バイオシミラーって知っている?まったく知られていない、優等生な“薬(医薬品)”
企業の最新情報や、ユーザーへのインタビューなどを通して、トレンドを追跡するプロジェクト『トレンドラボラトリー』(株式会社ルーティングシステムズ内、https://www.trend-lab.biz/ )は、 日本の未来を考え、高騰し続けている国民医療費の課題解決策として、「バイオシミラーの普及」に着目しました。
バイオシミラーとは、日本で既に新薬として承認された先行バイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性及び有効性を有する医薬品として、異なる製造販売業者により開発された医薬品のことです。バイオシミラーは先行バイオ医薬品の特許期間が失効し、再審査期間が満了した後に発売されます。
バイオシミラーとは、日本で既に新薬として承認された先行バイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性及び有効性を有する医薬品として、異なる製造販売業者により開発された医薬品のことです。バイオシミラーは先行バイオ医薬品の特許期間が失効し、再審査期間が満了した後に発売されます。
トレンドラボラトリーでは、「バイオシミラー」に関する街頭調査を、4月中旬に、都内(渋谷・表参道・新宿・池袋・品川)にて、250名を対象に実施。結果、バイオシミラーを知っている方は、1割にも満たず、全くと言って良いほど、認知がされていませんでした。
そこで、該当調査時に、バイオシミラーの優れた点を踏まえて、バイオシミラーについて説明したところ、多くの方々が、バイオシミラーを支持し、かつ、優等生な薬と話をした。
また、製薬会社のファイザーが開催したセミナー「バイオシミラーの現状と課題」に、トレンドラボラトリーは参加。
セミナーでは、一般社団法人CSRプロジェクト代表理事 桜井 なおみ さんや、神奈川県立保健福祉大学大学院教授 坂巻 弘之 先生が登壇し、患者・医療従事者の目線で「バイオシミラーの現状と課題」について解説をし、バイオシミラーの啓発や、バイオシミラーを知る機会を作ることが大切だと話されていた。
街頭調査を行った250名のうち、バイオシミラーを知っていたのは10名にも満たなかった。
また、先行バイオ医薬品を知っているか?と聞いたところ、同じくほとんどの方が知らなかった。(1割未満)
なお、先発医薬品、後発医薬品を知っているか聞いたところ、半数以上の方が知っていると答えた。
特に、ジェネリック医薬品については、9割以上の方が、知っていると答え、認知度の高さが伺えた。
この質問より、ほとんどの人は、医薬品の種類を知らず、興味・関心がないことがわかった。
しかし、医薬品の種類を知り、選ぶ医薬品によって、国民医療費の削減に繋がっていくことを、国民の多くが理解することが大事と考える。
■バイオシミラーを、使いたいと思うか?
過半数(6割以上)の方が、バイオシミラーを利用したいと回答した。
理由は、「バイオ医薬品の方が、先発医薬品や後発医薬品に比べて、病気に対する効果がありそうだから」といった方が多かった。
また、利用をすることを躊躇った方は、「安全性に不安を感じるから」、「バイオシミラーを良くわからない(知らない)ため」といった理由が多かった。
■バイオシミラーは、必要だと思うか?
大半(8割以上)の方が、「必要だと思う」と回答した。
理由は、「先発医薬品や後発医薬品では治療できないような病気に対して、バイオ医薬品で対処ができると思ったから」、「バイオシミラーの価格が先行バイオ医薬品に比べて、安価であること」などの声が多かった。
トレンドラボラトリーが街頭調査の結果から感じたことは、「バイオシミラー」を啓発することの大切さであった。
また、このことは、製薬会社のファイザーが開催したセミナー「バイオシミラーの現状と課題」に登壇されていた、一般社団法人CSRプロジェクト代表理事 桜井 なおみ さんや、神奈川県立保健福祉大学大学院教授 坂巻 弘之 先生が話されていたことと、同じであった。
患者の立場から「バイオシミラー」について語る、桜井なおみ氏
バイオシミラーについて、患者側の懸念としては、(1)『バイオシミラー』という名前の普及が十分ではない、(2)「先発品同様に信頼できるの?」といった有効性・安全性、(3)「バイオシミラーは安定して供給されるの?」という安定供給、(4)「実際に何が使え、使われているの?」という選択権、(5)「患者負担は安くなるの?」といった経済性などが挙げられます。
また、こうした患者側の懸念が複数あるなか、バイオシミラー普及に向けて、まず『聞いたことがない』患者、市民への啓発を行うとともに、有効性と安全性は一定の幅の中でおさまるように先発品もバイオシミラーも厳しい品質管理が行われているということや、安定供給の観点からも期待されていることなどもあわせて伝えていく必要があり、バイオシミラーは病院単位で導入されることが多いため患者が選択できる場面は少ないかもしれませんが、不安なことは医師・薬剤師に気軽に相談するコミュニケーションが大事です。
