2025年の1型糖尿病根治を目指す日本IDDMネットワーク、新たな研究支援の形として「バイオ人工膵島移植」を牽引する医療系ベンチャー企業に出資
国内では前例のない、医療者・研究者・企業・NPOのマルチセクター連携により最先端医療の実現を推進
不治の病「1型糖尿病」の患者・家族が自ら立ち上げ、全国の当事者を支援する認定NPO法人日本IDDMネットワーク(理事長 井上龍夫、本部 佐賀市)はこのたび、2025年の1型糖尿病根治に最も近い「バイオ人工膵島移植」の加速に向け、同研究の臨床応用を目指す株式会社ポル・メド・テック(代表取締役 長嶋比呂志・三輪玄二郎、所在地 神奈川県川崎市/以下、PMT社)に4000万円を出資します。日本IDDMネットワークはこれまでも多くの1型糖尿病根絶(=治療+根治+予防)に向けた先端的研究への助成を行ってまいりましたが、出資による研究支援は、初の試みです。
[画像]2004年に国内初の「膵島移植」が成功したことで「1型糖尿病」根治の道筋が見えてきた(写真中央が、現PMT社・松本慎一取締役)
PMT社は、ブタの発生工学の世界的権威(長嶋比呂志代表取締役)や、日本初の膵島移植医(松本慎一取締役)ら、研究者・医療者が自ら立ち上げた明治大学発のベンチャー企業です。今回の出資により、医療者、研究者、企業、NPOが協働で最先端医療の実現に取り組むこととなり、これは日本では他に例のない挑戦となります。
なお今回は、日本IDDMネットワークが2021年10月に創設した「バイオ人工膵島移植ジャパンプロトコール2025基金」を原資とし、「新株予約権付転換社債」の引受という形で出資を行います。PMT社の事業が順調に進捗した場合は出資を回収し、さらに様々な1型糖尿病根絶に向けた研究への出資・助成へと繋げ、研究資金の循環を創り出すことが期待できます。
◆日本IDDMネットワーク理事長 井上龍夫(1型糖尿病患者の父)のコメント
"私たち1型糖尿病患者・家族の「夢」はこの疾患の「根治」(発症前の体に戻ること)です。現時点でそこに最も近い治療法候補が「バイオ人工膵島移植」です。PMT社という「民間企業」と私たち患者・家族支援団体(NPO)とのこのような強固な連携は、この「バイオ人工膵島移植」の真の実用化に向けた大きな第一歩になると信じています。そしてその先の「夢の実現」までが明確に視野に入ってきたことを実感しています。"
【現在の医学では根治できない「1型糖尿病」】
1型糖尿病は、原因不明で突然、小児期に多く発症し、現在の医学水準では発症すると生涯に渡って毎日4~5回の注射又はポンプによるインスリン補充がないと数日で死に至る難病です。国内での患者数は約10〜14万人、日本人の子どもの年間発症率は10万人当たり2人程度と希少な病であるため、患者と家族の精神的、経済的負担は大きくなります。
【1型糖尿病に「バイオ人工膵島移植」が期待される理由】
1型糖尿病の治療法は一般的に「インスリンを一生投与し続ける」という方法と、「膵臓移植」や「膵島移植」という「インスリンを分泌する臓器や細胞の移植」の2つがありますが、前者では根治にはつながりません。また、根治が期待できそうな「膵島移植」も、次のような課題があります。
- 国内での「ドナー(臓器提供者)」の圧倒的な不足
- 拒絶反応を抑えるための「免疫抑制剤」を生涯に渡り服用することが必要。副作用も少なからずある
これらの課題をクリアできる治療法として注目されているのが、ブタの膵島を移植する異種移植「バイオ人工膵島移植」です。無菌室で育てられた医療用ブタの膵島を特殊なカプセルで包み、患者に移植する治療方法です。
※CPC(細胞加工施設):細胞加工ができる高水準のクリーンルーム
◇バイオ人工膵島移植プロジェクト
https://japan-iddm.net/cutting-edge-medical-technology/bio-artificial-islets/
◇バイオ人工膵島移植ジャパンプロトコール2025基金
https://japan-iddm.net/japanprotocol2025/
◇株式会社ポル・メド・テック
https://pormedtec.com
【日本IDDMネットワークとは】
日本IDDMネットワークは1型糖尿病の患者とその家族が立ち上げた認定NPO法人です。1型糖尿病をはじめとしたインスリン補充が必須な患者とその家族一人ひとりが希望を持って生きられる社会を実現することを目指しており、その当面のゴールは、1型糖尿病を「治らない」病気から「治る」病気にすることですが、究極の目標は“1型糖尿病の根絶(=治療+根治+予防)”です。
【お問い合わせ先】
名称:認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク
所在地:〒840-0823 佐賀県佐賀市柳町4-13
担当者:荻布裕子
電話/FAX:0952-20-2062
E-mail:info@japan-iddm.net
WEB:https://japan-iddm.net/
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