルタイムに把握・予測し、各機器をシームレスに連携させて仕分け業務を効率化する最適な搬送計画を自動立案します。WCS*5と連携し、従来比で約4倍*6の生産性向上を実現します。具体的には、在庫商品が入った棚やコンテナを作業者の元へ搬送する従来のGTP(Goods to Person)*7方式に加えて、注文ごとの集品箱をAGVなどの搬送機器に積載して作業者の元まで自動で届けるOTP(Order to Person)*8方式を組み合わせた搬送が可能なため、作業者の歩行やピッキング後の荷合わせ*9作業を削減します(本技術に関する特許取得済*10)。また、独自のAI最適化エンジンがオーダーの投入順序やAGVの搬送ルートをリアルタイムに制御することにより、設備と作業者の待機時間を最小化し、稼働率を最大化します。さらに、一つの棚から複数オーダー分の商品を連続して取り出す「トータルピッキング」を計画できるため、商品が運ばれてくる回数を減らすことが可能です。なお、OTP方式は据え付け型の設備を前提としないため、レイアウト変更が容易で、スモールスタートから大規模センターまで柔軟に適用できます。

 日立は、物流センターの設計から、ロボティクスSI、WCS、WMS*11に至るまで、プロダクト・OT・ITを横断した物流センター全体の構築・運用に関する豊富な実績と技術力を有しています。これらの現場で培ったドメインナレッジと先進AIを組み合わせて開発した「LogiRiSM」を、HMAX Industryのラインアップとして、主に小売業・流通業向けに展開し、自律的に判断して行動するフィジカルAIへの進化を加速させます。

 日立のコネクティブインダストリーズ(CI)セクターでは、プロダクトの豊富なインストールベース(デジタライズドアセット)のデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせた産業分野向け次世代ソリューション群「HMAX Industry」を、成長産業へ水平展開する「Integrated Industry Automation」に注力しています。Lumada 3.0*12を体現する「HMAX Industry」の提供を通じて、フロントラインワーカーの現場を革新します。

*1 マテハン(マテリアルハンドリング):物流業務における原材料や製品の「移動」「保管」「仕分け」などの取り扱い全般、およびそれを担う設備(フォークリフト、コンベア、自動倉庫など)のこと。

*2 フィジカルAI:現実世界を認識・理解し、自律的に判断して実際に行動する能力を備えたAI。安全性については、これまで通り WCS や設備側の仕組み(ガードレールの設置など)により確保される。

*3 中量棚:耐荷重が300kgから500kg程度のスチール製の棚で、主に工場や倉庫、オフィスで使用される。

*4 AGV(Automatic Guided Vehicle): 無人搬送車。磁気テープや二次元コードなどの誘導体、あるいは自律制御によって無人で走行し、荷物を搬送する産業用車両のこと。

*5 WCS(Warehouse Control System):倉庫内の自動化設備や搬送機器を統合的に管理・制御し、スムーズな物流オペレーションを実現するためのシステム。

*6従来方式(カートピッキング)の生産性を基準としたときのLogiRiSMの生産性(日立試算)。

*7 GTP(Goods to Person):「定点ピッキング」の一種。作業者が商品の保管棚まで取りに行くのではなく、自動搬送ロボットなどが商品を棚ごと作業者の元へ運んでくるピッキング方式。

*8 OTP(Order to Person):日立が推進するピッキング方式。商品ではなく、注文(オーダー)ごとの集品箱がAGVなどで作業者の元へ運ばれてくる仕組み。作業者は定点で商品を箱に入れるだけで集品が完了する。

*9 荷合わせ:複数の保管場所でピッキングされた商品を、最終的に一つの注文(オーダー)ごとに集約・梱包する作業のこと。

*10 特許に関する表記は、2026年3月時点の状態を示すものです。なお、関連技術について、複数の特許を出願中です。

*11 WMS(Warehouse Management System):倉庫内の在庫管理や入出庫管理、作業指示などを担うシステム。

*12 Lumada 3.0:日立のドメインナレッジで強化したAIを活用することにより、Lumadaを進化させたもの。Lumadaとは、お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。

