キッズ向けスマートウォッチのグローバル市場、Imooが26%のシェアで市場を牽引

中国メーカーだけで2019年グローバル出荷台数の62%を席巻。4G普及でセルラー接続需要が喚起され、2019年出荷分のキッズ向けスマートウォッチのセルラー接続搭載率が71%に到達。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、キッズ向けスマートウォッチのグローバル出荷量が2019年に前年比8%増加したという調査結果を含むIoT serviceによる最新調査を発表致しました。

この市場におけるプレイヤーと競合状況について、カウンターポイント社のリサーチアナリストSatyajit Sinha氏は以下の通り述べています。
「中国企業メーカー群は、引き続き世界のキッズ向けスマートウォッチ市場で大きなシェアを獲得しており、出荷された5台のうち3台以上が中国製となった。メーカーごとのシェアでも中国企業のImooやHuaweiなどが名を連ねる。これら中国企業が、インドネシア、タイ、マレーシアなどの東南アジア諸国にも進出したことにより、中国とインドを除くアジア太平洋地域は、今やスマートウォッチの11%が出荷される世界第2位の市場になっている。」

Sinha氏はさらに続けて、次の通り述べています。
「キャリア各社にとってもこの市場は魅力的である。China Mobile、Vodafone、Verizon、AIS Thailand、Maxis (マレーシア)にとってかなりの純増になっている。どの会社もキッズ向けスマートウォッチを端末のポートフォリオに加え、新規契約と収益源開拓を加速させている。」
 

▶キッズ向けスマートウォッチのグローバル出荷量 2018年と2019年の市場シェア比較

キッズ向けスマートウォッチのアプリについて、カウンターポイント社のシニアアナリストEthan Qi氏は以下のように付け加えています。
「スマートフォンがコミュニケーション手段として依然ベストではあるものの、高価なスマートフォンを子供に与えるのはリスクが高い。キッズ向けスマートウォッチは、コミュニケーション機器であるとともに、子供の居場所や行動履歴を知ることのできる装置ともなる。キッズ向けスマートウォッチとして2019年に出荷された機器の71%はセルラー接続機能が搭載されている。従って、スマートウォッチは、通話のみならず、緊急時のSOSボタンや、ジオフェンス(※注1)を出入りした際のSMSアラート機能、子供の周囲の環境音を聴き状況を把握する機能などが提供可能となっている。セルラー接続できるキッズ向けスマートウォッチの65%が4G接続できるため、ビデオ通話や対話型の学習、ゲームなど可能性が拡張されている。」

Qi氏はさらに次の通り述べています。
「プライバシーとセキュリティがキッズ向けウォッチ市場での主要課題である。欧州の数ヶ国は、キッズ向けスマートウォッチのGPS位置追跡機能について、セキュリティの懸念があるとして、精査を行っている。特に新たに制定されたGDPRのもとでは問題になりえる。従って、この市場で成功するにはしっかりしたセキュリティと、安心を与えるユーザーエクスペリエンスがキーポイントとなるだろう。」

(注1)ジオフェンス(geofence): 位置情報を用いて特定の場所に仮想の境界線を引くこと

包括的で詳細なレポート「Global Smartwatch by Model Quarterly Tracker Q1 2018 – Q4 2019
」はIoT Serviceの一部です。レポートは、次のリンク先よりダウンロードすることが可能です。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Individual/1773

【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT（テクノロジー・メディア・通信）業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/