バイオシミラーの価格は先行バイオ医薬品の7割程度なので、個々人の負担は、高額療養費制度の自己負担は変わらないかもしれませんが、医療費全体へのインパクトは大きいことから、国民皆保険制度を次世代につなげていくという視点も重要です。
こうしたバイオシミラーの普及には、医薬品分野における患者・市民参画を推し進めてほしいと思います。国民の不安、懸念に対して聴く機会の仕組みづくりや、医薬に能動的に関われない仕組みを改善し「知る機会」をつくること、我が国の公衆衛生・社会保障の歴史や背景、仕組みについて国民視点から議論する場などが求められています。
医療従事者、国の政策の立場から「バイオシミラー」について語る、坂巻弘之先生
我が国のバイオシミラー10年余の経験から、バイオシミラー承認数は着実に増加(特に2017年以降)しています。
また、使用数量・市場規模も増加し、経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)他、医薬品産業ビジョン2021で使用促進の方針が示されており、普及啓発の取り組みも実施されています。
2020年に在宅自己注射指導加算に診療報酬上の評価が導入され、2022年4月にはさらに外来化学療法にも対象が拡大し、医療関係者の受け入れも増加しています。ただし切替えについてのルール透明性などが求められている一方で、患者にはまだまだ認知されていないのが現状です。
今後は、バイオシミラー・バイオ医薬品開発のさらなる促進や、バイオシミラーによる持続可能な社会の実現に向け、安定供給やコスト低減のための連続生産に向けた製造方法革新や国内製造、リアルワールドエビデンスを用いたレギュラトリーサイエンスの在り方の検討、医療費・薬剤費への影響と持続可能な社会保障制度、バイオシミラーの普及啓発、多職種・国民の参画(multi-stakeholder engagement)などが求められます。
最後に
今回、トレンドラボラトリーでは、「バイオシミラー」という医薬品に着目したのには、二つの理由がある。
一つ目は、バイオシミラーを知っていた人が1割にも満たなかったように、国民の多くは、医薬品に対しての興味・関心が低い実態がある。
ここに問題意識を当てたかった。私たちの健全な生活や暮らし、ひいては、「命」を守っているものの一つに「医薬品」がある。
私たちが、病に侵されたときに救ってくれているのが、「医薬品」。
これは、大袈裟な言い方かもしれない。しかし、私たちの未来を考えるうえで、大事なことだと考える。
「医薬品」に対する国民の正しい理解と、興味・関心が高まることで、「医薬品」の開発に携わりたいと考える子供たちが増え、そして、そのことは明るい未来へ繋がっていく可能性を高めるからである。
二つ目は、「バイオシミラー」に関する認知を高めること。そして、「バイオシミラー」についての啓発・普及を行うことで、より良い社会の実現に近づけるためである。
私たちは、病気になって初めて接することが多い「医薬品」。そして、当たり前のように、「医薬品」に救われている。
そこで、該当調査時に、バイオシミラーの優れた点を踏まえて、バイオシミラーについて説明したところ、多くの方々が、バイオシミラーを支持し、かつ、優等生な薬と話をした。
また、製薬会社のファイザーが開催したセミナー「バイオシミラーの現状と課題」に、トレンドラボラトリーは参加。
セミナーでは、一般社団法人CSRプロジェクト代表理事 桜井 なおみ さんや、神奈川県立保健福祉大学大学院教授 坂巻 弘之 先生が登壇し、患者・医療従事者の目線で「バイオシミラーの現状と課題」について解説をし、バイオシミラーの啓発や、バイオシミラーを知る機会を作ることが大切だと話されていた。
■バイオシミラーを知っていますか?
街頭調査を行った250名のうち、バイオシミラーを知っていたのは10名にも満たなかった。
また、先行バイオ医薬品を知っているか?と聞いたところ、同じくほとんどの方が知らなかった。(1割未満)
なお、先発医薬品、後発医薬品を知っているか聞いたところ、半数以上の方が知っていると答えた。
特に、ジェネリック医薬品については、9割以上の方が、知っていると答え、認知度の高さが伺えた。
この質問より、ほとんどの人は、医薬品の種類を知らず、興味・関心がないことがわかった。
しかし、医薬品の種類を知り、選ぶ医薬品によって、国民医療費の削減に繋がっていくことを、国民の多くが理解することが大事と考える。
■バイオシミラーを、使いたいと思うか?
過半数(6割以上)の方が、バイオシミラーを利用したいと回答した。
理由は、「バイオ医薬品の方が、先発医薬品や後発医薬品に比べて、病気に対する効果がありそうだから」といった方が多かった。
また、利用をすることを躊躇った方は、「安全性に不安を感じるから」、「バイオシミラーを良くわからない(知らない)ため」といった理由が多かった。
■バイオシミラーは、必要だと思うか?
