女性の若い頃の香り「ラクトン」は美肌効果も期待できる?!女性の肌悩みの原因となる皮膚の炎症を抑制することを確認
- 研究成果ポイント
②ラクトンC10は紫外線誘発した炎症性物質IL-6の産生を抑制することを確認
- 研究結果① ラクトンC10/ C11はヒト表皮角化細胞の増殖を促進
試験方法:ヒト表皮角化細胞を用い、ラクトンC10及びラクトンC11含有の培地を添加し、3日後に細胞数を計測した。Student’s t-test, *:p<0.05, n=3, mean ± SD(ロート研究所実施)
- 研究結果② ラクトンC10は紫外線により誘発された炎症性物質IL-6を抑制
試験方法:ヒト表皮角化細胞を用い、ラクトンC10含有の培地をUVB照射24時間前と直後に添加した。UVB照射24時間後に培養上清を回収し,IL-6の量をELISA Kitにて測定した。Tukey-Kramer test, ** p <0.01 ,n =6,mean ± SD.(ロート研究所実施)
- 考察
ラクトンには、「①表皮細胞の増殖効果」と「②紫外線による炎症性物質IL-6の産生を抑制する効果」があることが明らかとなりました。
①表皮細胞の増殖効果:加齢をはじめとする様々な要因によって、角質層を構成する表皮角化細胞の増殖・分裂能が低下し、表皮のターンオーバーの遅延を引き起こします。その遅延は表皮の菲薄(ひはく)化や角質層の肥厚を招き3)、くすみにつながります4)。よって、ラクトンは表皮角化細胞の増殖によりターンオーバーを促すことが考えられ、くすみを改善することが期待できます。
②紫外線による炎症性物質IL-6の産生を抑制する効果:紫外線によって表皮から産生される炎症性物質IL-6は、種々の炎症を増悪するサイトカインとして知られています5)。ラクトンはIL-6を抑制することにより、表皮で起こる炎症の悪化を予防することが期待できます。
- ラクトンとは
参考文献
2)生産研究, 59, 124-127 (2007)
3)J Gerontol. 1983 Mar;38(2):137-42.
4)日本化粧品工業連合会、粧工連技術資料、101、148 (1995)
5)Jpn. J. Clin. Immunol., 38 (6) 433~442 (2015)
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