ロフトワークが企画設計から運営まで全面的に支援する、パナソニック クリエイティブミュージアム「AkeruE(アケルエ)」が4月3日にオープン
パナソニック株式会社が運営するAkeruE(アケルエ)は、「”ひらめき”をカタチにするミュージアム」をコンセプトに、知性を育む科学館の要素と、感性を育む美術館の要素を兼ね備えた、学びや体験を通じてクリエイティブな力を育む場です。理数の魅力に、エンジニアリング、テクノロジー、アートの分野を融合。みる、つくる、伝える体験を通して、子どもたちの創造性あふれる行動を支援し、次代を担う人材の育成支援活動を行います。
ロフトワークはAkeruE(アケルエ)立ち上げのパートナーとして、全体の企画構想、プログラム設計、空間構成、作品展示企画(空間デザインは乃村工藝社と協業)、VI・グラフィックとサインデザインを含むトータルデザイン、イベント企画、コミュニケーション設計を担当しました。オープン後は施設運営・共育コミュニティ構築を行います。
AkeruE(アケルエ)のコンセプト
AkeruE(アケルエ)は、子どもたちの知的好奇心と「ひらめき力(ギリシャ語でEureka)」を育む場として、”学び”と”モノ・コトづくり”の双方を体験できる施設です。
展示作品では、知性を育む科学館の要素と、感性を育む美術館の要素を兼ね備えた学びを提供します。また、モノ・コトづくりに取り組めるスペースやワークショップを開し、子どもたちのアイデアを形にする機会を設けます。
加えて、より創造性あふれる場づくりのために、若者や教育関係者、近隣地域などさまざまなステークホルダーとの協働を模索。子どもたちを含めてあらゆる人材・世代がともに学び合い、未来を築く場とコミュニティを構築していきます。
この場所を通じて、子どもたちがもつ好奇心や探求心をもとに、新しいひらめきのきっかけをつくりながら、それを形づくれるようにサポートをしていきます。
施設紹介
2Fと3Fにわたる2フロアに、子どもたちの「ひらめき」をカタチにする6つのエリアがあります。
TECHNITO | テクニート(2F)
本格的な機器を使用したものづくりが体験ができるエリア。3Dプリンターやレーザーカッタ―など、データからさまざまなモノを作るデジタルファブリケーション機器を用意。プログラミングや電子工作などを組み合わせたものづくりができるプログラムが魅力。
GAIA | ガイア(2F)
地球・自然界のクリエイティビティを体験し学ぶエリア。Aquaponicsなどの生態系STEAM展示に始まり、エコシステムを学べる。人と自然の調和を学ぶ体感型展示空間。
CHAOS | カオス(2F)
子どもから大人まで、さまざまなクリエイターが集い交流するエリア。年齢や仕事、価値観の違う人達が立場を越えて集まりアイデアを交換し協働作業することができる。
ASTRO | アストロ(3F)
科学や技術と芸術を掛け合わせたアート作品と、作品の仕組みを分解して説明する原理展示があるエリア。ものごとを組み合わせたり、掛け合わせてつくることの楽しさを知ることができる。
COSMOS | コスモス(3F)
テーマをもとに、自分が考えたこと(ひらめき)を形に表現して遊ぶエリア。好きな素材を使って自分の作品をつくり、ステージ上に並べると、他の人の作品との調和が生まれ全体で1つの大きな作品になる。他の人のひらめきとの違いを比較したり全体を見渡すことで、自分の考えたことを振り返ることができる。
PHOTON | フォトン(3F)
映像や写真、アニメーションを使って、考えたことを発信できるエリア。自らの発想や創作をストーリーとして組み立て、映像にして表現。他の人と同じイメージを共有し、伝える・伝わるという経験を得ることができる。
アップサイクルを取り入れた空間デザインと取り組み
AkeruE(アケルエ)があるパナソニックセンター東京は、2006年~2020年まで、理数の魅力と触れ合うための体験型ミュージアム「RiSuPia(リスーピア)」を運営していました。今回のリニューアルにあたって、これまでの施設の解体量を最小限に抑え、もとの空間を活かし新たな価値を加えていく方針で空間デザインを行いました。
リスーピアで使われていた展示物についても、AkeruEのコンセプトでとらえなおし、新たな気づき・体験に結びつくようアップデートさせています。
展示作品について
アートとテクノロジーのように異なるジャンルを掛け合わせた、「ひらめき」のきっかけとなる作品を常設展示しています。
作品名:Coworo
クリエイター名:松信卓也 / 筧康明
容器の中の液体の様子を見てみよう。盛り上がって山になったり、また消えたり。動き回ったり、くっついたり。生きているかのようにふるまう液体の不思議を観察し、ものがたりや仕組みを想像してみよう。
作品名:Looks Like Music
クリエイター名:スズキユウリ
黒い線の上を走り回る四角いカラーチェイサー。このロボットにはある秘密があります。ワークシートに自分の好きな色で線を自由に書いてみよう。カラーチェイサーを走らせるとその秘密がわかるはず。世界に一つだけの◯◯がつくれるかも…?
