GNSS受信アンテナを走行車に装着 測量作業工数を従来の1/4以下に削減
~GNSS測量を活用して利益率を確保しつつ納期を厳守~
【2021年6月8日 東京】 計測テクノロジー業界のリーダーであるライカジオシステムズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:日比孝典)は、事前に設定された条件で自動的に計測結果を記録するオートレコード機能を備えた最新式GNSS受信アンテナLeica GS18 Tを採用した新和測量株式会社(以下、新和測量)の最新事例を発表しました。新和測量は初導入したGS18 Tの特長を最大限に生かし、走行車に装着するという類を見ない新しい手法により、測量作業工数を大幅に削減しただけでなく、作業時間の短縮や作業人数の削減により利益率を確保しつつ納期厳守を実現しています。
北海道・新ひだか町に本社を置く新和測量株式会社の主要業務は、1~4級の基準点設置と用地測量・境界確定です。北海道、国土交通省などが発注する公共測量が 100% を占め、道内の広範囲な市町村、公共機関の仕事を請け負っています。公共測量で最も重要な「納期厳守」をいかに前倒しにし、プラスアルファの価値を生み出せるかを追求する中で、新和測量では22 年前に汎用性の高いGNSS 測量を採用しました。以来、GNSS測量を活用、工夫して利用形態を進化させてきた過程で、2020年にLeica GS18 Tを導入、車に装着して走行しながら座標値の自動取得を行うことで、大幅な作業時間短縮を達成しました。「GS18 T のオートレコード機能は前機種と比べ一段と進化していて、計測のタイミングを従来の『時間』に加えて、『移動距離』、『高低差』でも設定できます。車に装着しての座標自動取得が飛躍的に使いやすくなりました」と測量課課長で測量グループリーダーの下山陽介氏は感想を述べています。
さらに、GS18 Tには傾いたまま計測ができる「チルト補正機能」があるため、上下左右に振動しながら走行する車でのオートレコード精度にも信頼性が高まりました。
例えば、水はけが悪い圃場に排水管(暗渠)を設置するための農業用土地改良に伴う面積 2.58haの地形調査では、トータルステーションであれば、二人組で5m 程度の間隔を行ったり来たりすることを繰り返すため約3 時間は必要となります。RTKの場合は、往復作業をするのは 1 人で済みますが、作業時間はトータルステーション同様の 3 時間か、それ以上の時間がかかります。ところがGS18 T を車に装着して、計測のタイミングを「平面移動5m 間隔」を基本に、「5m 移動する間に 20cm の高低差があればそこも測定する」という設定にしてオートレコードで計測したところ、運転者 1 人で、約 550 点の座標値を 30 分で取得できました。これにより、新和測量は現地作業の工数と時間の大幅な削減に成功しました。
新和測量におけるGS18 Tの導入効果は、このように作業工数、作業時間の削減により利益率を確保しつつ、納期を厳守することを可能にするものとなっています。「車で走行しながら座標値の自動取得をすることは、測量技術の画期的な革新のひとつだと思います。もっと活用したいし、この威力をもっと幅広い方々に知っていただきたい」と下山氏は意欲的に語ります。
本事例の詳細はこちらをご覧ください。https://leica-geosystems.com/ja-jp/case-studies/surveying-and-engineering/jp-shinwa-gs18-t
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