大半(8割以上)の方が、「必要だと思う」と回答した。
理由は、「先発医薬品や後発医薬品では治療できないような病気に対して、バイオ医薬品で対処ができると思ったから」、「バイオシミラーの価格が先行バイオ医薬品に比べて、安価であること」などの声が多かった。
トレンドラボラトリーが街頭調査の結果から感じたことは、「バイオシミラー」を啓発することの大切さであった。
また、このことは、製薬会社のファイザーが開催したセミナー「バイオシミラーの現状と課題」に登壇されていた、一般社団法人CSRプロジェクト代表理事 桜井 なおみ さんや、神奈川県立保健福祉大学大学院教授 坂巻 弘之 先生が話されていたことと、同じであった。
患者の立場から「バイオシミラー」について語る、桜井なおみ氏
一般社団法人CSR プロジェクト代表理事 桜井なおみ氏
バイオシミラーについて、患者側の懸念としては、(1)『バイオシミラー』という名前の普及が十分ではない、(2)「先発品同様に信頼できるの?」といった有効性・安全性、(3)「バイオシミラーは安定して供給されるの?」という安定供給、(4)「実際に何が使え、使われているの?」という選択権、(5)「患者負担は安くなるの?」といった経済性などが挙げられます。
また、こうした患者側の懸念が複数あるなか、バイオシミラー普及に向けて、まず『聞いたことがない』患者、市民への啓発を行うとともに、有効性と安全性は一定の幅の中でおさまるように先発品もバイオシミラーも厳しい品質管理が行われているということや、安定供給の観点からも期待されていることなどもあわせて伝えていく必要があり、バイオシミラーは病院単位で導入されることが多いため患者が選択できる場面は少ないかもしれませんが、不安なことは医師・薬剤師に気軽に相談するコミュニケーションが大事です。
バイオシミラーの価格は先行バイオ医薬品の7割程度なので、個々人の負担は、高額療養費制度の自己負担は変わらないかもしれませんが、医療費全体へのインパクトは大きいことから、国民皆保険制度を次世代につなげていくという視点も重要です。
こうしたバイオシミラーの普及には、医薬品分野における患者・市民参画を推し進めてほしいと思います。国民の不安、懸念に対して聴く機会の仕組みづくりや、医薬に能動的に関われない仕組みを改善し「知る機会」をつくること、我が国の公衆衛生・社会保障の歴史や背景、仕組みについて国民視点から議論する場などが求められています。
医療従事者、国の政策の立場から「バイオシミラー」について語る、坂巻弘之先生
神奈川県立保健福祉大学大学院教授 坂巻弘之先生
我が国のバイオシミラー10年余の経験から、バイオシミラー承認数は着実に増加(特に2017年以降)しています。
また、使用数量・市場規模も増加し、経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)他、医薬品産業ビジョン2021で使用促進の方針が示されており、普及啓発の取り組みも実施されています。
2020年に在宅自己注射指導加算に診療報酬上の評価が導入され、2022年4月にはさらに外来化学療法にも対象が拡大し、医療関係者の受け入れも増加しています。ただし切替えについてのルール透明性などが求められている一方で、患者にはまだまだ認知されていないのが現状です。
今後は、バイオシミラー・バイオ医薬品開発のさらなる促進や、バイオシミラーによる持続可能な社会の実現に向け、安定供給やコスト低減のための連続生産に向けた製造方法革新や国内製造、リアルワールドエビデンスを用いたレギュラトリーサイエンスの在り方の検討、医療費・薬剤費への影響と持続可能な社会保障制度、バイオシミラーの普及啓発、多職種・国民の参画(multi-stakeholder engagement)などが求められます。
最後に
今回、トレンドラボラトリーでは、「バイオシミラー」という医薬品に着目したのには、二つの理由がある。
一つ目は、バイオシミラーを知っていた人が1割にも満たなかったように、国民の多くは、医薬品に対しての興味・関心が低い実態がある。
ここに問題意識を当てたかった。私たちの健全な生活や暮らし、ひいては、「命」を守っているものの一つに「医薬品」がある。
私たちが、病に侵されたときに救ってくれているのが、「医薬品」。
これは、大袈裟な言い方かもしれない。しかし、私たちの未来を考えるうえで、大事なことだと考える。
「医薬品」に対する国民の正しい理解と、興味・関心が高まることで、「医薬品」の開発に携わりたいと考える子供たちが増え、そして、そのことは明るい未来へ繋がっていく可能性を高めるからである。
二つ目は、「バイオシミラー」に関する認知を高めること。そして、「バイオシミラー」についての啓発・普及を行うことで、より良い社会の実現に近づけるためである。
私たちは、病気になって初めて接することが多い「医薬品」。そして、当たり前のように、「医薬品」に救われている。
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