スライスしながらオゾンで野菜を殺菌 『野菜キレイSaOシステム』引き合い好調! 初号機稼働開始(ライオンハイジーン㈱)

ライオン株式会社

ライオンハイジーン株式会社(代表取締役社長・近藤 邦男)が開発し、本年1月に受注を開始した新野菜洗浄殺菌システム『野菜キレイSaOシステム』は、「野菜をカットしながら殺菌するシステム」という新しい提案を行いました。おかげさまでカット野菜製造業者の方から大変多くの引き合いを頂いています。7月には初号機がカット野菜製造工場に導入され、この度、稼働を開始しました。

                 <『野菜キレイSaOシステム』の全体像>


■カット野菜市場の状況

 家計におけるカット野菜の購入は、新型コロナウイルス禍の2020年3月以降、増加し続け、特に家庭内調理で使用するカット野菜の購入が大幅に増加しました(POSデータ 1000人当たり販売金額)。また生鮮野菜のホール野菜購入からカット野菜・冷凍野菜購入へのシフトが更に進展していました(※1)。

 コロナ禍前後では、消費者の野菜の購入頻度に大きな変化はありませんでしたが、カット野菜、野菜総菜、弁当、冷凍野菜などの購入頻度が徐々に高まる傾向がみられることが分かり(※2)、今後もカット野菜の需要は伸張すると考えられます。


※1 出典:「新型コロナウイルス禍における 野菜消費の変化」 調査・報告 野菜情報 2021年6月号 独立行政法人農畜産業振興機構

※2 出典:「新型コロナウイルス禍の加工・業務用野菜需要構造実態調査報告書の概要」 令和3年7月 独立行政法人農畜産業振興機構


■引き合い好調の要因

 カット野菜を製造する時の「スライス工程」は、野菜を連続で大量にスライスするため、交差汚染のリスクを抱えており、最終製品の菌数上昇に影響を及ぼします。

 当社は、カット野菜製造工程において、オゾン水を活用し野菜をカットしながら殺菌するシステムという新しい提案を行いました。「オゾン水の活用」、「スライサーへのかけ流し」、「カットしながら殺菌」という特長が、交差汚染のリスク低減やカット野菜の品位保持、水使用量の削減といった製造業者のニーズに合致し、新システムへの注目度向上・新市場創出の可能性に繋がっているものと推察しています。

*初号機導入企業の声は、参考情報を参照ください。


■『野菜キレイSaOシステム』について

 カット野菜を製造する時の「スライス工程」にて、野菜を連続で大量にスライスするため、交差汚染のリスクを抱えており、最終製品の菌数上昇に影響を及ぼします。そこで、スライサーに「オゾン水+専用洗剤」をかけ流すことで、野菜をカットしながら殺菌するシステムを採用しました。このソリューション(野菜殺菌システム)は、オゾンで野菜を殺菌することで、高品位なカット野菜の処理が可能です。また、本殺菌工程の削減や条件緩和が可能となり、生産量のアップやユーティリティコストの削減にも貢献します。


(1)野菜の品位保持レベル

 本システムで処理した野菜の品位維持レベルを確認するため、水洗いした野菜と比較して、見た目や実際に食した官能評価を行いました。その結果、水洗いした野菜と同等レベルの食味を保持していることが分かりました。

 本システムではオゾン水を使用することで、スライサーのコンベアなどの部品へのダメージを軽減しながら、専用洗剤と併用することによって菌数制御力と品位の向上を実現しています。


                 < 図1 千切りキャベツの食味評価結果 >


            野菜キレイSaO製法は、褐変の進行が現行製法に比べ遅い

           < 図2 保存後のキャベツの色差測定結果(6日間保存品) >


(2)工程での水使用量の削減

 本システムの導入により、スライス後の本殺菌工程を省略することができます。そのため、水使用量や製造時間の削減が可能になります。当社の検証では、スライス後の水使用量を従来の約1/5に削減できることが分かりました。


