【ワクセル講演会レポート】廣道純氏講演会:チャレンジする勇気~逆境から一歩踏み出す~ 6/24(木) 20:00-@オンライン開催!
逆境からプロになるには
ワクセル(主催:嶋村吉洋)は6/24(木) 20:00、プロ車いすアスリートの廣道純(ひろみちじゅん)氏によるオンライン講演会を開催いたしました。廣道氏は、高校1年の時、バイクに乗って事故を起こし脊髄を損傷し車いす生活に。その後、即車いすレースの世界へ。以後、逆境からチャレンジを続けて、シドニーパラリンピックの800mで銀メダル、アテネパラリンピックの800mで銅メダルを獲得。選手育成や車いすレース普及にも取り組んでおられます。
車いす生活をどのように捉え、そしてどのようにプロの世界にまで進んだのか。
その背景には、廣道氏の大切にするメンタル管理と熱い想いがありました。
本レポートではその講演会の報告をいたします。
車いす生活をどのように捉え、そしてどのようにプロの世界にまで進んだのか。
その背景には、廣道氏の大切にするメンタル管理と熱い想いがありました。
本レポートではその講演会の報告をいたします。
■講演会の概要
本講演は、次世代を担う起業家の輩出と人財育成に取り組む嶋村吉洋が主催する、ワクセルによるオンライン講演会です。
今回の講演のテーマは、「廣道純氏講演会:チャレンジする勇気~逆境から一歩踏み出す~」です。
講演会は、以下のプログラムで進行いたしました。
- 自己紹介
- 車椅子での生活
- 逆境からプロになった努力の経験
- 自分自身へのメッセージ
- 新しいチャレンジに一歩踏み出す勇気
- メンタル管理、継続のコツ
■講演会の詳細
100から0ではない、0から50だった
「車いすのおかげで世界2位になれました」
廣道氏はそう言って講演会を始められました。
高校1年の時、バイクに乗って事故を起こし、 脊髄損傷により車いす生活となります。
この時のことを廣道氏は「事故で死んでしまったはずだった」とのことで、以後「生きてて良かった」「いつ死ぬか分からない」という気持ちで生きているといいます。
一般的にマイナスに考えがちな出来事を、当時からプラスに考えていた廣道氏は車いす生活のことをこのように表現します。
『100から0になるところが、0ではなく50になった』
これは、死んでしまえば0(100から0)だったところが、脊髄損傷のみで50(0から50)だったという意味で、決してマイナスに捉えていなかったのです。
怪我をするまでパラリンピックのことすら知らなかったところを、「いつ死んでもおかしくない」という気持ちがチャレンジの根源となり、車いすアスリートの世界へ。
2004年にプロとして独立しますが、それまでの過程は挑戦続きだったといいます。
会社員として働きながらも車いすの道を進みますが、当時はまだ日本にプロがない時代。
アメリカでは既にプロがありましたが、ある時「アメリカでも最初はプロは無かった。自分たちで創ったんだ。」と聞き、自分たちで創ろうと考え始めます。
最初は門前払いだったところから、外資系の航空会社がスポンサーについたことを契機に徐々に知名度が上がり、9年かけて、廣道氏は、日本で初めてプロアスリートとして独立します。
そして、同じ2004年のアテネパラリンピック800mで銅メダルを獲得し、シドニーパラリンピックの銀メダルに続く2大会連続でメダルを獲得する快挙を成し遂げます。
しかし、その過程でも様々な声があったといいます。
アテネで金メダルを取りたくて会社を辞める時も、「そんなうまくいくわけない」と周りから心配や批判をされました。
それより以前、94年当時の車いすマラソン世界記録保持者ジム・クナーブの元へ弟子入りを志願した時も、「ボストンまで行っても意味はない。」「会えなかったらどうする?」等のといった声がありましたが、その時に一歩踏み出したからこそ、彼のもとでホームステイを通して学ぶことができ、そして今があるといいます。
失敗したというチャンスを手に入れた
廣道氏は、失敗で怖がるのではなく、踏み出すことが大事だと言います。
会社員の中でも全員が独立して辞めたいと思っていない以上、「起業や経営に踏み出せる人はすぐに踏み出す方が良い。」といいます。
廣道氏は、今現在も挑戦し続けています。
それは、東京パラリンピックの後にあるパリのパラリンピックを走ることです。
ピエール・フェアバンク選手という、廣道氏と常に僅差で戦ってきたアスリートが今回の東京パラリンピックに出場すること、更に自分より2つ上の49歳で参加していることに、まだまだ自分自信も諦められないというのです。
健常者100からの50と捉えるのか。
死0からの50と捉えるのか。
命さえあれば克服できる。
廣道氏はそう考えています。
生まれてきただけでチャンス。
失敗しただけでチャンス。
その信念は今なお生きていました。
変わるのは自分だった
あの時、中学2年生で反抗したまま死んでいたら―—。
廣道氏は、助かって本当に良かったと思っているといいます。
そして、その時「変わるのは自分」という経験もします。