 「LogiRiSM」の特長

1. AIによる最適な搬送計画により従来比で約4倍の生産性向上を実現

 以下の(1)(2)(3)により、人が歩行して集品するカートピッキングと比較して約4倍の生産性向上を実現します。

(1) 集品箱自体が作業者の元へ届くOTP方式の採用による歩行・荷合わせの削減

 在庫商品が入った棚やコンテナを作業者の元へ搬送する従来のGTP方式に加え、「LogiRiSM」ではAIによる最適化に基づき、注文ごとの集品箱をAGVなどの搬送機器に積載して作業者の元まで自動で届けるOTP方式を採用しました。 AGVが複数の保管設備に立ち寄る「マルチアクセスピック」を行うことで、作業者は歩行することなく、ピッキングが可能です。これにより、従来、ピッキング完了後に発生していた荷合わせ作業が不要となります。

(2) 搬送ルートのリアルタイム制御による作業者・設備の稼働率最大化

 日立独自のAI最適化エンジンにより、オーダーの投入順序やAGVの搬送ルートをリアルタイムに制御します。GTPとOTPのタイミングが同期するようにマテハン機器を自動制御させることにより、自動倉庫からの出庫タイミングとAGVの到着を最適化し、作業者の手待ち時間や設備の待機時間を最小化します。また、AGVの渋滞や作業の遅れが発生した場合でも、AIが自動的に計画を再計算し、空いているステーションへAGVを誘導するなど、状況に応じた最適なコントロールを行います。

(3) 「トータルピッキング」による作業効率の向上

 同一のSKU*13に対して複数のオーダーがある場合、作業者が一度の動作で複数オーダー分の商品を連続して取り出す「トータルピッキング」に対応しています。これにより、作業効率を向上するとともに、自動倉庫からの商品搬送回数を抑制できるため、自動倉庫規模の最小化や、低能力モデルの採用が可能となり、初期投資の低減にも寄与します。

2. 柔軟なレイアウトと拡張性

 コンベアなどの固定設備への依存度を下げ、AGV主体の搬送とすることで、自由度の高いレイアウトが可能です。商品の特性に合わせた保管設備・場所をつないだリレーピッキングや、物量にあわせてAGV台数を増減するなど、事業環境や規模の変化に合わせて柔軟にレイアウト変更が可能であり、スモールスタートから大規模センターまで幅広いニーズに対応します。

*13 SKU(Stock Keeping Unit):在庫管理を行う上での最小の管理単位。サイズや色、仕様などの違いごとに区別される。

背景

 近年、物流業界では労働力不足や高齢化が深刻な社会課題となっており、物流の維持・効率化が急務となっています。また、EC市場の拡大に伴う多品種少量化により、倉庫内の仕分け作業は複雑化しており、限られた人員と時間で迅速な出荷を実現することが求められています。人による「歩行ピッキング」や固定設備を多用する従来のシステムでは、生産性やレイアウト変更の柔軟性に課題がありました。近年は、これに対応するため、GTP方式の導入が進んできましたが、AIなどのデジタル技術を活用したさらなる作業効率化が求められています。日立はこれらの課題を解決するため、自律的な搬送制御技術とAIによる最適化を組み合わせた「LogiRiSM」を開発しました。

「LogiRiSM」について

https://www.hitachi.co.jp/products/infrastructure/product_site/logistics_center/solution/logirism.html

動画:https://www.youtube.com/watch?v=ZDT3regBkUo

商標注記 

LogiRiSMは、株式会社日立製作所の登録商標です。

Integrated Industry Automationは、株式会社日立製作所の登録商標です。

その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

日立製作所について

 日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jpをご覧ください。

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ロジスティクス&ロボティクスソリューションに関するお問い合わせ:インダストリー:日立

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会社概要

株式会社 日立製作所

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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
-
代表者名
德永 俊昭
上場
東証プライム
資本金
-
設立
1920年02月