理研とインテルが次世代コンピューティング分野の共同研究に向けて連携
理化学研究所(理研)およびIntel Corporation (インテル コーポレーション、以下インテル)は、AI(人工知能)、ハイパフォーマンス・コンピューティング、量子コンピューターなどの次世代コンピューティング分野における共同研究を加速させる連携・協力に関する覚書を2023年5月18日に締結しました。理研は、この覚書の一環として、Intel Foundry Services(IFS)社と連携し、これらの新しいソリューションの試作をします。
協力内容
スーパーコンピューターやAIに関わるコンピューター技術
シリコンをベースとした量子コンピューター技術、および量子シミュレーション技術
Intel Foundry Services(IFS)社との連携よる試作
本連携は、理化学研究所とインテルが、双方の研究能力と技術力を生かして、ゼタスケール(ゼタは10の21乗のことで、エクサスケールの1,000倍)への道における飛躍的な性能向上の可能性を追求し、グローバルに広く展開することを目的とするものです。
ビッグデータのスケールが巨大化することにより、機械学習や深層学習の計算基盤はさらなる高度化が求められており、スーパーコンピューターや量子コンピューターの飛躍的な性能向上が望まれています。
その需要に応えるため、国内唯一の自然科学の総合研究所である理研では、現在、次期中長期計画となる第5期中長期計画(2025年度~2031年度)に向けた先行的な取り組みとして、理研全体での横断的なプロジェクトとなる「Transformative Research Innovation Platform of RIKEN platforms(TRIP)」を2023年度から開始しました。TRIPは、理研の最先端研究プラットフォーム(スーパーコンピューター、大型放射光施設、バイオリソース事業など)をつなぐとともに、先駆的に研究デジタルトランスフォーメーション(研究DX)を加速・発展させ、社会変革のエンジンを提供しようとする挑戦的なプロジェクトです。これを推進するためには、スーパーコンピューターや量子コンピューターの性能向上など次世代コンピューティング分野に関する研究の加速が必要です。
インテルには、ムーアの法則の進化を継続することを可能にした、基礎的なプロセス革新の長い歴史があります。ハイパフォーマンス・コンピューティングや量子コンピューティングなどの分野における継続的なイノベーションを通じて、インテルはムーアの法則を堅実に維持しています。AIの急速な成長に伴い、インテルは、現在、大規模なハードウェア性能と開発者の生産性を実現することで、AIの民主化に注力しています。またインテルは、新たなコンピューティング・パラダイムを提示し、あらゆる産業分野に革命をもたらす量子コンピューティングの技術革新にも積極的に取り組んでいます。ワークロードとアプリケーションの複雑さが増すにつれ、量子コンピューティングはスーパーコンピューターやハイパフォーマンス・コンピューティングを補強することになります。