それは、事故直後に目が覚めた時に見た父親がきっかけでした。
朝まで家に帰らないような毎日で、親になにかと反抗していた日々。
そんな中、心配そうにのぞき込む父親の眼。
それを観たときに、「このまま死んでいたら一生謝ることができなかった」と実感し、周りへの関わりも変わったといいます。
ずっと自分の周りがいけないと思っていたが、実際、障害者になってから周りが変わってみえた。それは、自分が変わっていたからだったのです。
一歩踏み出す自分に酔うこと
あっという間に廣道氏の熱い講演は終わり、最後はに質疑応答の時間に。
早速、「言い訳をしないために意識していることは?」と参加者から問いが来ました。
これに対して、廣道氏は「常に次勝つためにはどうするべきかを考えること」と答え、過去を振り返らないように忘れて、次へと向かっていくことが大事だといいます。
また、なにか達成するときに大事なことは「自分の信じるものを貫き通すこと」だといいます。占いと一緒で、自分が信じたものを貫くことで達成は見えるといいます。
それと同時に、廣道氏は常に客観的に自分を見ることも習慣化しています。練習している時も第三者視点で「お前、このメニューで本当に良いのか?」と言い聞かせて自分を研磨し続けているのです。
次に、「モチベーションを上げるために大事なことは?」という質問。
廣道氏もちょうどいま練習のモチベーションが上がらない仲間がいるということでしたが、彼には今は休むよう伝えているといいます。やりたい気持ちがないのに無理やりやるのは苦痛なので、そういう時は無理に伝えないといいます。
好きだと思うことだけをやることが大事。もし期限があるならば、どうやったら楽しめるのかを自分で考えます。10のうち9が嫌なことでも1楽しいことがあれば頑張れる。それは、アスリートの世界では1という優勝の為なら99練習できるということでもあります。
「イチロー選手のようなルーティンは?」という問いに対しては、アスリートでは分かれるところではあると前置きした上で、廣道氏は「ルーティンはつくらない派」だといいます。それは、「何があっても対応できる」というスタンスを大事にしているからで、ルーティンがなくても常に最良なコンディションでいることを重要視しているのです。
最後に、「一歩踏み出すときに大事にしていることは何か?」という質問。
廣道氏は「一歩踏み出す自分に酔うこと」だと即答。
まずはそこで勝ち。
成功までもっていったらもっと勝ちだといいます。
緊張する自分に酔う。
実際、緊張感のない状態でレースいくのは練習はしていないといいます。
講演はこの質問を最後に終わりとなりました。
常にチャレンジを続ける廣道氏は講演中も熱く、胸に刺さる言葉のを多くを参加者に届けました。
■廣道純氏 プロフィール
高校1年の時、バイクに乗って事故を起こし、 脊髄損傷により車いす生活となる。退院後、 即車いすレースの世界へ。
94年、当時の車いすマラソン世界記録保持者ジム・ クナープの元へ弟子入りを志願。彼の元でホームステイし、 レース前のメンタルトレーニングや勝ち方、 練習方法など多くのことを学び、 アスリートとしての素質を開花させる。
94年ボストンマラソンを皮切りに世界各国のレースに出場。
96年大分国際車いすマラソンでは、 日本人初の総合2位を果たし、 名実ともに世界のトップアスリートとなる。
00年シドニーパラリンピック800mで銀メダル、 04年3月には日本人初のプロ車いすアスリートとして独立。
その年に行なわれたアテネパラリンピック800mで銅メダルを獲 得。
08年北京パラリンピックは大会前までの世界記録を上回る記録で 8位入賞。
ロンドンパラリンピック800mでは6位入賞と、 4大会連続入賞の偉業を達成。
東京パラリンピックで5度目の出場を目指している。
プロのアスリートになってからは、年間25~ 30回のレースに出場しながら、 記録や自身の可能性に積極的にチャレンジ。テレビ・ラジオ出演、 講演なども意欲的にこなしている。
また、選手育成や車いすレース普及のため、 大会運営にも積極的に取り組み、 健常者マラソンと車いすレースが融合できる大会を目指し活動中。
廣道純氏オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/jhiromichi/
■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY「ワクセル」
ワクセルは未来を切り拓く人たちが集まり、世の中のワクワクでいっぱいにし、これからの社会を創るためのソーシャルビジネスコミュニティとして、持続可能な社会をづくりや事業輩出のための活動、講演会を開催してまいります。ワクセルは自律した人たちが集まった上下の関係のない横のつながりの組織です。
ワクセル公式HP(主催:嶋村吉洋)
https://www.waccel.com/
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