作品名:アイデアタワー
クリエイター名:井上仁行(パンタグラフ)
良いアイデアを思いついたとき、わたしたちの脳の中ではどんなことが起こっているのでしょうか。様々なうごき方をするカラフルなボールたちを見ながら想像してみよう。特殊な光と回転がリンクしたとき、タワー全体に命が吹き込まれます。
作品名:突き出す、流れる
クリエイター名:児玉幸子/竹野美奈子
磁力に反応する液体(磁性流体)が作る不思議なかたち。液体のプールの上下には、磁力を発生する電磁石があります。周りの音に反応して磁力が強くなると、磁性流体にトゲトゲの形が出てきます。声をかけたり、手を叩いたりして変化を観察してみよう。
作品名:floatio
クリエイター名:油井俊哉/横田智大/橋田朋子
りんごたちがふわふわ宙に浮いて動きまわるfloatio。
もし重力に逆らってモノが自由に浮かぶ世界になったら、暮らしはどう変わるのだろう。
作品にふれて、想像してみよう。りんごを手にとって浮かせてみよう。
作品名:stand
クリエイター名:前川和純
どうしたら自分の重心を高くできるか挑戦しています。ロボットの上についているカメラを使いながら、ロボット自身で考えて体勢を作り出しています。動きに注目しながら、ロボットがどんなことを考えて動こうとしているか想像してみよう。
作品名:赤い緑、黄色い青
クリエイター名:中山晃子
大きな大きなキャンバスの中の絵は、いっしゅんごとに違う色彩を見せてくれます。どの瞬間があなたの心に一番残りましたか?その色をみたときに、どんな気持ちになりましたか?周りの人とも共有してみよう。色と光がつくり出す不思議を楽しんでみよう。
作品名:Aquaponics
クリエイター名:邦高柚樹
私たちが生きている地球では、さまざまなものがつながり合ってくらしやすい環境がつくられています。アクアポニックスは小さな地球。アクアポニックスでくらす植物や魚は繋がりあってバランスをたもっているのです。それぞれがどのように関わり合っているのか、じっくり観察してみよう。
ロゴデザインに込めた想い
AkeruE(アケルエ)のロゴでは、あらゆる表現に使われる普遍的な形である”まる(丸・円・球)”を、点や領域に見立て、配置や関係性、構造体として捉え直しています。五感を示す5つの”まる”を、大きな”まる”の中に集合させることで、自然やアートの中から原理を知り、ひらめきをカタチにする場所であることを表現しています。
クリエイター:岡崎智弘(SWIMMING、グラフィックデザイナー)
ロフトワーク AkeruEプロジェクトチームからのメッセージ
ロフトワークが手がけるクリエイティブ・ミュージアム、とりわけ未来をつくっていく子供たちの創造力を高める体験型施設が今回のテーマ。そもそも子供ってクリエイティブで感受性豊かです。大人がその限界を定めず、自由にのびのびと創造性のポテンシャルをひき出せる場とは。このようなチャレンジへのブレイクスルーは、ロフトワークそのものにありました。好奇心から始まり自らも行動したくなる場にすること、構築時から運営が始まっても多様な価値観をもつ人たちとの共創で場を育てていけること。そして、私たちが『宇宙船地球号』の乗組員として人と自然との関わり方、繋がり方を考えられる場。いま私たちが想像&創造しうる最大限の場づくりに挑みました。100BANCHやSHIBUYA QWSで培ったコミュニティ運営の経験も活かし、場を丁寧に成長させていきたいと思います。
施設概要
営業時間:10:00~17:00(新型コロナウィルス感染拡大防止のため、当面の間短縮営業中)
*4/1からは開館時間が変更になります。10:00〜18:00(最終入館は17:00まで)
休館日:毎週月曜日
入場料:一般700円(オープン初期は200円割引適応)、団体300円(15名以上、60分コース)
住所:〒135-0063 東京都江東区有明3-5-1 パナソニックセンター東京 2~3階
公式URL:https://www.panasonic.com/jp/corporate/center-tokyo/akerue.html
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