             < 図3 スライス後の本殺菌工程(モデル図) >


■技術情報発表

 当社は、本システムの基盤技術に関し、日本食品科学工学会 第70回記念大会にて発表いたしました。今後も当技術の積極的な発信を進めてまいります。

           

【日本食品科学工学会 第70回記念大会】  

(期間:2023年8月24日(木)~8月26日(土)、場所:京都女子大学)  

〇発表日          :8月26日(土)

〇演 題          :スライサーへのオゾン水かけ流しによるカット野菜の殺菌と品質保持  

〇発表者          :○水野 義隆1、西村 園子1、椛島 真一郎1、鍋田 優2、早川 文代3、稲津 康弘3

〇所 属          :1: ライオンハイジーン株式会社 2: ライオン株式会社

         3: 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

〇学会公式HP  :https://jsfst.smoosy.atlas.jp/ja


 当社は、マイクロバブルオゾン野菜洗浄・殺菌システム『野菜キレイMiBOシステム』を展開しており、本システムを加えたオゾン活用洗浄・殺菌システムをラインアップしました。今後も、カット野菜製造工場向けに洗浄・殺菌工程対応のソリューションを提供し、新しい市場の創出に貢献してまいります。


   ライオンハイジーンオンライン展示会

      「Virtual Exhibition FOOMA JAPAN 2022 WEB展示会」

        https://www.lionhygiene-foomajapan2022.com/


以 上



【参考情報】 

■『野菜キレイSaOシステム』の初号機を導入いただいた企業様の声 

 カット野菜製造工場「株式会社フードプラン」様にご協力をいただき、当社の『野菜キレイSaOシステム』導入の声を紹介いたします。


“野菜へのこだわり”、“おいしさへのこだわり”について

安全な国産野菜にこだわり、みずみずしさや大切な栄養素を守る加工技術により、仁淀川の清らかな伏流水を潤沢に使用して製造しています。

「食のファッション化」をコンセプトに、彩りよく組み合わせた野菜サラダをおしゃれなパッケージで包装し販売しており、多くのお客様の食卓を彩る商品として販売しています。


『野菜キレイSaOシステム』導入の決め手

以前より、安全に消費期限を延長するシステムを模索しておりました。今回のライオンハイジーン社との取り組みは、2021年オゾン水を活用した洗浄システムについてライオンハイジーン社に問い合わせたことから始まり、「野菜の風味の維持」、「消費期限延長」等の可能性が決め手となりました。


『野菜キレイSaOシステム』導入後のご感想

本システムを導入したことにより、殺菌工程の簡略化と菌数制御の安定化、加工後の野菜の変色劣化を遅らせる効果が出ています。取引先となる量販店より本システムの効果について、鮮度維持、消費期限の延長等が期待されます。


今後の展望について

お客様の健康に寄り添い安心して召し上がっていただける生野菜商品を主軸とし、企業価値向上のため、ロングライフ商品の開発も視野に入れています。野菜本来のおいしさの追求、消費期限の延長によるフードロスの削減等、安心安全な食生活に貢献するため、原料供給で交流があり、実績がある加工業者と互いのノウハウを生かしながら商品開発に取り組みます。


<株式会社フードプラン>

高知県仁淀川町にあるカット野菜事業や加工品事業、プロデュース事業を行う企業。

全国の水質ランキングでも1位に選ばれた日本有数の清流である仁淀川の側にあり、おいしい水と豊かな自然に育まれた野菜を中心とした「食」を通じて、みなさまに安心で健康な「おいしさ」を提供します。

 https://www.foodplan.co.jp/

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会社概要

ライオン株式会社

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URL
https://www.lion.co.jp/ja/company/about/
業種
製造業
本社所在地
台東区蔵前1-3-28
電話番号
03-6739-3711
代表者名
竹森 征之
上場
東証プライム
資本金
344億3372万円
設立
1891年10月